第4話
次の日
まだ、お祭りが始まってもいないのに歩夢は浴衣を着てじいちゃんの家にやって来た。
*「おじいちゃん、隼人どう?僕、浴衣似合ってる?かっこいい?」
歩夢の着ている浴衣はかっこいいと言うよりどちらかといえば…
「かわいいのぉ〜」
そう…かわいい…じいちゃんよく言ってくれた…かわいすぎる。
*「えぇ〜可愛いよりかっこいいの方が嬉しいのに。」
なんていう歩夢の浴衣のデザインはとても、かっこいいとはほど遠い紺色に向日葵の可愛らしい模様があしらわれていた。
*「隼人も早く甚平に着替えて!!」
「でも、まだお祭り始まってないでしょう?」
*「連れて行きたいところがあるの!早く!」
俺はそう歩夢に急かされ仕方なく甚平に袖を通し俺は歩夢の前に立った。
「ど…どう…?」
*「……え…ぁ…うん…似合ってる…んじゃない?」
そう言って目を逸らした歩夢の頬がほのかに赤く染まったのはきっとこの夏の暑さのせい…
だよな…?
俺は歩夢が乗ってきたチャリに跨り後ろに歩夢を乗せる。
「で、こんな暑いのにどこ行くつもり?」
*「いいから〜出発進行〜!!」
そうして、走り出した俺たち…
俺の腰に回る歩夢の手にドキドキとしながら太陽に照らされ自転車を漕ぐ。
*「右右右〜!!!!!!」
「え?もっも早く言っ……」
*「左左左〜!!!!!!」
「あぁ〜もう!」
自由奔放すぎる後ろの道案内さんはご機嫌で鼻歌を歌いながら俺を振り回して楽しんでる。
*「着いた〜!!!!綺麗〜!!僕…隼人とここに来たかったんだ…」
そう言って見渡すと…
そこは一面に広がるマリーゴールド畑だった。
つづく
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