生徒会役員!?③

 前の席に座っていた子たちが手伝って、くじを作っていく。


 一枚の紙に『アタリ』と書く。

 男子と女子、それぞれ一枚ずつ。


 そのほかの紙は白紙。

 全部合わせてクラスの人数になるように。

 それを男女それぞれティッシュの空き箱に入れた。

 みんな前に行って、一枚ずつ引くのだ。

 

 ……みんな?

 

 梓はちょっと不思議に思った。

 つまり自分も引くということだ。特に役員になりたいわけでもないのに。

 それどころか役員は面倒だと思っていた。

 学園に慣れるだけでも精一杯で、余計な仕事はしたくない。

 だから、やりたい子だけ引けば良かったのに、と思った。

 でももう作ってしまったし、一応クラスの仕事なのだ。やる義務はなくもない。

 それに当たるはずがないよ。

 梓は自分に言い聞かせた。

 女子だけでも十五人いるのだ。

 その中からアタリなんて。


 だけど運命のいたずら。

 梓が適当にティッシュ箱の中から取った一枚には、赤いペンでしっかりと『アタリ!』と書いてあった。

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