僕のことが大好きな彼女は小悪魔クーデレを演じきれない!
智代固令糖
友人編
第1話 放課後の教室
「夕日が差し込む教室で一人机に突っ伏している死体を発見」
//SE マジックペンのふたを開ける音
「最後の弔いとしてこの私が直々に油性ペンで落書きをしてあげましょう」
「……あら? 生きてたの。てっきり死んでるものだと思ったわ。私が騙されるなんてめったにないことだから光栄に思いなさい。今すぐ私にひれ伏しても良いのよ。さぁ、靴を舐めなさい」//淡々と喋る感じで
「相変わらず饒舌だな? あら、私のことを知ってるような言いようだけど、君と私は初対面のはずだけど」//とぼけるような感じで
「隣の席で何回もペアワークしてる? あら、そうだったかしら? ごめんなさいね、人を覚えるのが苦手で。——死・体さん?」
「全然違う? 自分はただダラダラしてるだけの生きてる人間? へぇ、ダラダラすることが君の才能なんだ」
「だけど残念なことにその才能を生かせる職業が今の現代社会に存在しないから君は社畜の道しかないということね本当にかわいそう。ご愁傷様」//憐れむような感じで
「将来の話は耳が痛くなる?」
//演出 主人公の机を一周回りながら
「花の高校生で部活にも入らず、勉強も嫌いでいつも考査の学年順位は下から数えた方が圧倒的に早くて、青春や就職という二字熟語におびえて——」
「もうそれ以上はやめてくれ? ……ごめんなさい。メンタルザコザコの君にとってこの事実の羅列は精神的ダメージが大きかったわね」
「もうちょっと言い方を考えてほしい? んー、君みたいな自堕落な人間を甘やかすことは今後のため、世界のためにならないと思うの。だから私は心を鬼にしてきつい言葉を投げかけてるのよ」
「あぁ、自分の良心が痛んで仕方がない。本当の私は心優しい天使のような人なのに」//心にもない感じで
「そう言うわりには楽しんでるように見える? 主観的意見ね」
「勘違いしないでよね。別に君をいじわるすることで日々のストレスを発散してるわけじゃないから」//ツンデレをわざとらしく演じる感じで
「補習授業で疲れ切っている君をいじって気持ちよくなろうなんてこんな可愛いくていたいけな女の子がすると思う?」
「今されてる? 失礼ね、君にとってこの瞬間は癒しでしょ」//自信満々な感じで
「それなら少し静かにしてくれ? また死体ごっこをするの? それって楽しい?」
「疲れてるからほっといてくれ? はぁ、まさかこの私を放っておいて自分は夢の中でお楽しみってわけ?」//少し怒ってる
「…………」
//SE 服がすれる音
耳元で囁くように
「私がキスで目覚めさせてあげましょうか?」//いじわるな感じで
「わっ! って急に頭上げないでくれる? もし私の顔に当たってたら即刻刑務所行きなんだから。気をつけなさい」//早くなった心臓の鼓動を隠す感じで
「いきなり耳元で囁いた方が悪い? あれ? それってちょっとドキッとしたってこと?」//安心
「びっくりしただけ? そんなに一生懸命弁明して、図星に見えるよ? まぁ君は教室の隅がよく似合う、無キャだから、女子に耐性とかないよね」//バカにした感じで
「……もう寝る気分じゃなくなったから帰る? 恥ずかしくなったから逃げるんだ。可愛い女の子と喋ると緊張していつもよりも疲れるからね」//優越
「あ、逃げるな! そして廊下を走るなぁ!」//どんどん声が遠くなる感じで
★ ★ ★
「……あぁ行っちゃった」//落胆
「ていうかもうこんな時間なんだ。一緒に帰りたかったな。今日は初めて自分から喋りかけれたし、いっきに距離を詰めたかったのに」//反省
「でも、今日はぐっすり寝れそう」
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