モデル仲間の美人な子②

 本当にイケメンだなぁ、と思う。

 小学校五年生のときに、街中でスカウトされてモデルをはじめたそうだけど、スカウトの声がかかるくらいなのだ。元々カッコいいのである。

 そしてモデルをはじめてから、より洗練されていって、今の北斗になったのだ。学校一のイケメンと名高いような北斗に。

 本当に、そんな北斗が幼なじみだなんて、誇らしいと思う。

 そして仲良くできていて嬉しいと思う。

 そんな仕事の顔をした北斗の写真を見た次は、普通にSNSを見たりしているうちに、「お待たせ」と声がかかった。

 顔をあげると、私服姿の北斗が立っている。

 ちょっとだぼっとしたズボンに、上はぴったりしたシャツの上に、薄手の上着。

 中学生のごく普通の私服といった姿なのに、元々イケメンなのであるし、スタイルもいいし、髪はセットされたまま来たのだろう。いつも以上にきれいに整えられていた。

「あ、お疲れ様!」

 美波の顔が、ぱっと輝く。スマホは暗転させて、バッグの中に入れた。ベンチから立ち上がる。

「じゃ、行くか。電車でひと駅なんだ」

「うん!」

 スタジオは駅前だ。歩いて十分もかからない。

 初めてやってくる美波も、一人で来たけれど迷わなかったくらい。

 しかし行こうとしたところで、うしろから声がした。

「北斗くん!」

 女の子の声だった。北斗の名前を呼んでいたので、北斗は振り向く。

 呼んできたのは知り合いだったようで、「ああ、向坂こうさか」と返事をした。

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