第92話 酔いつぶれる二人

 マリカ 「 エルドリアでは、ハーピーの大群に襲われたそうですね 」

 ギルドの受付嬢の情報網は半端じぁない。


 ダムロン 「 ぁぁあ、 まあな 」


 男冒険者達がいきり立つ

「 それは何処ですか、具体的に教えてください 」

「 ダムロンさんだけずるいです 」「

 飛空艇とかにものって、ハーピーで良い思いして 」

「 何匹とやったんですか! 」

「 いや、まぁ、その、なんだ 」


 マリカ 「 他の帝国にまで言って、ハーピーにも無視されて、ダラム冒険者の恥曝したって聞きましたけど 」


 他の受付嬢 「 全裸になって、ハーピーを追いかけまわしたんですって 」


 男の冒険者達は、スーットダムロンの周りからいなくなる。


 女冒険者 「 ぎゃははっはは、 一生女に相手されない男なんて、嫌程いるんだ、気にするな 」背中をバンバン叩く。

 受付嬢 「 これで、少しは静かになりそうですね 」


「 酒だ、酒、酒持って来い! 」 ダムロンは酔いつぶれていた。


 ひそ、ひそ 「 俺魔獣でも逃げ出す男って初めて聞きました 」


 少し遅くなったが、昼食のため酒場に降りると、へべれけによった、ダムロンがテーブルに突っ伏し、いびきをかいていた。


「 ハーピーに相手にしてもらえなかったって、本当ですか 」

「 私が話す事じゃないわ 」


 詳しく知っているが、おっさんの陰口を言う趣味は無い。

 そのまま、寝ていればいいのに、私に気付くと


「 魔女! おい魔女! 俺はなあー! 」


 酔っ払いが絡んできたので、サイコキネシスを使って窓から外に放り出す。


 夜の砂亭に戻ると、聖魔教会の司祭様が、隣の部屋で、私を呼んで来いと、荒れているとか、 隣の部屋。


 椅子に座り、上を向き、両手に酒瓶を持った、スワニーがいた。


「 聞いてよ、聴いてよ、5回目の結婚よーーっ! 」 今日はなんなんだ。


 この世界、女性のほうが断然強いと、うすうす気づいてはいたのだが、1妻多夫も当たり前だと知った。


 スワニーの部下らしい

「 どっからどうみても女としての魅力は自分のほうが上、それなのに、5人も夫がいるのよ! 」

「 どうしてぇ わたくしは ズゥーート 1人なのよぉーーーーっ! 」


 魂の叫びを聴いた。


「 見た目もあるけど、中身じゃないかしら 」


 宿の部屋の中で、酔いつぶれているのだから、人目を気にしているのはわかるけど、この様子じゃ、結婚は永久に無理ね。


 私は凄い事を思いついた、ダムロンとスワニー 飢え切った二人なら、くっつくかも。


「 ダムロン 聞こえる 」 魔石を使って呼びかける。

「 なんだぁー 」

「 夜の砂亭、 砂嵐の部屋に、心に深い傷を負った女性がいるの、介抱お願い 」


 とっとと自分の部屋に戻り、水を浴びて、ベッドでゴロゴロ。


「 ギエーーーーッ! 見ないで! 見ないで! 」 スワニーの叫び声。

「 おちっつけって! 」 ダムロンがわめいている。


 隣の部屋で、聞き耳たてていて巻き込まれるような気配を感じたため、女の勘よ、宿を脱出、まだ夕方にもなってないので、エンケドラスを連れダラムの町を歩く、そういえば、夕暮れ時の時間、あまり町の中を歩いたことはなかった。


 所々、店の中に明かりがともり、昼間とは違った雰囲気になっている。


 都市ダラムを囲む城壁に登る、森にほとんど沈みかけの太陽が、高台から少し見られた。


「 気持ち良い風ね 」エンケドラスに話しかける、「 グルグル 」喉を鳴らして答えてくれる。


 日が沈み切るとき、少し光が走る、なんでだろう、弾丸黄金蟲を思い出してしまった。


 私ってロマンチックとか無縁なの? 年頃の乙女らしくないような。


 そういえば、弾丸黄金蟲の仁丹サイズの魔玉って、ほとんど解析してなかった。


 思い立ったら、なんとやら、ギルド会館に借りた研究室に向かっていた。


 魔法方程式の知識もあのころよりはある、解析できるかも。 にんまり。


 日が暮れた時間のギルドは、冒険者で溢れていた、一仕事して報告やアイテムの換金のためだ。


 世界の箱から、弾丸黄金蟲の魔玉の入った壺を取り出す、3000 個以上はあるはずだ、小さいのでかさばらない。


 弾丸黄金蟲、硬い、速い。 魔玉の情報はそれだけじゃない、小さい。 なるほど、速度を選ぶため、体を小さくしたのだ、圧倒的な速度は武器になる。


 硬さ、速さ、小ささ、の3つの視点から、重なり合った魔玉の情報を取り分ける。

 なるほど、観えて来た。


 硬くするという、魔法方程式は他の魔玉からわかっているから、速さはこれか。

 むふふふ、 加速の魔法 Getだぜ。

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