第104話 喧嘩のお仕置

 少し遅れて、ギルドの受け着け、宿の女将、商人の女性、漆黒の魔女と懇意にしている女性を人質にして金を出せと迫った、奴らがいたという情報が、交易都市ワチャラパン伯爵のもとに届く


「 ダラムの連中は何をしているのだ、漆黒の魔女様の足を引っ張るとは、それにしても、本人に手を出せないから、知り合いに、なんとういう卑怯な奴らなんだ 」


「 なんだとーーーーっ! 」


 漆黒の魔女失踪! 二度とダラムに戻らないかも、 いつものお出かけではないかという見解が二分している。


 連邦共和国代表者 エンリコ・ボイヤン国家元首の所にまで、この情報は届いていた。


 側近の宮廷魔法使いが鼻で笑う、「 もの本の魔女に、脅しが通じるはずがない、オオバカ物ですな 」


 首都シェムリアップに帰還すると、宮廷魔法使い、シェムリアップの守護者とまで豪語するこの男、漆黒の魔女様の前では、魔法について少しだけ知識があるただの人になりきっていた。


 こんな奴が側近、こんな見栄だけの男を側近にするしかない、自分はもっと愚か、本物は何処かにいないものか。


 宮廷魔法使いは、顔を真っ赤にして怒っている、そのようなやから、私がお傍にさえいれば、近づけさえしません。


 ビビッテ本人に近づけないお前がいうのか。


 封印の魔女のお家に来て2週間、私は完璧にお婆ちゃん子になり果ててしまっていた。

 私にお婆ちゃんがいたら、多分こうなってしまっていたと思う。


 一人で魔女だからと粋がっていても、誰かに甘えたかったのかもしれない。


 私の中身は 22歳だけれど、封印の魔女は900年以上生きているエルフ、孫どころか、赤ん坊でも十分に通用する年齢差がある。


 なんというのか、懐の大きさ、生きてきたすべてが違う。


 一人っ子の私が、お婆ちゃん子になるのに、時間はかからなかった。


 チェエブ村で一緒にお買い物、そこで店の人から、漆黒の魔女が失踪しているという話を聞いた。


 失踪じゃなくて、出かけているだけかもしれない、大きく意見は二つにわかれているとか、魔女なので、誰もわからないのだとか。 「 はぁーーっ! 」だった。


 失踪してない、本人が言うのだから間違いはない。


「 ダラムに戻りなさい 」

「 でもぅ 」


「 もう、あまえんぼうさんね、 一緒にいってあげるから 」


「 わーーい 」

 私はレディじゃなくて、見た目のように心まで幼くなってしまったのだろうか。


 封印の魔女のほうも、孫が可愛くて、可愛くてどうしようもない、900年も一人だったので半端ない可愛さ。


 封印の魔女は、私がダラムで見立てた馬車で移動することになる、約5日の道のりだ。


 疾風のダムロン、漆黒の魔女の失踪、ついにできたこれがラストチャンス、であるはずの彼女に捨てられた、ダムロンは、屍のダムロンとなった。


 ギルドの食堂で朝から屍、首に吊るしている魔石に反応が、、、


「 ダムロン 聞こえる 」ギルドの食堂だったので、冒険者が芋を洗うような状態で周りに集まる。


「 今から帰るから、5日後、悪いけど夜の砂亭に連絡しておいて、それと封印の魔女様と一緒だから 」


「 お。お。お。お。 」 ダムロンが言葉を忘れたので横から、マリカが叫ぶ。


「 マリカです、この所どうされていました 」


「 んっ 封印の魔女様と、魔法の研究かな ♡♡ 」


「 ダムロン、スワニーに宜しく言っておいて、じゃぁね 」

 シーン。


 ブチ、ブチ、ブチ 何かが切れる音。


「 おまえらーーーらーーーーっ! 事件を気にして、漆黒の魔女が失踪しただと、俺にいったい何を吹き込んだぁぁーーっ! 」


「 俺は! そのせいで、ふられたんだぞーーっ! 殺す! 」


 物凄い殺気がダムロンから噴き上がる、剣を抜く、眼が座っている。本気のダムロン。


 少しだけ、冒険者らしくなってきた新人、火が付いたように泣き叫ぶ。


「 おちつかんか! ダムロン! 」 ギルマスが一括した。


「 俺に嘘を吹き込んだ奴は、この俺が殺す! 」ギルマスも切れていた。


 誰が言い出しっぺ、会議、ギルドでは数時間続いている。


 結論、ギルマスであるチャロンポングが失踪したかもしれないと喚いたから。。。 ということになった。


「 まて、まて、落ち付け、勘違いしたのはお前らじゃー! (本人もだが) 俺のせいじゃないーーっ! 」


「 吊るせ、中央広場まで、引きずっていって、吊るせ 」


 ギルド内で大乱闘、首謀者として、有名どころの冒険者が地下牢に閉じ込められていた。

 つい数分前まで、屍状態だった領主スッチン、メッチャご機嫌。


「 おぉ 誰かと思ったら、ギルドのマスター チャロンポングさんではないですか 」


「 あれ、そこにいるのは、疾風のダムロン 」


「 喧嘩のお仕置きは知っているな 」


「 あぁ、生ケツ叩き5回 」


「 普通はな、君らは責任ある立場、生ケツ 10回で許してやろう 」


「 執行は5日後、城門前、開始は漆黒の魔女様が城門を通られるときとしよう 」


「 バカカーーーッ! 許さんぞ! 」


「 反抗的な態度、チャロンポングは 15回 」


「 お願いだ、せめて、明日にしてくれ、明後日でもいい! 」


「 条件を出すとは反省していない証拠ダムロンも、15回 」皆沈黙した。


 ムチでケツ叩き、主に喧嘩で暴れた場合のお仕置きだ。


 ズボンをはいた状態ではなく、生尻、細い鞭はお尻の皮膚に食い込む、あまりの激痛に、どのような屈強な者であっても、10回と持たず、恥も外聞も捨てて泣き叫ぶ事になる。


 10回以上となると、間違いなく失神して垂れ流す。


 普通広場で行われる、中央公園、城門前の広場などだ、多くの見物人でごった返す。


「 嫌だ、嫌だ! 俺のハニーちゃんの前で、丸出しで泣くのだけは、嫌だーーーっ! 」


「 はい、はい、お前は5回だったが、文句を言ったので10回 」

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