第93話 男性冒険者 挙動不審

「 ねえ、エンケドラス 貴男はどうしていろんな魔法を覚えたの 」


「 ぐるるる、ぐるぐる 」


 何となくらしいが、餌を食べていると時々、捕食した魔獣の技が覚えられるというような、事を言っているような。。。。。


 私って、魔獣語わかる? な わけないけど雰囲気だね。


 弾丸黄金蟲の魔玉は、多量発生し、しかも小さいため 3000 個以上手元に。


「 試してみるか 」


 夜の砂亭に戻ったのは、次の日になってしまっていた、ダムロンもスワニーもいない事を確認して、部屋に。


 ん、 眼が覚めたのは 10:00 頃 夜更かししたわりには、早起き。

 それでも、ポチに乗り、エンケドラスとダラムの城門を出たのは昼を過ぎている。

 このまま、少し街道を走り、道をそれ森に入る。


 よし、実験開始。


 加速だから、アクセル でいいか、 言葉にすると魔法方程式を思い浮かべやすい。

「 Моја покорна магична суштина, окупи се око мене, покрени моје тело брзо 」


 風を体に巻き付け、速度を上げるわけではない、魔法による加速だ。


 エンケドラスが、追いかけてくる、どんどん距離が離れる、もう一回重ねたら、ダブルアクセル? これって音速じゃないの、空気の壁ぶち抜いたような。


 方向を変えるとか、ちょっと無理かも、速すぎるわね。


 魔法を解除、エンケドラスが追いついてくる


「 エンケドラス いい、速さよ、速くっていう事を思いながら、これ食べてみて 」


 両手を合わせた手のひらの上に、弾丸黄金蟲の魔玉をのせ、口もとに持っていく。


 エンケドラスが目の前から消えた


「 アクセル 」


 私も加速する、私と1匹は通常より早い世界を垣間見る。


「 あれっ! ランラビット? 」


 伝説級のお肉! 高級食材が、走っている、どうりで目撃情報が無いはずだ、ごくまれに罠にかかり、捕まる事がある、そのお肉の味は、一口食べただけで一生忘れる事ができない味だとか、特別グルメでもないけど、伝説のお肉として、食べたことはないけれど私でも知っている。


「 捕まえるよ 」


 ムフフフ、2匹も捕まえた、魔玉を取り出して、血抜きをして、ダンドラの背に。


 夜の砂邸の女将さんに、ランラビットのフルコースを作ってもらおう、2匹あるので、1匹差し上げて、1匹は私のお腹に、むふふふ。


 夜の砂邸

「 女将さん、これ1匹差し上げます、もう一匹はフルコースで料理してください、リクエストは、ステーキ、焼き肉、串焼き、シチュウ、煮込み、スープ、他何でもいい。」


 女将 「 こ、こ、これって ランラビットかい 」 こくり。


 女将 「 ぎょえーーーーーーーーっ! 」


「 ドウ、ドウ、ドウ 落ち着いて 」

「 1匹 大金貨 100枚くらいするのよ、絶対手に入らないのよ 」

 宿の料理人さん達も出てきて大騒ぎ。


「 よろしく、部屋で食べます 」


 伝説のお肉と言われているだけあって、一口で幸せになる味、口の中で溶けていく。。。

 加速の世界に存在する魔獣、普通の時間軸では、捕まえられないわ。


 エンケドラスは、普通ポク食べている、感動しないのかしら。


 大皿に盛られた、ほんの少しだけ火が通った肉がいいみたい、だったら私が全部食べよう。

 ふう、ふう、ふう、 幼児体系、おへそのあたりから、下腹がぷっくりどころか、出っ張ってしまった、動けない。


 うぅー まぁ お子ちゃま体系だからいいか、自己完結して余韻を楽しむ。

 レディは、美味しい物をお腹いっぱい食べで、ベッドで大の字なのよ。


 いつの間にか寝てしまっていた、 なんだか騒がしくて眼が覚めた。


 夜の砂亭、玄関前、入り口から続く食堂まで人が溢れていた。


「 ランラビット! 」 叫び声が聞こえる。


 コソット除くと、一般人だけじゃなくて、騎士、貴族、冒険者まで詰めかけてきている。


「 頼む! 一口でいい、食べさせてくれ! 」


 なんか、気まずい、一人で、食べまくってしまった、それもしばらく見るのもイヤくらいな量を。


 夜の砂亭での朝食はあきらめ、裏口からコソット脱出、ギルド会館に向かう。


 玄関の扉を開けた所で、女冒険者達に拉致され、酒場へ直行。


「 魔女様、 お気を確かに、落ち着いてください 」

「 はぁー 」


「 ダムロン、ダムロンが、女性と二人っきりで食事していたんです! 」 お前が落ち付け。


 マナムヌット「 女の敵、エロ親父、がデートして許されるわけないですよね! 」


 カイバオ 「 チャッチャて殺しちゃってください 」


 おっさんがデートしたくらいで、殺さないし。


 風の渚のパーティ 女性陣は息巻いているのに、よくよく観察すると、男性陣は挙動不審。


 ギルドの酒場の中をウロウロ、ウロウロ、短剣を抜く、戻す、抜く、戻す、呆けたように天井を見上げている、ビールジョッキにスプーンを突っ込んでひたすらかき混ぜている、テーブルの上まで泡だらけ、などなど。


 マリカ 「 男って、いやねぇ、 ダムロンさんがいるから、俺は安心だって思い込んでいたからよ 」


 スラック 「 心の拠り所を無くしたわけですね 」

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