第4話「事故」

結衣と工藤は高校に入学し、充実した高校生活を楽しんでいます。工藤は強豪校の部活に入部し、一年生ながらスタメンに入るほどの実力を発揮しています。一方、結衣は工藤を応援するために部活のマネージャーとして活動しています。


 結衣は部活の練習や試合に欠かさず参加し、工藤と部員たちのサポートに尽力しています。彼女は部員たちのタオルや飲み物の準備をしたり、練習の様子を見守ったりすることで、彼らのサポートを行っています。


 工藤は結衣の献身的な姿に感謝し、彼女の存在が自身の活動に大きな力を与えていることに気づいています。彼は結衣に対して感謝の気持ちを示し、彼女の応援が自身の成長につながっていることを伝えます。


 結衣は工藤の言葉に励まされ、ますます一生懸命にマネージャーの役割を果たしていきます。彼女は部活動を通じて多くの仲間と触れ合い、絆を深めていくことで自身も成長していくのです。


 また、結衣は試合や大会の応援にも力を入れています。工藤のプレーに合わせて熱い声援を送り、チーム全体を盛り上げる役割を果たしています。結衣の存在は部活動に活気と結束力をもたらし、チームメンバーたちも彼女の応援に励まされています。


 結衣と工藤は、それぞれの役割を全力で果たしながら、高校生活を楽しみながら成長していくのです。彼らの絆は部活動を通じて深まり、一緒に過ごす時間はさらに特別なものとなっていきます。


 部活が終わり、工藤と結衣は一緒に帰る途中の風景が広がっています。夕日が西の空に沈み、街は少しずつ明かりを灯し始めています。


 結衣:(疲れた様子で笑顔を見せながら)「今日も一日お疲れ様、正志。」


 工藤:(にっこりと笑って)「お疲れさま、結衣。本当に助かったよ、結衣のサポート。」


 結衣:「いつも言われてるけど、私は本当に応援するのが楽しいんだから。正志たちが一生懸命頑張っている姿を見ると、私も力が湧いてくるんだよ。」


 工藤:「そう言ってもらえると嬉しいな」


 結衣:「工藤の成長を見るのも、私にとっては喜びなんだ。だからこれからも応援していくからね。」


 工藤:「ありがとう、結衣。応援があってこそ、俺は頑張れる」


 結衣:(少し照れながら)「それに、工藤。私、君にもっと近くで応援したいって思ってるんだ。」


 結衣の両親は最近仕事が落ち着き、結衣との時間を大切にすることができるようになっています。彼らは正志をとてもよく気に入り、結衣との関係を応援しています。結衣も両親との時間を大切にしながら、正志との絆を深めていくことに喜びを感じています。


 結衣:「お母さん、お父さん、実は今度の公式試合で正志(工藤)が出場することになったんだ!すごく嬉しいよ!」


 結衣の母:「本当に?それは素晴らしいわね!正志くんは本当に頑張ってるから、きっと素晴らしいプレーを見せてくれるわ。」


 結衣の父:「そうだね、正志くんは頼もしい存在だ。彼の努力と才能は本当にすばらしい。私たちも応援し続けるよ。」


 結衣:「正志が頑張る姿を見るのがとても楽しみだよ。彼は本当に熱い心を持っているし、チームを引っ張っていってくれるんだろうな。」


 結衣の母:「きっとね。正志くんの頑張りに触発されて、結衣も自信を持って応援し続けてね。」


 結衣:「うん、きっと素晴らしい試合になるよ!」


 結衣の両親は結衣と同様に工藤(正志)を応援し、彼の才能と努力を高く評価しています。彼らは結衣の情熱を理解し、彼女が正志とともに輝く瞬間を共有することを楽しみにしています。


 放課後の部室で結衣が相手チームの偵察のまとめをしている。携帯電話が鳴り、部員からの電話だとわかる。


 結衣(心配そうな表情で電話に出る):「もしもし、どうしたの?」


 部員:「結衣、急なことなんだけど、正志が…事故に遭ったみたいなんだ。緊急搬送されて意識がないって連絡が来たんだよ。」


 結衣(驚愕して声を詰まらせる):「えっ!?正志が…どうしてそんなことが…。すぐにどの病院か教えて!」


 部員:「病院は○○病院。」


(結衣は手が震えながら慌ててノートを閉じ、携帯を握りしめる)


 結衣(心の中で思い悩みながら):「正志、大丈夫だよね…必ず行くから…」


 結衣は顔色を青くし、急いで部室を出て病院に向かう。彼女の心は不安と焦りでいっぱいである。


 結衣: 「正志が無事であることを願って…早く病院に着かなければ。」


 結衣は駆け足で学校を出て、タクシーを呼び止める。「病院までお願いします!」と言いながら、息を切らしながら病院の名前を告げる。タクシーに乗り込み、車内は静まり返り、結衣は窓の外を見つめながら不安な気持ちを抱えている。


 結衣: 「どうか、正志が無事で…」


 タクシーは病院の前に到着し、結衣は早足で車を降りる。「ありがとう、お会計は後でお願いします」と言い残して、病院の入り口に立つ。心の中で勇気を振り絞りながら、「大丈夫かな…」とつぶやきながら、結衣は中に入っていく。


 結衣は病院の受付で受けた情報により、正志が手術中であることを知る。不安と心配が募る中、結衣は待合室で医者の診断を待つ。


 結衣: 「医者さん、正志は大丈夫なのですか?」


 医者: 「結衣さん、正志の状態はまだ手術中です。事故の影響が強く、一部の内部器官に損傷が見られますが、最善の治療を行っています。手術が終わり、安定した状態になるまで時間がかかるかもしれませんが、私たちは全力で治療に取り組んでいます。」


