第37話 お茶会②
イリーナが不安そうな顔で私に耳打ちしてきた。
「ノーフォーク様がいらっしゃいました。どういたしますか?」
「え?」
どうしましょう。
「どうかなさいましたか?」
ミシェルが不安そうな顔をして聞いてきた。
「サイラスさまがいらっしゃったようなんです。」
「そうですか、では、少し挨拶してきてもいいですか?」
「ええ、もちろん。」
カラッと笑って許してくれた。
綺麗な花と草木の匂いのする庭園を後にして、私は客室へ入った。
「サイラスようこそ。今日はどうされたのですか?」
「いえ、君に会いたくなって、来客がいらっしゃるようですね。」
「ええ、ミシェル様が来ております。」
「そうなのですか。」
少し残念そうな顔をして、私を見つめてきた。
ドキッとするような綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
「では、今日のところは後にして、明日に来てもいいですか?」
「ええ、ぜひ。」
私は今日なぜ急に来たのかは聞かずに、あっさりサイラスとの話を後にした。
お茶会の場に戻ると、いち早くミシェルが質問してきた。
「サイラス様はどうしていらっしゃまたのですか?」
ニコニコしながら聞いてくるミシェルに、私は少し戸惑いながら、
「用事は聞きませんでしたが、また明日来られるそうです。」
「そうなんですね。いいですね。仲がいいみたいで。」
「なんかとげとげしいな」
とついてきた、ジャスミンが言い出した。
私は、友達だからそんなこと言って欲しかなかったので、
「ダメよ」
と言ってしまった。
「どうかされましたか?」
ミシェルが心配そうに私をみてきた。そして、何か気がついたように顔を青ざめた。
どうしたのかしら。私はその時は何も考えていなかった。
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