2.Lv.35 -3 実力把握

「戦闘力が低い」


 彼女は木剣を握りしめ、五体投地で草原に寝転ぶ。


「お前、そんなんでよくきらりに付いて行ったな」


「私は……サポートタイプなんです」


「レベルはステータスの最低値を見る。甘く見てるようだったら痛い目見るぞ」


「はーい……」


 のっそりともふもふが起き上がる。きらりとだけ組んでるから偏った方向に経験を積んでるな……。


「はやてさんも、サポートタイプじゃないんですか?」


「補助にも回るが、戦力が足りなきゃ前にも出る。どっちかと言えば穴埋めタイプだな」


 悪く言えば、レベルとステータスが大体一緒、不得意はないが特に得意もない。


「戦えるんです?」


「理解が足りなかったみたいだな。続けるか」


「きらりちゃんとどっちが強いんですか?」


「知らん。別にあいつのこと詳しくないし」


 ふーん? と、彼女は何やらにやけている。


「もしかして、実力隠してて、本当はめちゃくちゃ強かったり」


 何か言いだす。


「お前、きらり以外から俺の名前聞いたことあるのか?」


「みじんもなーい」


「もう俺言わなくていいよな」


「実力隠してるなら、みんなが知ってる訳ないじゃないですかーやだなー」


「俺は毎日のようにギルドに顔出してんだよ。なんかしたらばれてんだろ」


「いやいや、みんなはやてさんの顔なんて見てませんって」


 もう俺何も言わなくていいよな。


「元気あるなら動き覚えろ早く。試験地の魔物は素早いぞ」


「もぐもぐタイム!」


「……まぁ好きに食えよ」


 吐いても俺は知らない。実戦でやりだしたら減点しよう。


「はやてさんも食べますー?」


「俺は吐くから要らない」

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