第17話

   明日菜の告白4


 私と彼とは、恋人同士ではない。


 多分、それでいいし、それ以上の関係を望んでもいない。


 私には友達がいない。心を開ける相手はいないし、誰からも少し透かしたヤツとみられている。別に、それに抵抗する気も、逆らうつもりもない。そう見られているなら、それでもいい。


 彼とは、学校でもあまり会話することはない。多分、私にとっては一番話をする相手だけれど、彼にとっては話をする女の子のうちの一人……。


 ある日、彼が女の子を誘って、屋上へとつづく階段を上がっていくのを見かけた。


 私は恋人でもないので、文句をいう筋合いでもない。別に彼が、どこで誰と会い、何をしていようと関係ない……でも、そのとき何の気なしに後をつけた。


 勿論、彼らはそこでエッチを始めた。


 同学年でも、一番かわいいと噂の女の子だ。私もそうだから分かる。まだ体が成熟していないうちに、エッチをはじめるとどこかにアンバランスな部分がでる。胸が不自然に大きかったり、腰つきが女らしく張ったり……。


 彼女は制服の上からでも分かるほど、胸が大きかったけれど、こういうことだったのね……。


 彼女は制服が汚れないように、きちんと脱いで、畳んで横においている。慣れた感じだ。


 シャツは前を開け、インナーのキャミソールをたくし上げ、その大きな胸を彼に鷲掴みにされ、揉みしだかれる姿が、妙にエロい。


 正面から、立ちでしている。私もそう時間をかけずに階段の下から覗きこんだけれど、コトはもうはじまっていた。二人とも時間をかけずにそれをすることを、心得ているようにも感じた。


 彼はキャップをしない。それでも、彼がイク前に、彼女がイッて終わった。しばらく口づけをかわすなど、互いに抱き合ったまま余韻を愉しんだ後、彼女は服を着ると手をふって別れた。


 恐らく、彼女がしたくなって、お願いした感じだ。


 私は関係ない……。そう思っていた。


 でも……、私は一人になった彼に飛びついていた。さっきまで、彼女としていたそこで、私は彼を誘うように、彼の股間をさすり、気分を高めた。彼も私の意図をさとったのだろう。


 私は制服を脱がなかったけれど、ショーツをずらして、彼を招き入れた。さっきまで彼女のそこに入っていたそれは、少し湿っていて、彼もすぐに動きだす。


 私は彼のそれが欲しい……と思った。私はちがう。自分勝手にコトを終わらせたりしない。


 彼はしっかりと私の中にだしてくれた。


 彼は何もいわずに、ぎゅっと抱きしめてくれる。彼女とは、ずっと胸を揉んでいたから、距離が開いていた。


 私はちがう……。そう思うことができただけで、満足だった。


 時おり、私に告白してくる男子もいる。でも、まったく興味はなかった。


 私が大人びていて、そんなところに憧れられても、私は応えることができない。だって私は、もっと大人な同級生を知っているから。


 そんな同級生は、私との距離を詰めてくれる。私に与えてくれる。私は愛人体質なのかもしれない。でも、この人の子が欲しい……そう思ってしまった。






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