第8話 移動
シュミハザには、地表の調査をさせていた、ここから 20K 離れた所に大河が流れている、その川にそって、240K ほど下った所に、遺跡ではない、人が住む、城壁のあるお城、家がつらなる大都市がある。
小さな村も、いくつか確認済み。
人が住む領域に近づくにつれ、巨大な恐竜ではない、魔獣の数は減っているようだ。
何時までも一人というわけにもいかない、人が住む地域に向かう事にした。
衛星軌道から確認した限りにおいて、電気もガスなど無い、剣をもって魔獣を殺す集団、人の容姿も気になっている、耳が犬や猫、尻尾まであるような人。
遺跡で見つけた、柔らかい皮をつかって、つくったお手製のパンティ、針も糸も無いが、ナノマシンではない、マナを使い融着というのか、表面を溶かして引っ付けた。
ポケットがついた、シャツ、世界の箱という袋は、紐を通し肩からひっかけ、ぶらぶらしないように、お腹のほうにも紐で巻き付ける。
ジャンプしても、揺れる気配さえ無い胸、ブラジャーは作る気になならかった。
短剣はブーツに、四法輪は腕と足首に、魔法のロープを着て旅立ちの準備完了。
食料はもってないが、適当に調達すればよい。
大河が肉眼で見えるところまで、1日で移動、河川敷を利用して、眠る事に、久々の野宿というか、屋根が無い所で寝る事になった。
本から得た知識によると、ダンドラと呼ばれる、2足歩行の草食動物を、馬の代わりに使っているようだが、まだお目にかかってない。
魔獣と動物の違いとしては、体の中に魔玉と呼ばれる玉を持っている生き物を、魔獣、魔鳥、魔蟲、 持って無いものは、動物、鳥、虫と区別している。
魔玉は、魔獣討伐の証とされ、高値で取引されているようだ。
今度から、魔獣を殺したら、魔玉を回収しなくてはならない。
5000 年の未来にたった一人で、放り出されたというのに、お金儲けの事を考えているなんて、普通では無いような気もするが、深く考えない事にした。
「 キャーー! キャーー! 」
「 何なのこれは! 」
逃げている、体系的には人に近い、豚のような顔、口から牙が突き出ている、そんな全裸の集団 30匹以上いる、追いかけられている、凄い速さで森を駆け抜ける事ができる、追っかけて来る集団を突き放し、一息。
それにしても、レディの前で全裸、頭を振ってみるが、股についていた茄の腐ったようなものが、振り子のように揺れて迫ってくる様子が脳裏から離れない、眼をつむっても瞼の裏に焼き付いているようだ。
「 あぁ、もう、気持ち悪い 」やっぱり服着てない。
記憶力も良くなっているのか、ペットボトルのようなオーガ、牛乳瓶サイズのゴブリン? 鮮明に浮かぶ上がる
「 もういやぁーーっ! 」
小さいときは、お父様と一緒にお風呂に入っていた、ウーーン 記憶を探る、股についていたのは覚えている、どんなのだったか、思い出せない。
身長は私くらい、がっちりした樽型の体つき、股についているのは、牛乳瓶より大きかったと思う。ガア、ガアとしか言わなかった
にっこり微笑んで 「 こんにちは 」って言ったのに、「 グアーー 」話が通じる相手でもなさそう、世界の箱から、百科事典より大きく分厚い本を取り出す、表紙は木の板、ページは羊皮紙なので、あるいみ当然。
タブレットが懐かしい。
ビッグ・ゴブリン、獰猛で、知能はほとんど無いようだ、人みたいだけど、魔物。
かなり引き離したので、シュミハザからの映像で確認、私を見失い、ウロウロしているようだ。
順調に大河に沿って、歩いていたのだが、避難場所を探して、川から離れ、山の中にいる、この先に洞窟があるはずだ、頭の中に浮かんだ地形にそって歩く、シュミハザが巨大な低気圧の渦が、こっちの方向へ向かってきていると報告してきたからだ、台風、大雨、とりあえず、安全な場所を確保しておきたい。
空から雨が降るという現象に感激したが、自然というものが猛威を振るうと人はなすすべも無いらしい、兎に角安全な場所に避難して、通り過ぎるのを待つしかない。
シュミハザからの警告、高速で移動する物が近づいてきている、時速は 100Kを超えている、3匹私も検知した。
直ぐそこに、犬? 顔を認識、脳の神経を焼き切る、残りが突っ込んでくる
「 きゃーーーーっ! 」
ピーーン、目の前に透明な壁、弾かれた、四法輪の効果、
「 シュミハザ! 」
2匹の頭に小さな穴、襲ってきた3匹を殺した。
尻餅をついていたので、立ち上がる、犬のような顔、前足4本、後ろ足2本、茶色い毛並み、犬なんかより二回りほど大きい、牛ぐらいある。
本を取り出し、ページをめくる、デンジャラス・スピード・ウルフ、 なんというか、危険な速度の狼、安直すぎる名前に唖然。
危険度Dに分類される魔物、群れで行動している場合、危険度Cに格上げ、お肉は美味しいとある。
解体など、やったことは無い、だけど魔玉は売れるし、お肉が美味しいとなれば、やってみるしかないか。
太い後ろ脚の腿肉を、短剣で切り取る、マナを通すだけで、抵抗を感じることも無く、切り裂くことができる、 デンジャラス・スピード・ウルフの股の間についている物を、観察、親指くらいで小さい、たいした事ない。
ふと頭をよぎる、私って、エッチ、、、、男性の眼がなければ、女性はこうなのよ、深く考えない事にした。
次は魔玉、胸に短剣を突き刺すと、血が噴き出すように流れ出る、色は赤い、血が停まるまで待つことにした、ローブが汚れそうなので脱ぐ、これで汚れても体を洗えばいいだけか、一目が無いと大胆な行動ができる。
一匹メは魔玉がどこにあるのかわからず、胸の周りをグチャクチャにしてしまった、1個取り出してから、先にトレースすれば、ピンポインで取り出せセル事に気づく、手のひらを充てトレース、心臓の下あたり、1匹目で場所がわかっているだけに、ちょっと寂しい。
ピンポン玉くらいの大きさの少し歪んだ球体、含まれているナノマシンの量は、多いというわけではない、世界の箱に入れる、魔玉はいれられるのに、切り取った足の肉は、入らない、魚も入らなかった。
片足一つ、持ち歩くには大きすぎる。
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