冒険の始まりはいつだっていきなり

 好評でしたので、冒険の話を少し。ありがたい話ですね。やはり変人を取り上げれば伸びる伸びる。もっと増えろ変人。そしてノイルの餌になれ変人。


 隣にいた姫さんに殴られました。どうして姫さんはこんなにも野蛮。ノイルが姫さんに懐いているせいで私は何もできません。世界はなんて無慈悲なんでしょう。悲しくなってきました。


 話は戻って冒険でパーティを組んだ理由なんですが、なんと姫さんの気まぐれです。姫さんが、「わたくし、お城の中でお勉強なんて飽きましたわ!うさば、民を守るために魔物をぶん殴って参りますわ!」というなんともはた迷惑なことを宣言したものですから、聖騎士様が「あー、いいじゃん」と賛同してしまい、「マオエルがいくなら私も行こっかなー」と道具屋の嬢ちゃんも乗っかりだし、「えー、じゃああたしも行こっかな」とブリジット様の気分がお乗りになられ。だれか止めろ。


 改めて書いたらこのメンツにただの風来坊の私がいるのおかしくないですか?訴えたら勝てると思いますかね?これを見ている弁護士の方、×××-×××-××××に電話をください。これ、聖騎士様の電話番号です。かけたら道具屋の嬢ちゃんが出ると思います。道具屋のまで打つと長いので今後は嬢ちゃんでいいですか?いいですね。


 私が巻き込まれた理由は蛮族姫さんに肩を組まれて「あなたももちろん行きますわよね?」と圧を掛けられたからです。私は権力にはすぐさま屈します。生きるためには必要なことですよ。覚えておくといいと思います。権力には屈する。リピートアフターミー!


 ちなみに魔物と言いますけど、ぶっちゃけ魔物より魔物ですよね、この人たち。だってこの人達、平気な顔して人や魔物を葬るんですよ。姫さんはバールでバンバカバンバカ裏路地にいるヤンキーぶん殴って金を巻き上げてるし、嬢ちゃんはボコスカボコスカ回復魔法用の杖で魔物の頭殴りまくってるし、それ本当に杖の意味あります?聖騎士様は無差別に魔物と嬢ちゃんを切るし、ブリジット様は無詠唱魔法ぶちかまして私たちごと燃やすし。おかげで私の髪チリッチリですよ。流石のノイルも慰めてくれましたね。腕一本持っていかれるだけで済みました。


 その四人に対して私と言ったら、なんと優しく平和に生きたことか!その辺で拾ったリスと仲良くなって従属にし、その辺で出会った魔物とマルバツゲームをして、野放しにしているノイルに腕を噛まれて……。ね?これほど温厚な人間、存在しませんよね。


 ライオンを野放しにするんじゃないという指摘が四人から来たわけですけれども、そんなことは知ったことでは無いのです。腕の三本や四本食べられたところで死にませんしね。証拠は私。


 ところで一つ思いついたので読者の皆様に問題です。ブリジット様が森の中で迷ってノイルに食べられかけた回数は何回でしょう。制限時間は三秒です。三秒経ちましたね、正解は数えたことがないので分かりません。


 あの人、単独行動させると高確率で迷うんです。感覚で行動した結果見知らぬところにでて、いつもいつも死にかけになって戻ってきます。物理的に。そして姫さんに呆れ顔をされるのもいつもの事です。というか魔術師なんですから、転移魔法とか使えないんですかね?まあそんなこと滅多に言いませんけど。そこまで命知らずでは無いので。腕を食われても死にませんけどね、魔法を打たれたら死にますよ。私人間なので。


 それでいうなら聖騎士様が一番私に優しいですよ。皆様、話しかけるなら間違いなく聖騎士様です。一番人当たりもいいですし。相当なことをしない限りは刺されません。ノイルもすごく懐いてます。なんなら私よりも懐いています。本当に世知辛い。私は三時間に一回腕を食われているというのに、聖騎士様は一度も食べられたことがないんだそうです。どうして。本当にどうして。私がノイルに何をしたと言うのでしょう。


 嬢ちゃんはですね、まあ一番可哀想な人ですよ。ノイルに一番噛まれてます。その度に回復してるんですけどね。ノイルに嫌われてるんですかね?野放しにするからだという指摘を頂きましたが、ライオンを縛り付けるの可哀想じゃないですか。動物愛護団体が黙ってないですよ。

 ところでライオンにスライム食べさせたら動物愛護団体に怒られますか?まだ食べさせたことは無いんですけれど。弁護士の方、△△△-△△△△-△△△△に電話をお願いします。姫さんの電話番号です。たまに知らない男の人が出ます。運試し感覚でかけてみてください。命の保証はしませんけど。


 次回はダンジョン攻略の時についてお話しますね。


 アデュー、顔も知らない親友たち。また記事で会いましょう。


 P.S.電話に関しては本当に自己責任ですので、私は一切の責任を取りませんので、ご了承のほどよろしくお願い致します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る