16話 アスナ

痛みは引いたようですが少女の衰弱は酷かった

「パン粥をもってきたが、食べられるかのう」

「衰弱が酷いみたいです、君、食べられる」

少女はなんとかして食べようとする

そして、一口、二口と食べ始めた

「よかった、食事はできるようだ」

「ありがとう」

「君、名前は?」

「アスナ」

「僕はユーリ、ユーリ・シュナイダーだ、ユーリで良いよ」

「うん、ユーリ、眠っても良い」

少女はパン粥をすこし食べたあと眠りにつきます

「食べられるということは良いこと、多分大丈夫だろう」とギムリが言います

ユーリは思います

「はやく、ガーランド公や父上が来てくれば」


次の日の朝、ガーランドとクラウゼが早々とやってきました

「ミネバが早くユーリの顔を見たいと言ってだな、予定より早く来たが」

ガーランドが少女に気が付きます

「ワイバーンじゃな、それも怪我をしている」

「ガーランド公、魔法をかけてもらえませんか?」

ガーランドは少女に魔法をかける

「これで、体力はある程度、戻ったと思う、ただ、治癒魔法は専門で無いからな

早く屋敷に戻って専門の僧侶や治癒師に見てもらうのが良いだろう」

「ギムリさんありがとうございます」

「ああ、気をつけて、特にその子は」

「はい」

ガーランドは3人を乗せて空に上がります、そしてワイバーンについて説明し始めました

「ワイバーンは飛龍とも言われて体も小さい、寿命も400年ほどだ」

「それでも人間より長いですよ、竜とワイバーンってそんなに差があるのですか?」

「差は大きい、魔法力も戦闘力も竜に比べたら圧倒的に小さい」

「そうですか」

「ただ、飛行速度に関しては竜より優れている、竜騎士の中にはワイバーンをパートナーにしている物も多い」

「空を飛んでいる」

アスナが気付きます

「違う、私が飛んでいるんじゃないんだ」

アスナは再び眠りにつきます

ユーリは気が付きます

『この子も空を飛ぶことが好きなんだ』

ユーリはアスナをもう一度、空を飛べるようにすると思った

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