第96話 エンジ湖の妖魔

「 はぁー 」 その後、生け贄についての説明があり、村人全員で土下座、手荒な真似だけはしたくない、どうか受け入れてほしい。


 返事はしていない。


 その後、村長から釣り竿を渡され、エンジ湖で、釣りをしている。


 エンジ湖の巫女意外の人間が、魚を取る事は出来ない、巫女の仕事は魚を取って村にもって帰る事、全く持って、アホらしい。


 一人で行かないといけない、エンケドラスは村でお留守番。


 それでも、「 帰るって 」 言わなかったのは、ラッティが私がやると言い張った事、ノミジェイが、責任を感じたのか、号泣、泣き続けているから。


 いい大人の男性が号泣、恥ずかしくないのだろうか。


 魚釣りなんてしたことが無い、私は地底育ちなのだ。


 つれない。


 飽きて来た。


「 О магична суштина која ме покорава, трљај и дрхти и постани муња 」

 雷を一発池に落とす。


 気持ち悪いくらい、魚が浮いて来た。


「 クスクスクス、クスクスクス 」


「 ねぇ 君 面白いね、 餌を付けないで、魚を釣ろうとしたり、つれないから焼け起こして、雷落とすなんて 」


「 餌? 」


 そういえば、少し臭いのする小さい籠渡されていた。


 魚を入れる、藁で編んだ籠に、サイコキネシスで浮かんできた魚を、放り込む。


「 ほう、 魔女なのかい 」

「 誰? 」


 水面が盛り上がり、中性的な整った顔をした、妖魔が出て来た、スタイルはボッキュンパだが、手と足には水かき。


「 妖魔か、人を食べるの 」


「 へぇ、怖がらないし、驚かないね 」


「 僕は食べないよ、こいつの餌だ 」


 妖魔の足元から、黒い大きな塊が浮かんできた


「 たまには人も食べさせようと思ってね 」


 こいつ、人を自分のペットの餌にしていた、ムカついて来る。


「 今すぐここから、そのペットと一緒に出ていきなさい、そして二度とエンジ村に戻らないと誓いなさい 」


「 そうすれば、いいことでもあるの 」


「 見逃してあげる 」


「 君がかい、クスクスクス、クスクスクス 」


 会話をしながら、大気中、水を通して、妖魔をトレース、ナノマシンの意識体の存在を探る。


「 生け贄の日ではないから、見逃してあげるよ、村へ戻りなさい 」


「 私は見逃してあげないわよ、 出て行かないのなら、消滅させる 」


「 キャハハハハ、キャハハハハ 面白いよ、君は面白い 」


 見つけた、ナノマシンの製造機関、組み替えて製造できなくしてやる。


「 貴男、田舎もの、ボッチ、友達は、その大きなナマズだけ 」


 図星だったのか、おでこに青筋が浮き上がる。


 封印の魔女の結界を構築、空間に閉じ込める。


「 へぇ、 こんな結界で、閉じ込められると思っているの 」


 完全に、人をバカにして、警戒どころか、やりたいようにやらせてくれている。


「 貴男のペットにも、死んでもらうわ 」


「 Поразите непријатеља испред себе пулсним ласерским топом Шумихаза. 」 シュミハザのパルスレーザで、頭を撃ち抜く。


 巨大ナマズは一瞬ピクって動き、腹を見せて浮いている。


「 何をしたーーっ! 許さん! 830 年かかけて育てていたのに! 」


「 村ごと、水で押し流してやる 」


 妖魔を閉じ込めた立方体の結界の中に水が溢れた。 妖魔の魔力を使って作った結界、妖魔の魔力が無くならない限り消えないし、中で強い力使えば使うほど強固になり、本人の魔力じゃ破れない。


 結界の中で、洗濯機に掛けられた、荒い物のように、グルグル回っている。


 自分の攻撃だと気付いたのか、攻撃をやめた。


 体に巻き付けていた、布はなくなり、立派なお乳と、股には不気味で巨大な物が丸出し、全身傷だらけ、全裸になっていた。


「 グワー 」 叫ぶと、結界の中は水に溢れ、その中でキリモミ状態。


 今度は全身血まみれ。


「 私が張った結界、お前如きが破れるわけないじゃない、あんまり力使わないでね、魔力が無くなると、美味しくないから 」


「 た、食べるつもりか 」

「 そうよ 」


「 人を餌にしていたんだから、当然よ、今度は人の餌になるのよ 」

 妖魔の顔から血の気が引いていく。


 巨大ナマズを、エンジ村の近くへ、ぶっ飛ばす、 ナマズが落ちた衝撃で地響きと地面が揺れた。


 地面に大きな大穴を開け、妖魔を閉じ込めた結界事穴に埋め込む。


 後で封印の魔女を連れてきてどうするか相談するつもりだ。


 村に戻ると、村人は大騒ぎというより、パニック状態。


「 ノミジェイ エンジ湖に化け喪がいたから、討伐しておいたわ、私は帰るね 」


 ダンドラに乗りさっさと村を離れる。


 都市ダラムに戻ると、エンジ村の生け贄の歴史から、私が解放したという話が、もう広まっていた。

 途中、森の中で魔玉目的の狩を、ついつい楽しくなって、1週間ほど野生化してしまった。


 ダラムのギルド会館

 冒険者達 「 今度は、村を救ってきたのですね 」


「 生け贄を捧げ続けていたなんて、どうかしているわ 」


「 案外そのような事を続けている、村って他にもあるのじゃないかしら 」


「 村人以外に話せば、村を滅ぼすとか脅されて、ずっと続けている 」


 ダムロン 「 戦うか、逃げるか、従うか、決めるのは俺達自身だ、もちろんそれには命をかける必要があるがな 」


「 村の掟を破って、誰かに相談、漆黒の魔女様だったから、解決できたけど、他の人だったら、村が滅んでいたかもしれない 」


「 難しい問題だわ 」

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