第87話 飛空艇

 ロクトリア姫が部屋に入ると、どうみても美少女、それも超が幾つも付くくらい、もう一人は、エルフ、見た目老婆、エルフでここまで老けたのを見たのは初めて。


 魔女の横には、真っ白なモニュメントと間違いそうになる魔獣羅王、さすがに足が震えた。


 武闘大国エルドリアからやってきたこと、エルドリア帝国の首都、アマルベ王都、民が原因不明の熱病で死んでいく、薬師、ヒーラーもお手上げ、ただ死んでいくのだそうだ。


 どのような、ポーション、薬草も熱病には利かない、ヒーリングも利かない。 ありとあらゆる手をつくした、 最後に残った可能性は、疫魔の仕業ではないかと言う事らしい。


「 疫魔? 」


 封印の魔女 「 妖魔ですよ、病原菌をバラマク妖魔を疫魔と呼びます、そのような妖魔が存在すると言う話を耳にした事があります 」


「 エルドリアは武闘大国と呼ばれています、魔獣を前に我らは臆することはありません、ですが、熱病で動けなくなる、衰弱して死に至る、どうにもならないのです 」


 封印の魔女 「 もし妖魔の仕業であれば、魔法使いか魔女でなければ、どうしようも無いかもしれませんね 」


「 わかりました、ご依頼受けます、私はギルド所属の冒険者です、私を指名し、ギルドに依頼してください 」


 ロクトリア姫は成人前の女性、鎧をまとっている、猿系の獣人の特徴、手が長い、そのまま下ろすと、床に届きそうな、足は極端に短い、手長、胴長、短足、お猿さん? お尻は赤いのかしら、失礼な事を思い浮かべてしまった。


 ロクトリア姫 「 実は2か月かけて、ここまで来たと、女将には申しましたが、エルドリアには、飛空艇と呼ばれる、空を飛ぶ船があります、それであれば、10日ほどです 」


「 何時出発できますか 」


「 ギルドへの依頼さえ済めば、今からでも 」


「 明日の夜明けに、ダラムの城門前に集合しましょう、熱病の症状についての資料などあれば見せてください 」


「 これを 」


「 その飛空艇ですが、私とエンケドラス、ダンドラ、それ以外に何人か乗れるでしょうか。 」


「 人でしたら5人ほど、ダンドラは 10頭程度なら詰めます 」

 封印の魔女 「 妖魔の可能性がるなら、私も同行しよう 」


 宿の出口まで、見送る、スワニーがいた、一応ヒーラー、連れていくことに


「 スワニー 明日夜明け城門の前に、熱病の治療にエルドリアに行くことになったの 」


「 私も行っていいの 」

「 もちろん 」

「 熱病の治療、任せて 」

「 これ熱病の資料 」


 おそらくエルドリアが何処かわかってない。

 魔石を使った通信で、ダムロンにも声をかけておく。

 それなりに役にたつかもしれない。

 期待しすぎて、殺さないように注意しなくてはならない。


 あれ、スワニーがいない。

 宿の玄関前でヤンキー座りを決めて、資料を読んでいる、周りが見えないほど集中、 こいつおバカなの。


 私の部屋に引っ張り込む。


 スワニー 「 半端ないわね、思いつくというか、ありとあらゆる事をしているわ 」

「 発病すると、死亡率 100% って 何なの? 」


「 怖じ気づいたのなら、一緒に来なくていいわよ 」

「 ふん、 わたくしを誰だと 」


 背筋を反る、ぐっ 胸があるだけに自信あるように思えてしまう。


 私も少しは考えている、一人で森に入り、連絡がつかなかったから、都市チョアンの被害が大きくなった可能性だってある。


 女将さんに、封筒を渡し事づけを依頼、通信用の魔石が入っている。


「 これで、よし 」


 都市ダラムを出てしばらくダンドラで移動、飛空艇は私とエンケドラスが出会った、小さな湖に浮かんでいた。


 ダムロン 「 池に船浮かべて、どうしようっていうんだ 」

 スワニー 「 何処にも行けませんね 」


 私は、空を飛ぶ飛行機、ロケット、宇宙船、人工衛星、宇宙ステーション、だって知っているけど、この人達は空を飛ぶという、概念が無い、説明するだけ疲れるので、先に経験してもらう。


 ダムロン 「 乗ってどうする気だ 」


 飛空艇は浮き上がった、いいおっさんと、いいおばさんは、柱にしがみつき、震えている。


 スワニー 「 ド、ド、何処にいくの 」


「 エルドリアよ 」

「 それは知っているけど、これで行くの 」こくり。


「 エルドリアって何処にあるのよ! 」やっぱりわかってなかった。


「 ダンドラで2か月、ムアール連邦共和国の外よ、飛空艇なら 10日 」


 しばらく沈黙 「 エルドリアって ダラム市内じゃなかったの 」


 エルドリアに熱病の治療に行ってまいります、帰りは遅くなりますって言ってでてきた、本人日帰りのつもり、まずは容態を確認、治療道具を取りに帰る予定だったらしい。


 震えていた、おっさんは復活


「 すげーーーーーっ! すげーーーーーっ! 」吠え出した。


 ギルド会館に、聖魔教会のシスターが顔出す、エルドリアに熱病の治療に行くと出ていた、聖女様が戻って来られない、エルドリアが何処にあるのか聞きに来たのだ。


 説明を受け、片道ダンドラで2か月、呆けてしまっていた。

 そのへんの司祭ではないのだ、聖魔教会の顔、聖女と呼ばれている方が、行方不明。

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