第145話 言葉の裏を読む

1.ありきたりの描写に過ぎない。

 しかし、そんなありきたりの描写であっても、満足に書けない人は多い。

 ありきたりレベルであっても、自分の言葉で書いていれば、それだけでもたいしたものなのです。無論、それはそのままでいいと言っているわけではない。


2.どこかで読んだような話である。

 あなたがどこかで読んだ話の模倣を読んだ、ということで話を進める。

 確かにその作品はどこかの話の模倣かもしれない。しかし、きちんと模倣できない限り、自らを確立することなどできないのである。

 それ以上ごちゃごちゃ抜かすなら、できもしねえことを人に求めるな。以上。


3.自己の経験が反映されていない。

 経験をあえて反映させず、読書などによって得た材料を使ってかけているとするならば、それは、経験などに立脚せずともきちんと物事を整理してかけていることの裏返しである。

 もっと言うてやらあ。


賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。


 すでにその書き手は、賢者の域に達しようとしていることの裏返しでもある。

 素質という点においては、並の書き手よりはるか上を行く要素さえあるぞ。

 ひょっと、わかった口利くあんた以上にな。


4.頭でっかちの文章だ。

 経験がなければ書けない馬鹿よりも、はるかに見込有。

 ならば、自らの足で動き、五感をフル回転させて経験を積めばよろし。

 テメエの経験とせいぜい周囲の見たもの程度からしか社会を見られぬ盆暗な大人どもより、はるかに素養もあれば将来性もある。

 対応策を誤らなければ、十二分に才能が花開く可能性大。


 こんな感じで、言葉の裏を読んでみた。

 いやあ、愚者って、歴史どころか、読書で得られるものさえ、ないからね。

 やれやれ。

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