第11話 旅立ち
1週間はあっという間に過ぎていった。雨も止み、夏も近づき庭園は緑でいっぱいだ。学園には卒業まで休む届出が出された。私は留学対象者になったことでっ授業免除がされたのだ。私は元から成績1位の優等生だったので手続きは淡々と行われた。
兄はほとんど午前中だけで仕事を終わらし家におり、付いていけないからとずっと一緒にいた。父も早く帰ってきてはみんなでご飯を共にした。
「ケーキを買ってきたよ。マリア」
と言いながら私に近づき髪を触ってきたり、ずっと見ていたり、私が照れくさいほどである。絵師を呼んで家で家族の絵を数人に描いてもらった。ついでに写真もとり私ようにも写真が用意された。家族と離れるのは寂しくなるが私の行きたかったウエスターナに行けると思うと心が躍る感じもした。
ジャスミンは相変わらずお喋りで兄が喋っていてもお構い無しに話しかけてくるがラルクに止められ部屋にいる時間もあった。ラルクは私の家族と過ごす時間を優先してくれたのだ。
「おはよーーー」
ジャスミンの大きな声で目が覚めた。ウキウキした様子のジャスミンは朝からとても元気だ。今日はウエスターナに向かう日である。
ウエスターナの中心部への道のりはとても長く途中で一泊することになる。もう、帝国の一番端のホテルが押さえてある。
朝食堂に向かうと家族が待っていた。一時的に食べられなくなる。最後の朝食だ。
私の好きなものが多く並びとても嬉しくなった。寂しくなるな…。
朝食はありきたりな話をした。そして食べ終わり出発することになった。
「一時的ですが、ウエスターナに行って参ります。とても寂しいですが、頑張ってきます。」
そういうと、みんなが私を抱きしめてくれた。使用人みんなも外に出てきていて、私を送り出そうとしてくれた。
みんなと抱きしめられた後、
「いってらっしゃい。」
「いってらっしゃい。」
「いってらっしゃい。」
と父母兄の3人に言われた。
「いってまいります。」
少し涙が出たが、私は馬車に乗った。侍女を連れてこれから2人でウエスターナまでの旅が始まる。ジャスミンやラルクもいる。なにも怖くないわ。
出発。
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