だから信じないって

 幼馴染の玉木は、とにかく現実主義で自分が見聞きした事柄以外信じない。

 それは幼稚園に通っていた頃から高校二年になった今までずっと変わらず、昔はテレビ越しにしか見ていないのでタレントの存在すらも疑っていたほどだ。

 今でも妙な見た目の深海魚や特殊な生態を持つ爬虫類などがテレビ等でとりあげられると、でっちあげや造り物の可能性を熱く語り出す。


 そんな玉木が最近、毎日のように近くの神社へ通っているという。


「お前さ、見聞きしたことしか信じないなら、もちろん目に見えないものは信じないだろ?」


「あぁ、そうだ。長い付き合いでなにを今更」 


「じゃあどうして神社に通ってるんだよ?」


「どういう意味?」


「えーっと。神様も霊も、お前にとっては絶対に信じない対象なんじゃないの?」


「なんでだ? お前も言ったじゃないか。だから、俺は自分が見聞きした事以外信じないって」

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