第15話 ウエスターナ

ホテルに到着した。今日はホテルに一泊してから、王都内の親戚の家に向かう予定だ。



「この男性どうしようかしら。」



私がそう悩んでいると、ラルクが


「この人悪い人じゃないから、そのまま助けてあげよう。」


「そうだね。このまま助けておこうよ。」



ジャスミンまでもラルクに賛成なので、侍女のイリーナと話し合うことにした。



「この人このまま治るまで一緒にいてあげようと思うんだけどいいかな?」


「私はマリア様のおっしゃる通りに致しますよ。」



そう言うと思っていたので、私たちの部屋にあった余分な部屋のベッドを使うことにした。その部屋は私の部屋よりは少し小さいがとても豪華で落ち着きのある淡い色を基調とした部屋だった。


私の部屋は、キラキラしたシャンデリアと天蓋付きベッドそして、白と金を基調とした部屋で、ベッドとテーブルが置いてあり、華やかな花が飾ってあった。隣の部屋がバスルームやドレッサーが分けられて設置されていた。



まだ昼過ぎだったが馬車に揺られていたためか疲れていたので、その日はその男性をベットに運び、水や起きた時に食べられるようにフルーツを用意しておいて、お昼ご飯を軽く食べて部屋で就寝した。



その日の夢は変わった夢だった。




誰かが私の名前を優しく呼んでいた。そして、その声の後に私にこう伝えてきた。



「ようこそ、私たちの故郷へ。これから起きることに1人で対処しようとせず、あなたとあなたのその力で国を守ってください。あなたには私たちが付いています。あなたのことを信じております。」




そう言われて目が覚めた。私の顔を覗き込むジャスミンがいた。



「おはよう。」



「おはよう!マリア!私素敵な夢で起きたのよ。故郷に帰ってきたからみんながお祝いしてくれているみたい!早く森に行きましょうね!」




そう明るい声で伝えるジャスミンは、とても楽しそうだ。




なんだったのだろう。あの夢は…。



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