第154話 過去の兵器

 鉄の塊、軍事衛星シュミハザのデータからは人類抹殺用戦車、私の知識でも戦車、コスモナイト鋼の細長い塊だということしか。


 盗まれた場所の周辺をシュミハザに探させているが、世界は広い、およその位置がわかっていなければ、発見するのは困難である。


 サンマルゼの騎士、剣士、冒険者が必死になって操作を続けていた。


「 探せ! なんとしても探しだせ! 」


「 漆黒の魔女はどんなものかまではわからない、だが、この世界にあってはならないものであると言ったのだ 」


「 愚かな奴がいた、事の重大差が理解できない、馬鹿者ドモ。 」


「 申し訳ない! 」


「 私に謝られても、何もなければ良いですけど 」


 私はダラムに戻ってきている、胸騒ぎがする、軍事企業オムニムス社のマークを見たからなのかもしれない、私は人間がどれだけ愚かなのかを知っている、地下世界で生まれ、地上を一度も観る事もなく、最終環境破壊毒素に体をむしばまれ、人口冬眠。


 スッチン伯爵と話をするとき、周りの事を気遣う余裕さえなかった、その事が、奪われた原因だと思う。


 過去の負の遺産などと誰も知りはしなかったのだ。


 地下オークション、王族、大貴族、大金持ちの商人、どう見ても殺し屋、魔法使い、魔女、普通その姿を見る事さえ、許されないような裏社会を仕切っている大幹部が集まる。


 数年~数十年に1度しか開催されることのない、地下オークションが開催された、出し物は、前世界の支配者だと思われている、ヒューマン族の武器。


 鑑定したのは、現世界最強の漆黒の魔女である。


 地下オークションは盛り上がっていた、ものすごい物が出品されるからだ。


「 皆さま、お待たせしました、それでは、ヒーマン族の遺産、どのような物かは不明ですが、ヒーマン族の武器 」


 会場に運び込まれる、 「 金貨1万枚から開始します 」


「 1万5千枚 」「 2万枚 」「 3万枚 」「 5万枚 」「 5万5千枚 」。。。。。


「 この音はどこから 」


 黒い戦車の車体から音が出ていた、「 うごきだしたぞーーーっ! 」


 オークション会場から逃げ出す人達。


 しばらくして、オークション会場が吹き飛んだ。


 私は眠っていた、シュミハザからの緊急通信により目覚めた。


「 どうしたの 」


「 半物質転換砲の使用を確認しました、 座標14.3288、100.6241 」


 背筋が凍り付き、言葉がでなかった。


「 映像は出せる 」

「 何もない、 」

「 半物質転換砲使用前の映像、出せるかしら 」


 城壁に囲まれた都市が写っていた、 規模は都市ダラムの2、3倍 100万人以上の人が消えた。


 ムアール大陸に住む人々は恐怖した。


 金になると思って盗み出した、 地下オークションを開いた、 漆黒の魔女は警告したのだ、この世界にあってはいけないもの、直ぐに、海の底に捨てろ、 もう遅い。


 その姿は、鉄の塊の馬車に、角が付いた姿をしていた、軍隊を派遣した、全滅、魔獣の大群が襲いかかる、全滅。


 魔獣さえも本能で理解、この世界に合ってはならぬもの、また 一つの国が世界から消えた。


‘戦車’ コスモナイト鋼のボディ、 主砲は半物質転換砲、 この世界の物では破壊不可能な金属、超小型ブラックホールを打ち出す、破壊兵器。


「 シュミハザ、どれくらい稼働するの、 核融合炉と高速増殖炉を保有しています、半永久的に稼働します 」


「 地表を走り、都市を破壊、破壊物が無くなれば自爆すると推測 」


 3つ目の国がこの世界から消えた。


 私の目の前には、国家元首エンリコ・ボイヤン閣下がおられる。


 説明を求められる、「 あれは、ヒーマン族が星に行って持ち帰った金属でできています、この世界の物ではない、この世界にある物で破壊できないと聞いています 」


「 魔法もこの世界の物、傷一つ付かないでしょう 」


「 ランゾクサン帝国軍、壊滅、後3時間でランゾクサン領土に到達します 」


 戦車は、都市、山、谷、川などお構いなしに、走り続け、都市を発見すると消滅させている。


 衛生とのリンクができないためか、動きはメチャクチャである、魔獣の領域に、魔獣達が襲いかかるが、無造作に突き進んでいる。


「 漆黒の魔女様の魔法も通用しないのですか 」


「 試した事はありませんが、無駄でしょう 」


 肩を落とす、スッチン伯爵。


「 あのような、馬車のような小さなもので、この世界が、、、 」

「 我々には手立てがないのか 」


「 一つだけ、手があるかもしれません、破壊はできませんが、星のかなたへ、行ってもらうのです、空間を歪ませ、星の近くとつなぎ、出て行ってもらいます 」


「 ただ、そのような魔法、どのようにすれば、これからの研究となります、私はその方法を探ってみます 」


 やみくもに走り回っていた戦車が、規則性を感じる動きに、今まで走行したデータとシュミハザの存在に気付いた、定期的にアクセス要求を発信している、シュミハザは沈黙させている、衛星軌道にある位置から、自分の位置を計算、最も遠い位置、星を挟んで反対側に移動させた、それがかえっていけなかったのかも、結局シュミハザの場所を位置情報としている。


 消滅した国は 12を超えた、消滅した遺跡は4つ、文明の痕跡を見つけると破壊する。


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