第141話 Bobbit worm
ギルマスチャロンポングは、ギルマスの部屋で頭を抱えて引きこもり中、領主のスッチン伯爵が入って来た。
「 お前の気持ちが痛いほどわかるよ 」
「 俺たちは俺達なりに必死に頑張っているんだ 」
「 しかしなぁ、どうしてこうなってしまうのだろうなぁ 」
チャロンポングとスッチン伯爵は、お互いの両手を取り合い、見つめ合っていた。
「 お茶をお持ちしました 」受付嬢が入ってきた。
「 ぎぃやぁーーーーーーっ! 」
お茶とお盆を二人に投げつけて飛び出て行った。
ギルドの受付
「 マリカさん、マリカさん、 ギルマスの部屋で、ギルマスとスッチン伯爵がお互いの両手を握りしめて、見つめ合っていますぅーーーっ! 」
「 おぇーーーっ! 」 酒場の冒険者達がエズク。
マリカが颯爽と受付のカウンターの上に立つ。
「 変態ドモに任せておけません! 」
「 斥候が得意な冒険者は、都市スメデロボと近くの漁村にて、情報を集めて下さい、先行した疾風のダムロンさんとも連絡を取り合って下さい 」
「 足の速い冒険者も、同行して連絡役をお願いします 」
「 魔女様は、襲われている漁村の人を、優先して助けようとされるはずです、可能ならサポートも 」
「 他の者は都市スメデロボ遠征の準備に取り掛かって下さい 」
「 以上、今日は解散します 」
誤解されたのだと気づいた、スッチンとチャロンポングが急いで、降りてきて目にした光景である。
都市スメデロボ近郊の漁村に向かいながら、心がざわめき自分でも焦っているのがわかる。
シュミハザからの映像が頭の中に、すでに漁村は壊滅している、テトラタイプのナノマシンが寄生した、魔物をBobbit wormという名前とした、シュミハザのデータベースと照合した結果、サイズを無視すると、見た目がそっくりだったからだ、いったい何匹いるのだろう。
人がが住めなくなった環境を生き抜いたのか?
30mほどの体長が、グーーッと60m以上に伸びる、全体的に分細くなり中央あたりが特に細く、途中で体が千切れる。
千切れた部分が尻尾や頭が出て来て、2匹になった。
しかも、全身にテトラタイプのナノマシンが寄生している、現生物は高温に弱いらしいが、テトラタイプのナノマシンが寄生しているので弱点にはならない。
海の中なら、30m程度だと比較にならないほどの巨大な魔物がいるので、餌になるかもしれない、それを恐れて地上に上がって来た?
「 どうすればいいの? 」
海から上がった Bobbit worm は漁村の船や家までも食い散らかし、街道に沿って移動、都市スメデロボに向かっている。
体が千切れるように分裂しながら増えていく、手がつけられないわ。
私は遠慮なく仲間に頼った、封印の魔女、聖女スワニー、魔女エレナ、疾風のダムロン、ダムロンより嫌だけれど、魔法使いのノミジェイとも連絡を取った。
スッチン伯爵にも、都市スメデロボに、Bobbit wormが向かっていることを伝え、防衛体制を取るように指示した。
「 んっ 」
岩礁のあるとこで、Bobbit wormが人を襲っている。
「 エンケドラス急いで 」
「 シュミハザ、パルスレーザーの照準を合わせて 」
「 観えた 」
「 Поразите непријатеља испред себе пулсним ласерским топом Шумихаза 」
30mほどの巨体、頭部から尻尾にかけ、1m感覚で30発撃ち込む、丸まってピクピクしているが死んではいない。
「 こっちよ 」
私の周りを明るくして、場所を知らせる。
赤身がかった小柄の魚人、足と手に水かきがついている、背中に亀の甲羅まで、この人たちが、赤の亀魚人なの?
もう、どうしてみんな裸ナノ。
とっても大きいなんて思ったのはレディの秘密である。
「 漆黒の魔女様ぁぁーーーっ 」
ガン泣きしている、半端なくボロボロ
ピットケイアン島には986人の赤の亀魚人住んでいたのに、今は、ここにいる14人だけ。
Bobbit wormはしばらくすると動きだした、パルスレーザーの傷跡も無い。
巨大になっただけでなく、自然治癒力が異常に高くなっているし、体が千切れても千切れた部分の数だけ増える。
超過電子砲でまとめて蒸発させる、威力があり過ぎて周りの自然まで破壊してしまう。
物凄い繁殖力、海岸線一帯にまで広がってしまっている。
中途半端な攻撃だとテトラタイプのナノマシンが飛び散る可能性もある。
テトラタイプのナノマシンの停止コマンドか消滅コマンドがわかれば、こいつは何故か、私が消滅しろ!って 命令しても反応が無い。
サイコキネシスと体の中に含まれている普通のナノマシンを使って、追い出す事もできるが、融合している量が多すぎて、1匹だけでもかなりの時間が必要、現実的な対応ではない。
私の体を構成しているナノマシンとは別の研究所で作られた、作られた時期も違う別物だからだと思う。
もう一度、パルスレーザーで動きを止めて、足の一部を切り取り、防水加工した箱に入れて世界の箱の中に。
距離を取り、超過電子砲を使ってBobbit wormと一緒にテトラタイプのナノマシン事蒸発させた。
切り取った足から、停止もしくは消滅コマンドを探しだしてみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます