秘密の同居生活②

 そう、今日の見学会に申し込んだのは、美波ではなくてあずみ。

 北斗の大ファンのあずみは、【スターライト ティーンズ】についていた申し込み用紙を三枚も送っていて、その一通が見事当たったのだ。

『今角 北斗 モデル撮影・見学会』のペアチケットが。

 それをあずみが誘ってくれたのだ。

「ペアだし、一人だったら感動で倒れちゃうかもしれないから、一緒に来て!」と。

「だからってホイホイ一緒に来ることないだろ」

 なのに北斗は良く思わなかったらしい。ほおづえのまま、はぁっとため息をついた。

 美波はちょっと、むっとした。

 一応、正当な手段で行ったというのに、文句ばかり言われては。

「そんなふうに言わなくても……」

 美波はなんとか言い返そうとしたのに、北斗は何故かちょっと気まずそうに、でもやはり機嫌悪そうに言った。

「お前がいると、なんか調子狂いそうになるんだよ」

 その割には、一発オッケー出てたし、すごく綺麗なポーズだったけど……。

 美波は心の中で、首をかしげた。

 でも自分がいると調子が狂う、というならやっぱり悪かったのかもしれない、と美波は思った。

「い、行かないほうが……良かった?」

 おそるおそる聞いたのだけど、北斗は今度、はっきり顔をしかめた。

「そうは言ってないだろ」

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