05.夜

気づくと窓の上にいて、

足元を見るとあの頃走り回っていた庭がある。


どんなに辛くても誰かが助けてくれることなんてなくて、

「助けて」と嘆いても何も変わらない今日の夜。


助けるのは得意だけど助けられるのは苦手で、

昼寝は得意だけど、夜に寝るのは苦手。


ただただ精一杯生きていたはずなのに、

今は終わりに向かっている。


気づくと外に足を出して見下ろしている。


怖さが生を実感させてくれて、

すこし崩せば終わらせることができるかも。


そんな想いを秘めながら、

今日も布団を被る。


人の温もりはもらえないから、

今日も布団で誤魔化している。

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