SCENE-005 目覚め
遠くから注がれる視線に気付きでもしたのか。不意に顔を上げた金髪の女――
「っ……」
人外には珍しくもない金の瞳と視線がかち合った途端。がつんっ、と頭を殴られたような衝撃があって。
生まれてこの方、十四年あまりの年月を八坂の地で過ごしてきた〝八坂伊月〟の記憶と意識に、今日この時まで思い出しもしなかった、まったく別人の記憶と意識が混ざり込む。
(わたし…………
〝八坂伊月〟が知っているはずのない思い出や知識が頭の中を駆け巡り。目の前に立ち込めていた濃い霧がたちどころに晴れたかのよう、自分が感じていた既視感の正体に、伊月ははたと気が付いた。
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