第3話

 少年はポツリポツリと男に話し始めた。

「唯は浮気していたんだ、隣のクラスの大田と。僕は薄々気づいていたけどね、彼女に聞いても答えない。」

「彼女は唯は三角関係を続ける気だったんだよ!」

「僕らは口喧嘩になり段々エスカレートして、そばにあったオブジェで僕は彼女の頭を思い切り何度も叩いていた、唯の頭からは血が流れていた。」

「彼女は床に倒れていた、僕は怖くなって急いで逃げていたんだ僕は何処をどう行ったのかもわからない。気づいたら雪が降りしきっていたんだ。」

「あ~これで死ねると思ったんだ。」少年は興奮気味に男に全てを話していた。

 男は「残念だな僕名前は?」と聞いてきた。

少年はぶっきらぼうに「空だよ!」と答えていた。

男は「宮田公平よろしくな」と名乗った。

少年は名前を聞いてニュースを思い出していた。

連続誘拐犯、少年は身震いがした。


 男は「でも良かったじゃないか助かって」と静かに言った。

僕はベッドから飛び出していた。

男は電気コードを握りしめていた。

やはり殺人鬼僕は震えていた。

男は「でも良かったよ、手間がはぶけて俺は男の子じゃないと興奮しないんだよ!」

僕は入口に逃げ出す。

男が追いかけてくる。

少年は男に捕まり体を倒される。

男は電気コードをぴーんと張って少年の首に巻き付けた。

少年は「嫌だ嫌だ!誰か助けてー」悲鳴が聞こえた。

バキッと首の骨が折れる音がした。


 雪はすべてを包み隠すから…


       完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雪は全てを包み隠すから 浜田まひる @mahiru8

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