僕の妻は帰ってくると退行する

ツインピース

大好きな妻

 僕の妻はかわいいというよりかっこいい。カリスマ社長として頑張って働いているし部下からもいっぱい慕われている、僕と違って、今の僕は専業主夫で特に仕事をしていない……養われてる⁉︎。まぁ、おいといて僕の妻は本当にかっこいい、本当に。長所はたくさんあるし誰もが知ってる、でも、欠点?は僕しか知らない。

ガチャ

「おかえりーー!」帰ってきた妻はすぐさま自分の部屋に駆け込んで行った。これは…相当ストレス溜まってますね。好きにさせてあげないとダメそ。

 僕がキッチンでご飯を作っていると部屋着に着替えた妻がリビングに出てきた。

「おかえり♪今日はねビーフシチューっ……」妻が僕に抱きついてきた。

「包丁手に持ってるから危ないよ?」

「うぅぅ………」

「今準備してるよー?あとにしよ?」

「あうぅ……」妻が離れてくれない。

「怒るよー」渋々妻は離れて行った。

 僕の妻は家に帰ってくると幼児になる。

「ほらご飯できたから食べよ?」

「うん!」

 今日の妻はまだマシな部類、酷い時には押し入れから色々引っ張り出してそういうのを強要してくる。新手のDVかな?。

「ご飯………」妻は箸を棚にしまうと幼児用スプーンを引っ張り出して机に並べる。

「食べさせるの?」

「うん!」僕は妻に食べさせる。

「美味しい?」

「うん!、美味しい!わたちもっと欲しい!」

「あっあはっうん…いいよ」次々とご飯を入れると満足そうに微笑む。

  プルルルルプルルルル

「ゔぇっ………電話出るね………」

「あっうん」妻は部屋に走っていった。

 数分後出てきた。

「ぷしゅー……」よくわかんないことを言いながら部屋から出てくると押し入れに手を伸ばす。

「ちょっとまって!?、僕今日エプロン洗っちゃったよ?」

「あぁ…洗ったの……うーん新しいの使って私の部屋にあるから…ご飯食べ終わったらすぐきて」

「うん」

 食べ終わった僕は妻の部屋に行くと妻は自家製赤ちゃんコスチュームを着てベットに寝ていた。

「エプロンは?」

「つけたよー」

「なら早く!、早くしろ!」

 僕は妻の隣に座り妻の頭を撫でる。

「今日は何があったのかなー?」片手にガラガラを持って妻に話しかける。

「今日ねわたちね頑張ったよ?」

「そうなんだーえらいねー」

「うん!えらいえらいだよー!」

「あっははは……」

「早く撫でろ」

「えっうん」

「んふふふふーーー」

「でもお顔が暗いよー?嫌なことでもあったのかな?」

「うん……今日ねお仕事頑張ってたんだけどねいっぱいねお仕事増えてね部下の尻拭いもしなきゃいけなくてね」

「わかったよーうんうん頑張ったんだねー」

「あぶぅー」妻は僕にすりすり寄ってくる。

「うんうんすごいねー毎日頑張っててえらいえらい」

「えいよー」

「そういえば何歳なのかなー?」

「にっ……にじゅうろくちゃい……」

「うーん僕より年上だねー僕24だよー?」

「黙れ」

「ごめん調子に乗った」

「なら早くあやせ」

「うん」めんどくさいけどかわいいんだよね。こんなに甘えてくれるし。

「よしよしはーいガラガラだよー」

「わぁ」

「ちょっと離れるね」

「やだ!ゆうくんと一緒がいい!」

「ごめんねすぐ戻るからね?」

「やだぁ!やだやだやだ!いやぁだ!いやだよーーー」妻は泣きながら駄々を捏ね始める。

「わかったわかったよ」

「うぅぅ………ぎゅーちて」

「はいはい」

「えへへねんね一緒にしよ?」

「うーんいいよ」

「やったー!」

こんな変な妻だけど僕は大好きだ。

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僕の妻は帰ってくると退行する ツインピース @ikitene

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