24話 JET

「足から火の魔法を?」

アスナが驚く

ミサキが言う

「そうだ、まず、風の魔法で体を少し浮かす、その後、足から炎を連続で

出す魔法を使う」

ユーリが続けて言う「この方法なら羽根は動かす必要は無い、そして、空に浮いた後は

風の魔法を使って空気抵抗を調整しつつ、足からの炎の推進力で空を飛ぶ」

アスナは目を回している

「難しいです」

ミサキが言う

「お前の魔力量と魔法適性を調べて計算してみた、うまくいけば2時間は飛べるようになる」

「2時間?短いような」

「だが、理論的には後は足の炎魔法の威力を強くすればスピードが上がり長い距離を飛べる」

ユーリも言う

「多くの竜の飛行時間は2時間ぐらいなんだ、その後、休息を取ってさらに飛ぶ、それに、これが出来れば、アスナ、君は再び空を飛ぶ事が出来る」

アスナは覚悟を決める

「わかりました、ユーリ様、ミサキ先生」

「いきなり足から炎を出すのは無理だろう、まずは手で練習しよう」

「ハイ」

「これがスペルだ、『火の精霊よ我に永遠なる燃えさかる火の力をあたえよ、代償は問わず、また顧みも試みない、ガーズ、ウル、エルキドゥ、サマラ、アストラ、ラムダ』」

アスナが目を回す

「長すぎます」

ユーリも助け舟を出します

「確かに長すぎる、略語とかそういうのを使ってもっと短く出来ないか?」

ミサキ

「うーむ、略語を使う事は出来るが」

ユーリは閃いた

「じゃあ、アスナ、座って」

「こうですか?」

ユーリはアスナの頭に手を置きますそして詠唱します『火の精霊よ我に手に永遠なる燃えさかる火の力をあたえよ、代償は問わず、また顧みも試みない、ガーズ、ウル、エルキドゥ、サマラ、アストラ、ラムダ』

「しかし、これをジェットと名付ける」

アスナは驚きます、自分の頭の中に直接魔法が入ってくるような感じを受けます

「ほう、アスナをマジックアイテムに見立てて魔法を直接覚えさせたのか」

「はい、出来るかどうか分からなかったのですが」

「で、そのジェットというのは何だ?」

「え、なんだろう?」

「レミリアが言っていたが、ユーリが他の世界からの転生者というのは本当かもしれないな、そのジェットという言葉は聞いた事も無い」

「僕もです、頭にふっと浮かんだのです、さあ、アスナ、手をこうやって広げてジェットと言ってみてごらん」

「ジェット」

次の瞬間、アスナの手から炎が出ます、そして炎の勢いは強くなっていきます

「アスナ、止めろ」

「はあ、はあ、体が後ろにふきとばされそうになりました」

「ほう、これは凄い」

これにはミサキも驚きます

「これでは魔法使いはいらないな」

「でも、多分、ある程度、深い関係が無いとこの方法は使えないと思います」

「そうだろうな」

「じゃあ、アスナ、今度はその魔法を足で出るように書き換える、座って」

ユーリは魔法の一部分を書き換えました

『火の精霊よ我に足に永遠なる燃えさかる火の力をあたえよ、代償は問わず、また顧みも試みない、ガーズ、ウル、エルキドゥ、サマラ、アストラ、ラムダ』

「しかし、これをジェットと名付ける」


ユーリが言います「じゃあ、まず風魔法で体を浮かせてジェットの魔法を使ってみよう」

ミサキが言います「まて、人間態だと危険が大きい、ワイバーンに変身してから使った方が良い」

アスナも言います「私もミサキ先生の意見が良いかと」

「わかった、まず、ワイバーンに変身してくれ」

「はい」

アスナはワイバーンに変身していきます

「これで風魔法を使って、ジェットの魔法を使ってみます」

アスナは緊張しながらも、まず風魔法で自分の体を浮かせます

そして唱えます「JET!!」

アスナの足から炎が出ます、そして、空中に向かって飛んでいきます

「凄い、私、飛んでいる、飛べないと思っていたのに飛んでいる!!」

「アスナ、ジェットの魔力を弱めていくんだ、そしたら地上に戻れる」

「はい!!」

アスナはジェットの魔力を弱めていきます、ゆっくりとアスナは地上に降りてきました

アスナは人間態に戻って泣きながらユーリに抱きつきます「飛べた、飛べないと思っていたのに飛べた!!」

ユーリも大喜びでアスナを抱きしめます「必ず飛べると思っていた!」


そんな中、ミサキが言います

「アスナ、服はどうした?」

見るとアスナは服を着ていません

ユーリは驚き「ごめん」と言いい、振り向きます

アスナは顔を赤らめて言います「ユーリ様なら見られても」

ミサキが自分のローブをアスナに渡します

「何をやっている、私のローブを貸してやる」

「ありがとうございます」

「竜やワイバーンはそもそも変身する時には人間態の服をマジックアイテムとか、魔法で別世界に隠したりしているのだろう」

アスナが言う

「すっかり忘れていました」

ユーリ

「とりあえず、この方法が使える事は解った、後は改良だ」

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