第9話 裏切りへの成敗③
終わったと思った束の間、また勢いよくドアが開いた。
今度入ってきたのは、なんとローズ嬢だった。
「ひどいですわ。どうして私を目の敵にするの。私とルークは愛し合っているのに………最低です…。私意外にも家族まで巻き込んで、ルークまでも……。本当に愛していなかったのですね。」
そう泣きながら言ってきた。
もう私も限界だった。愛していた婚約者を失い、今は勝手に悪者扱いされている。涙が溢れそうなのを我慢して、
「言いがかりはよしてください。今までされたと語っていたことも自作自演。そしてそのお腹の子供さえも誰の子かわからないようなあなたに、私の気持ちはわかりません。」
泣き崩れそうになると後ろからルークが現れ抱き止めた。私の心はぎゅーっと押しつぶされそうになったが、なんとか踏みとどまった。二人はみつめあって
「最低だな……。母上が今不当な処分を取り消そうとしてくださっている。それに残念ながら落ちるなら一緒だ。おまえのことはノールド新聞に先に悪事をばら撒いてある明日の朝刊だ。残念だが顔潰れだろうな。」
そう言い切ると、勝ち誇った顔で見下ろしてきた。すると、兄が
「ノールド新聞、この国の王様よりの新聞ですよね。残念ながら私の元にも朝嘘の記事が届きましたが、嘘は掲載できないと消しておきましたよ。残念ですが明日の新聞にはその記事は載りません。私にも伝手がありますからね。」
「そのような汚い手を使うなんて、二人揃って貴族としての地位は失うでしょう。それに明日の新聞には真実が載ります。馬鹿の第3王子が婚約者がいるのにも関わらず妊娠させ、不貞を働いたことを宣言、そしてその女の子とされる父親は複数人いる。ということが記事にされます。ローズ嬢調べはついております。今日から今までの男性が家にお越しになるでしょう。マリアを木津つけた罪は重いですからね。」
とにっこり笑って言い返した。
「くそ……。覚えていろ。必ず後悔させてやる。」
言い合いの中私は父母に手を取られながら王宮を後にした。
今度こそやっと終わったのだ。
第1章終わり。
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