第5話

   水穂の告白2


 夕君はいつも少し大人びていて、私より一歩も、二歩もすすんでいる人だ。


 だからといって、私を子ども扱いしたり、バカにしたりはしない。


 むしろ、私のすることを温かく見守ってくれ、私がしたいというと受けとめ、受け入れてくれる度量の広いところもあった。


 小さな公園に行ったとき「ここでしたい」と私が言ったら、夕君も乗ってくれた。


 かといって広場と、小さなベンチ、ブランコがあるだけの小さな公園だ。隠れる場所もない。


 少し離れたところでは、私たちより少し小さな女の子たちが、砂場で一生けん命に砂を入れ、運ぶ姿がある。どうやら砂で何かをつくっているようだ。


 私たちはベンチの後ろにまわり、夕君がベンチを背にしてすわり、私がその上にまたがる形になった。


 服は脱げないので、スカートの私が下着だけを下ろす。


 ベンチに手をおいて、私は夕君のお腹に膝を押し当てるようにして、椅子をつかんだ手と、押し当てた膝を梃子につかい、ぴょんぴょんと撥ねるように腰を動かす。


 あの女の子たちと、私はちがう……。


 夕君と比べると子供っぽいけれど、私はもう大人――。大人のすることを知っているし、やっている。


 気持ちいいことを、子供より多くしている。


「んふぅ……」


 この絶頂を彼女たちは知らないでしょう……。このときだけは、少しばかりの優越を感じる。


「お姉ちゃんたち、何をしているの?」


 いつの間にか、砂場で遊んでいた女の子たちが、ベンチに立って、こちらを見つめている。


 私は真っ赤な顔で何も言えなくなった。そのとき夕君が「トランポリンだよ。やってみるかい?」と、その子たちにも声をかけた。


 私も、まさか夕君がその子たちと……? と思いつつ、その隙に下着を穿く。


 改めて夕君たちをみると、女の子が夕君のお腹の上に足をおいて、ベンチを手でつかんで、夕君が腰をつかうと、より高く女の子たちが跳ね上がり、きゃっきゃと喜ぶ姿があった。


 本当に、トランポリンのように跳ね上がり、無邪気に笑う女の子たちをみて、私はふと思った。


 股間やお尻が、夕君のあそこにあたっても、彼女たちは無邪気に笑う。


 多分、私はもう笑えない。その次を考えてしまうから……。


 ちょっとの嫉妬と、ちょっとの喪失感を味わいつつ、その光景を眺める。私の股の間がじゅんじゅんと疼いてくる。女の子たちのそこが、夕君のあそこにぶつかるのを見ていると、我慢できなくなってくる。


「はい。もういいだろ。次はお姉ちゃんの番。砂場で遊んできな」


 夕君がそういうと、女の子たちは笑って走っていった。


「夕君……。私……」


「いいよ。ほら、乗りな」


 私はパンツを下ろさず、夕君のお腹にのった。さっきの女の子と同じように、無邪気に、子供のようにその上で跳ねた。


「さすがに、さっきの子たちより重いよ」


「女の子に重い、は厳禁だよ」


 ちょっと怒った顔でそういった後、夕君の唇をふさいだ。


 彼女たちにみつからないよう、ベンチに隠れながら。そして唇を放すと「やっぱりもう一回、いい?」と尋ねる。


 さっきから刺激をうけていて、もう我慢ができなくなっていた。重くたっていい。その重みは、夕君がうけとめてくれるから。私は夕君にまたがると、下着をずらして彼を中へと導き入れていた。




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