手荒れ

指先にヒビが走り

覚えのない傷口からは血が滲んでいる。

皺が深く刻まれた手の甲に触れれば

カサカサと嫌な音が立つ。


夏の間はあんなに潤っていたのに

寒い季節になった途端、こうだ。


洗い物にお湯を使うからだと言われても

油汚れはお湯でなければ落ちにくい。

それに水は痛いくらいに冷たい。


自分の手を見て溜息をついていると

隣の彼女がにっこり微笑み手を出すよう促した。


甘い香りのクリームが手のひらにのせられる。

それは貴女と同じ、優しい匂い。

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