第124話 魔女会議

「 ヒーラーでしょ、癒せる? 」

「 無理、癒しの魔法は唱えるだけでは、治らないのよ 」


 衝撃の現実、怪我、病気などの症状と患部、人体構造を知っていないと使えない。

 骨が折れている、どの部分がどのように、繋げばよいのか、正常な状態を知っているから、元に戻るように、イメージしながら治癒魔法を発動。


 魔法により、体の治癒能力を活性化、骨が折れたまま活性化したら、折れたままで筋肉が巻き付くなど、余計に悪化することもあるし、病気が活性して、余計に症状が悪化してしまう事もある。


「 ドラゴンの体なんて知らないから 」


「 へぇー 難しいのね 」

「 だから、使い手がいないのよ 」


 なんとなく心がもやもや、魔玉の解析に集中できない。

 痛々しいドラゴンの子供の姿、子供を治したら、ファフニールの怒りも治まるかも、都市シュトラウスの民も助ける事ができるかもね。


 このところ、手を変え品を変え、私に接触しようとしてくる人達、レッドドラゴン・ファフニールの討伐報酬、金貨1万枚だったのが、5万枚にまで膨れ上がった。

 相手にしないけどね。


 封印の魔女と、ドラゴンの子供について話したら、彼女も心を痛め、なんとか治す方法を考えましょうって事になった。


 疾風ダムロン 「 話がある 」


「 近づかないで! 」


「 。。。。。アマンダベル山から、戻ってきた。。。。 」


 シュミハザが、アマンダベル山でダムロンを発見したときは、驚いた。

 こいつまた、首を突っ込んでいるって思ったわ。


 臭いを消すためなのか、知らないけれど、魔物糞を全身に塗り付けていたのだ、近づけるわけがない。


 ギルマスの部屋で、ダムロンの報告を聞いている。

「 ダムロン、また嫌われる事をしたのか 」ギルマスの笑顔が不気味。

「 してねぇーって、さっき戻ってきただけだ 」

「 私は体に糞をねしつけるような奴には近づかない 」


 騎士崩れ、冒険者崩れが何人か集まり、ギルドには所属せず、希少価値の高い魔物を狩り、金儲けしている集団があったらしい。


 ワイバーンの討伐で大儲けした彼らは味をしめた、大人のドラゴンは無理でも、生まれたばかりの子供なら、子供のドラゴンに手を出し、親に全滅させられたもよう。


「 そういう事か 」納得した。

 スワニーに書いてもらった、絵を出す。


「 2匹の子供がいたのか 」

「 最悪だぁ、中途半端に傷つけているじゃないか 」


「 魔女様、ファフニールが人を襲いだした理由はわかりましたが、都市シュトラウスの民が何かしたわけでもありません 」

「 そうね 」


「 討伐依頼を受けて頂く事は 」

「 お断り、ファフニールを殺す理由が私には無いから 」


 城壁都市ダラムで一番人通りが多いのがソントリノ通り、なんとスイーツ店がOPENしたのだ。

 オーナーはバッタンバンの方らしい。


 スワニーとさっそく来店。

「 うまぁーーっ! 」スワニー

「 美味しい♡ 」おしとやかな私

 これこそ、レディとおばはんの差なのよ。


「 ねぇ、子供のドラゴンだけれど、1匹片方の翼だけ無事な子がいたよねぇ 」

「 その子の翼を、私がトレースして構造を頭の中に送ったら、治癒できる? 」

「 何処をどのように治療すれば良いのか理解できれば、できると思う 」


「 やってみようか 」

「 乗るわよその話 」


 封印の魔女と魔女エレナを都市ダラムに来てもらった、ついでだけれど、ノミジェイにも声をかけた、いちおう魔法使いだし。


 魔女会議もとい、作戦会議中。

 ノミジェイだけ部屋の隅にうずくまり、ベソをかいている。


 普通にやってくれば良いのに、私、スワニー、封印の魔女、魔女エレナがいる所に、姿を消してやってきて、魔法を解除。


 腐っているんじゃないって、思ったのは私だけじゃなかった、4人の魔女に、腐りきっている、近づくな! 猛烈に言われてこうなった。

 信じられない事に、自慢するほど自信があったみたい。


 子供に近づくには、ファフニールを何とかしなければならない、母親ならば、命がけで守ろうとするはず。


「 一時的に押さえつける事はできると思うけれど、私は子供の体をトレースしなければならない 」


「 一時的に抑え込んでくれれば、結界に閉じ込めます 」封印の魔女

「 しかし、ファフニールの魔力を使っての封印ではないため、そう長くは結界が持たない 」


 魔女エレナ「 それなら、私が植物の弦で縛り付けましょう 」

 スワニー「 眠り薬や痺れ薬を大量に飲ませて、動けなくしてはどうかしら 」

 魔女が4人、どんどんアイデアが出て来る。

 相変わらず、隅っこで泣きベソをかいている。


「 どうして、魔法使いに声をかけたの 」

「 魔法が使えるから、役に立つかと。。。。 」

「 ノミジェイ今すぐ死んで、死になさい 」魔女エレナ 少年しか受け入れられない女。

 とうとう部屋の隅で姿を消した。


「 さっさと服を着ろぉーーーっ! 」

 ノミジェイは姿を消し、服を取りに出て行った。

「 男ってぇ 」


「 姿を消す以外の魔法使えるの? 」

「 知らない 」

「 姿を消すしかできなかったら、殺しましょう 」


「 ファフニールをおびき出す餌に丁度良いわねぇ 」

「 ノミジェイから聞いたけど、姿を消す魔法の正式な名前は、透明化魔法というらいしわよ 」

「 本人の体だけ透明になる魔法ね 」


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