選ぶのは飛び級小学生か?それとも、セクシー養護教諭か、どっち?

霜花 桔梗

第1話 転校生は飛び級の小学生

 私は私立間真名高校の二年生をしている。秋の新学期が始まって直ぐのとある日のホームルームことである。


 転校生が紹介される。


 しかし、その姿は小学生だ。高等部の制服を着ているがその顔に身長は間違いなく小学生であった。聞けば、大学に飛び入学したが馴染めず。小等部まで落ちるのが嫌だと駄々をこねて高等部で落ち着いたらしい。つまりは大学から高等部まで下がって来たとのこと。


「ポ、お姉様!」


 はい?


 何か私に向かって声が聞こえた。


 嫌な予感がするな、そんな事を思いながら午前の授業に入る。


 そして、午前の授業が終わり、私はお弁当を開く。


 何か視線を感じる。それはキュンとなる愛の視線である。


 発信源は勿論、転校生のロリであった。


「お姉様、一緒に食べていいですか?」


 こんなロリとは言え好かれると照れくさいな。


「外のベンチで食べるか?」

「はい」


 私達は中庭のベンチに向かう。


「ねえねえ、聞いて下さいよ、私、電気が走ったのですよ」

「何のことだ?」

「簡単です、運命の人に出会えたのです」


 は~あ、私のことか。小学生と百合カップルとは、また、放送コードに引っ掛かりそうな。


「で、お姉様、名前は何と呼んでいいですか?」

「私の名前は千歳でいい」

「はい、お姉様」


 おいおい、千歳は何処に行った?


「私のことは櫻子と呼んで下さいね」


 ふ~う、もう直ぐ、午後の授業が始まる。私は頭をかきながら教室に戻る。


 午後の授業が始まり。私はあくびが出る、数学の授業中は乘らない気分であった。不意に横を見ると櫻子は爆睡している。


 しかし、何故か私の隣の席が櫻子であった。私は手を伸ばして櫻子を起こす。


「むにゃむにゃ、数学はお腹いっぱい」


 更に私が起こそうとすると。


「その子は数学の授業は免除されているのだ」


 数学の先生が私に声をかける。何故にと聞くと飛び級の科目が数学科らしいのだ。つまり、大学レベルの数学をマスターしているのだ。


 はーぁ、数学で飛び級ね。


 私は櫻子を起こして保健室に運ぶ事にした。


「歩ける?」

「あぁ、何とか」


 怪我でも病気でもないが、この高校の保健室なら受け入れてくれるはずだ。


 ぞぞぞぞ!!!何だ、この悪寒は?悪い物でも食べたかな?


 そして、保健室に着くとゆっくりとドアをあける。


「あのーただ眠いだけですけどベッドを貸して下さい」

「いいわよ、貴女付き添い?珈琲を入れるから待っていてね」

「はい……」


 櫻子は奥のベッドでぐっすり眠ってしまう。するとマグカップに入った珈琲を保健の先生が持ってくる。


「砂糖は幾つ?」

「二つでお願いします」


 角砂糖の入れられた珈琲を受け取ると、ふうふうして飲むのであった。


 む、ぞぞぞぞ。何ですかね?この悪寒は?


「あのー、私も体調が悪いのですが」

「そう?お姉さん、貴女のことを気に入ったの。体調の悪いのなら、私が温めてあげる」


 そう言うと、保健の先生は短いタイトスカートで脚を組み替える。ムチムチの太股は大人の魅力だ。


 うぁーエロいな。


 これがセクシー天使の名を持つ神田真理先生か。


「それで、子猫ちゃん、名前を教えて」

「はい、佐々木千歳です」

「千歳ちゃんか、ちょっと待っていてね」


 そう言うと真理先生は机の引き出しから色付きリップを持ってくる。


「古来より、紅は女子のたしなみよ、さ、さ、付けてみて」


 わたしは言われるままに色付きリップを口元に持っていく。手鏡を渡されて綺麗になる自分を見ると乙女心がキュンとした。


「やっぱり、思った通り、お姉さん、本気になっちゃう」


 あわわわ。


 このままだと何をされるか分からない。私は急いで保健室から逃げ出した。

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