第61話 サンド・ウォーム

 蛮族の王子ロックサンヌ、漆黒の魔女を彼女にと猛烈アタック。


「 普段はどんな事をしているの 」

「 魔法の研究 」


「 趣味は何? 」

「 魔法の研究 」


「 今やりたいことってある 」

「 魔法の研究 」


「 好きな事って 」

「 魔法の研究 」


「 うぐぐぐぐぐ 」「 共通の話題が無い! 」


 戦士 「 王子、それくらいで、撃沈されてどうするのです、さぁ 頑張って 」


「 好きな、人っている 」

「 お父様と、お母様 」


「 そういう、意味じゃなくて、 同じくらいの男の子とかは 」

「 うっとうしい 」


「 うがーーーーっ! 」


 ロックサンヌ王子、これまでの人生、女性から寄ってくることしか経験無し、相手にされなかった事がない、どうしていいのか????


 都市ダラムを出て10日、人が住む領域と魔獣が住む領域の境を移動している、個体の大きな魔獣と遭遇する機会が多い、 魔玉フェチとしては、もう涎もの。


 蛮族の戦士、王子の護衛だけあって、危険度Cランク程度の魔獣なら、1対1で倒せる実力がある、王子はFランクでも、危ない。


 蛮族の男達、バッタンバンの冒険者よりも破廉恥、 レディがいるというのに、野営していると、無視して裸になり体を拭いたりする、 体つきは一回り大きく強固、股についているのも、ドリンク瓶どころか、ズル剥け牛乳瓶。


 ロックサンヌ王子、ガキ、生えてないし、小指サイズ、しかも爪くらいから先は皮だけ、不気味でないだけまし、赤ちゃんのようで、気持ち悪くない。

‘ 大人になったら、あんなふうになるのかしら? ’ レディにとって永遠の謎なのかもしれない。


 落ち着いて冷静に観察できるようになったというか、宿に泊まったのは 3日だけ、7回もみていると慣れてしまった。


 レディとしては、あんなもの観慣れるなんて問題があるような気がしないでもない。


 13日メにして蛮族の地に、5日後、 基本的に平原、所々に小山、山が穴だらけ、蛮族の王、エレプトンの住処に到着。


 山をくり抜き、洞窟に住んでいる一族。


 エレプトン王、 体も大きいが豪快な礼儀も何もない男、 妻シャーマンらしい。

 いきなり、宴、大歓迎されている。


 ロックサンヌ 「 父上は妾を持っておられないのだ、一人の女性を愛し続ける、エレプトン家の男の誓いである 」


「 僕も、生涯一人の女性を愛し続けると誓おう 」


「 そう 」


「 お母様、全く、全然、少しも、相手にしてもらえないのです 」


 女王様 「 もう泣きが入って、王様なんか、わたくしに10 年以上付きまとったのよ 」


 毛虫のように嫌われても、相手が根負けするまで付きまとうのです、頑張りなさい。


 打楽器の音、裸、体に直接模様を書き込んだ、女性や男性が踊り狂う。


 全裸で踊り狂う男性、踊りはじめは、プラプラだったのに、そそり立ち、ビンビンって揺れ方が不気味、体に当たってペチペチって音がしているよ。


 全裸で踊り狂う女性、女性の神秘が、神秘どころか、余すことなく披露、どうして私がこんなにも恥ずかしいのだろう、それに、せめてムダ毛の処理くらい、腋毛やスネ毛は処理すべきだといいたい。


 都市ダラムと比べると、異世界。


 与えられた部屋はそれなり、壁や床が砂っぽいが、野宿に比べたら全然まし、なんと、付き人二人も、服を脱がそうとするし、体を洗おうとまで、恥ずかしくて顔から火を噴くというか、桶の水が蒸発、怖くなったみたいで、近づかなくなった。


 魔法の本読むから、呼ぶまで入るなって言ったら、部屋のドアの前でずっとまっていて、ほっとけないので、部屋に入ってもらって、落ち着かない。


 今日はあきらめるけど、明日から付き人はいらないというしかない。


 ロックサンヌ王子と4人の戦士さん達と出かけると思っていたのに、王様と女王様、軍隊総勢100人ほどを引き連れて、サバンナを爆走、 ポチの首からお尻まで、布を巻き付けてある、バンカディで入手した生地、暑さを防ぐ効果がる、マジックアイテム、私のローブにも同じ機能がある。


 硬い乾燥したひび割れた土の地面が、少しずつ砂地へ、これが砂漠、砂の海に突入、 1m ~2m の百足が、50匹くらい砂と並行に移動するように、向かってくる、砂が浮き上がるだけで、姿は見えない。


 隊列を組み、槍で地面を突き刺す、飛び出して来た物は、剣、 少人数だと危険な土地。


 地面が揺れる、 「 サンド・ウオームです、動かないで 」300mくらいの魔獣は見たことがあるけど、そんなもんじゃない、数km の大きさの、ミミズ。


 眼無し、音と振動で餌を捕食する。


 砂がもうもうと巻き上げる、圧倒的な大きさのサンド・ウオームが現れる。


 シュミハザを使って分析、脳がどれかわらない、心臓ポイのが27もある、魔玉発見、さてどうする、27個の心臓に穴開けたら死ぬ、いや、この際、血を毒に代えたらいいかも。


 瘤ダンドラがおち着かないようで、なだめるのに手をやいている戦士


「 どれくらい、じっとしているのですか 」


「 いなくなるまでです、 2時間~1日 」


「 殺します 」

「 えっ、待って下さい、サンド・ウオームは死にません、殺せるのは神様だけです 」


 杖を手に、マナに決まった命令を与える方程式を描く、描かれた形は魔法陣。


「 Покоравам ти се, магична есенција, претвори крв у отров 」

( 我従えし魔素よ 血を毒に変えよ )発動の言葉を唱える。


 ズドーーーン ダンドラから落ちた人多数。


「 死にましたけど 」


「 えーーーーっ! 」


「 ぎえやーーーーーっ! 」

「 ぎえやーーーーーっ! 」

「 ぎえやーーーーーっ! 」


 蛮族の方々、土下座、大様も王妃様も土下座


「 何が起こった 」


 サンド・ウオームを殺せる人は、神様であると信じているらしい、 アホな。


 カンドラ平原の一画にある、カンドラ砂漠のど真ん中で、100人くらいの人に土下座されても、困り果てるしかない。

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