第2話 絶対領域

 私は保健室から逃げ出すと校内は授業中であった。さて、困った、教室に戻るか悩んでいると。


 うん?


 トイレ、トイレと……私は女子トイレに向かう。個室に入りスカートを下す。その後、スマホを取り出して。個室の中でスマホ操作に夢中になる。


 いかんな、これが癖になると人としてどうかと思う。私は小首を傾げながらトイレを出る。


 あああ、櫻子を迎えに行かないとか。


 私が再び保健室に向かうと。


「お姉様、何処に行っていたのですか?」

「あぁ、トイレで勉強をしていた」

「流石、お姉様」


 あああああ、これだから現代文明は厄介だ。トイレの個室でスマホにハマっていたなど言えないし。私が悶絶していると、櫻子がキラキラ様子でいる。


「そんな事より、お姉様、私、絶対領域なるモノを教えてもらいましたの」


 絶対領域?久しく聞かない言葉だな。ま、知っている時点でどうかと思うが。


「こして、スカートを上げるのです」


 櫻子は自分のスカートを掴みパンツが見える限界まで上げるのであった。小学生の太股からは甘い匂いが漂ってくる。


「ひいいいいいい、ロリコンの罪で斬首される!!!」

「まあ、大げさね」

「真理先生ですか?こんな美味しいじゃなくて、不謹慎なことを教えたのは?」

「ふふふふ」


 答えないが犯人はコイツだ。私は櫻子に止めるように言い、教室に戻る事にした。


放課後。


「お姉様、私の部屋に来て下さい」


 どうやら、櫻子は学校の寮生活らしいのだ。


 「じょ、女子寮か……」


 こんな百合娘を放置していい訳がない。あぁ、めくるめく妄想が広がる。いかん、いかん。しかし、いったいどんな世界なのだ?


「あ!お掃除するのを忘れていました、仕方がないのでまた今度……」


 ここは強引に部屋に案内させよう。私の顔がドラ猫の様になります。


「お、お、お姉様、それはご無体な」


 汚いのか?汚いのか?こんな可憐な小学生の部屋の中が汚いのか。


「もう、少しだけですよ」


 案内されたのはド綺麗な部屋であった。


「あ、雑誌が出しっぱなしだ。だから嫌だったのですよ」


 櫻子はベッドの上のティーンズ雑誌を急いで片付ける。コイツ、潔癖症だ。


「あー疲れた、今日は帰る」

「安心しました、こんな汚い部屋でお姉様を御迎えするなんて……」


 これで汚いのか、人生半分は損をしているぞ。


 私は軽い頭痛に悩ませながら帰るのであった。

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