第34話 学校の1日目②

「ミシェルって呼んでほしいわ。」


優しい笑顔を見せた。




「私のことはマリアと呼んで。」



私の初日は、新しい友達と始まった。



授業は、ここでしか受けられない精霊の授業をとっていたので、何回か教室を移動した。ミシェルが案内してくれた。




もう夕方に近づき最後の授業が終わったので、教室に戻るところだ。


「あなた物知りね!本当にこの国の人みたいよ。」




ミシェルはキラキラした目で私に話しかけた。



「そうかしら。この国で初めて知ることも多いわ。」





「もしかして、あなたは、聖霊を見ることができるの?」


「うーん。どうだろう。私の国には精霊がいないからね。」




そう言って私ははぐらかした。



彼女は少し神妙な顔をしてすぐに笑顔に戻った。




その顔が私は気になったが、何も触れなかった。






クラスに戻り私は帰る準備をしていた。するとそこに、サイラスが現れた。サイラスは相変わらず暗い雰囲気を醸し出した様子で変装していた。





「帰ろうか?」


彼は優しく私に声をかけてきた。



「ええ、そうね。」



そう言って私とサイラスはクラスを後にした。




馬車に乗るとサイラスは私に今日の出来事を聞いてきた。

私は、ミシェルと友達になったことや、朝サイラスと登校したことにつっかかってきたということまで詳細に話した。




彼はとても心配してくれたが、私はあまり気にしていなかった。







家に帰るとお祖父様やお祖母様が心配して待っていた。




「今日の学校はどうだったかしら、」



お祖母様が玄関ですぐに聞いてきた。私の肩を触りながら眉を顰め尋ねてきた。




「とても楽しかったです。」




明るく笑って答えた。




「そう!よかった。今日は疲れているだろうからご飯を食べてお休みする?」




お祖母様は優しく私をポンポンと叩いた。




「サイラス、送ってくれてありがとう。」



玄関まで来てくれたサイラスにお礼を言って返した。



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