第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

遠くへと逝ってしまった貴方へ

     先立って逝った貴方を想う私を何故かそのまま

   

   色もなく音も消えゆくこの世界 物語の名 付けもせずただ


  春を過ぎ 夏秋冬なつあきふゆをやはりそのまま貴方はここに私を置いて


     墓参り さぼりし私 お恨みになられるのなら 迎えに来てと


     止められぬ涙を今も星に溜め 永遠とわなる愛を誓いし貴方


     「こうなると分かっていたら」と悔いても後に戻れぬいたずらの会い


       貴方には触れること無きそう見えば尚傷む心よ


      寂しいも 戻って来いも 言ったとて貴方は待たぬ 待つのは私


       身に覚え無いとは言えぬ貴方への非道の数を数えてみれば 


        収まらぬ己の口で蔑んだ どうか私を許したもうと  


       空に舞う 星々見てはいつまでも 引きずるなかれと友は諭せど


      もう二度と会えぬのならば生きる意味探せど無いと また友に言う


     そしてまた頬をぶつこの友は正しい 頭では知り 心では死に


      繰り返す脳なき己 憎めども されど愛しい貴方なのです


     いつの日かまた新しき季節ときが来て貴方のことを想い出として


       話せる日が来るのかどうかそれすらも今は白日晒す心に


     もう良いと投げやりになる恋心 もはや 手立ては無いのでしょうか


     もう一度 それで良いから 夢の中 それで良いから 手を繋いでよ


      温もりがその温もりが冷めぬよう 目覚まし時計 止めてしまおう


      それなのに 必ず朝はやって来て この世界へと 引きずり落とす

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