第9話 グレニード
初めのうちは上手く出来なくても続ける事でユーリは槍を作るようになってきた
半年ぐらいしてドギーがユーリの作った槍を見る
「ふむ、半年でここまでならたいしたものだな」
「でも、何か足りないんです」
「ほう、そりゃ足りない物だらけだぞ?強度もバランスもまだまだ」
「いえ、もっと何か不思議な力が欲しいのです」
「おいおい、坊主、お前さんはマジックアイテムでも作るつもりか?」
「マジックアイテム?」
「特殊な魔法を込めた武器とか防具、宝飾品にもあるな」
ユーリを思わず聞き入りこむ
「どんなアイテムがあるのですか?」
「例えば特定の種族に強い剣、ドラゴンスレイヤーとかゾンビスレイヤーなど、
また、槍でも相手を完全に致死性の攻撃を行うソウルクラッシュなど、さまざまなものがある」
ユーリは目を輝かせてている
「他にもどんなのがありますか?」
「指輪型とか、ああ、ちょっとめんどうだな」
そういってドギーは分厚い本を持ってきた
「マジックアイテムに付いての本だ、これを読むと良い」
「ありがとうございます」
ユーリはその本を食い入るように読み耽る
「すごい、武器に魔力が加わるとこんな能力が発揮されるんだ」
その本には様々なマジックアイテムが記載されていた
本を読みながらユーリは寝入ってしまった
そんな中、ユーリは夢を見る
前世の記憶を見始めます、相手を追いかける槍、焼き尽くされる街、ユーリはそういう夢を見るたびに奇妙な感覚に襲われる、槍を作らなければ
そして、数カ月後
「師匠、出来ました、見てください」
「ほう、よい槍だ、バランスも良い」
「それだけじゃありません、見てください」
そういってユーリは強引に師匠のドギーを外に連れだす
「親方、見てください」
「ほう、大きさはユーリに合わせて小さいが、ちょっと変な印象を受けるな?」
「あの的に向かってなげません」
「なにぃ?」
事実、ユーリは的に向かって槍を投げなかった、親方があっけに取られていると、逆方向に槍を投げる、しかし、槍は奇妙な事に方向を変え、加速して的に命中する
親方もその奇妙な印象と、槍が逆方向に飛びながらも的に命中した光景に驚く
「これは一体?」と呟く親方
「なんだなんだ、この槍は?」
「この槍は風の魔法を仕込んでいるのです、それで、勝手に向きを変え、敵を狙うのです、」
「11歳のガキがこんな物を作るなんて、お前は龍を操るだけでなく、武器作りの天才かもしれん、俺の弟子になれ!!」
「えっ、実質弟子ですよ!!」
「うーん、正式な弟子になって欲しい」
「えっ?、僕は竜騎士でいたいんです」
「うーん、お前が弟子になればなあ」
親方は言う
「せっかくの槍だ、こんな槍は世界でも珍しい、名前を付けてやろう」
「名前?」
「そうだな、グレニートというのはどうだろう?」
「グレニート?」
「この地方で伝わる伝説でな、御影石という意味や悪を倒す聖なる槍とかそういう伝説がある」
「グレニート、いいです、そうしましょう!!」
こうしてグレニートという槍が誕生した
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