 結衣の心は落ち着かないまま、医者の言葉を聞いて少し安心する。


 結衣: 「どうか、お願いです、お願いですから…」


 医者: 「心配ですね。でも、正志は若くて健康な体を持っています。私たちも最善の治療を行いますので、少しでも安心してください。」


 結衣は深いため息をつきながら、医者の言葉に頷く。彼女は正志の回復を信じるしかないと感じながら、待つしかない時間を過ごすことになるのだった。


 結衣は医者からの情報を受け、正志の手術が終了したことと、彼の命に別状はないことを知る。しかし、医者は結衣に正志の足の負傷について伝える。


 医者: 「結衣さん、手術は成功しました。正志の命には別条はありませんが、足の負傷が懸念されます。事故の影響で骨に深刻な損傷があり、後遺症が残る可能性が高いです。」


 結衣は驚きと悲しみが入り混じった表情を浮かべる。


 結衣: 「後遺症ですか…正志が普通に歩けるようになるのは難しいってことですか?」


 医者: 「現時点では確定的なことは言えませんが、リハビリや治療によって回復の見込みはあります。ただし、完全な復活には時間がかかるかもしれませんし、完全な回復ができない可能性もあります。」


 結衣は胸が痛み、涙が目に溢れる。


 結衣: 「でも、最低限でも正志が歩けるようになってほしいんです。どんなに時間がかかっても、私は彼を支えます。」


 医者は結衣の強い決意を感じ取り、優しく微笑む。


 医者: 「結衣さんの支えがあれば、正志もきっと力を取り戻すでしょう。治療とリハビリに全力で取り組みます。」


 結衣は医者の言葉に救われるような感じを抱きながら、正志の回復を願い続ける決意を新たにするのだった。


 結衣は心配そうな表情で入院している正志のベッドに近づきます。彼の顔色や様子を確認しながら、ゆっくりと手を伸ばして彼の手を握ります。正志は目線をしたに向けたまま言う。


 正志:「結衣、俺はもう一人じゃあ歩けなくなるかもって医者に言われたよ、俺もう死のうかな…ごめんな、こんな足に生まれてしまって。結衣と一緒に歩くこともできないなんて……」


 結衣は正志の手を強く握りながら、彼の言葉を否定する。


 結衣:「正志!何を言ってるの!?あなたが生きていてくれればそれでいいんだよ。それに……私と一緒に歩きたいなら、私があなたの足を治す方法を探すよ。絶対に諦めないよ。」彼女の強い意志を聞き、正志は少しだけ心が安らぐ。


 結衣:「だから……死ぬとか言わないでよ……そんな悲しいこと……」

 結衣の目からは大粒の涙が流れ出し、正志は戸惑いながら彼女に声をかける。


 結衣:「正志……本当に死んじゃダメだよ……お願い……お願い……私のそばから離れちゃヤダ……ずっと一緒にいてよ……」

 結衣は泣きながら正志に訴えかけ、正志も涙目になりかける。


 結衣:「正志、泣かないで。正志が苦しんでいる時にそばに居られなくて……ごめんなさい。これからは、正志が安心して生活できるように頑張るから。」結衣は正志を強く握り締め、二人はリハビリに専念することを誓い合う。


 結衣:「正志毎日私が迎えに行くし手伝うよ。正志が退院したら、二人でいろんなところに行きたいな。」

 結衣と正志はお互いに励まし合う。


 結衣と正志は入院中、一緒にリハビリを専念する日々を送っていました。彼らは一緒に歩くための力を取り戻すため、理学療法士の指導のもと、懸命に努力していました。


 ある日のリハビリ室。結衣と正志は並んでトレーニングマットに座り、軽い運動を始めます。結衣は正志の手をしっかりと握りしめ、励ましの言葉をかけます。


 結衣: 「頑張ろう、正志!少しずつ進歩しているよ。私たちの目標に向かって一緒に頑張りましょう。」


 正志は力強く頷きます。


 正志: 「ありがとう、結衣」


 彼らは互いに励まし合いながら、リハビリのプログラムに従って様々な運動やトレーニングを行います。結衣は正志のサポート役として、彼が安定して歩くことができるように支えます。


 結衣は入院中の正志を訪れ、彼の元気を取り戻すために散歩に誘います。正志は車椅子に座り、結衣が優しく彼の背中を押して歩道に出ます。


 太陽が降り注ぐ穏やかな日の下、二人は静かに歩き始めます。結衣は正志に笑顔で話しかけながら、周りの景色や風の気持ち良さを伝えます。


 結衣: 「気持ちいい風が吹いてるね、正志。少しずつ外に出れるようになったんだから、心地良さを感じてみて。」


 正志は少しずつ表情が明るくなり、結衣の言葉に頷きます。


 正志: 「本当だ。久しぶりに外の空気を感じることができる。結衣と一緒だから、元気が湧いてくるよ。」


 結衣は彼の言葉に嬉しさを感じながら、穏やかな笑顔を浮かべます。彼女は正志の手を優しく握りしめ、彼を支え続けます。


 二人はゆっくりと歩道を進みながら、周りの風景を楽しんでいます。結衣は時折、正志に寄り添いながら彼の気持ちを聞きます。


 結衣: 「正志、どんなことを思ってるの?この景色を見ながら、何か特別なことを感じる?」


 正志はしばらく考えた後、穏やかな声で答えます。


 正志: 「結衣と一緒にいると、どんな状況でも希望を感じるよ。この景色も、未来への一歩になってるんだ。」


 結衣は正志の言葉に心を打たれ、感動の涙を流します。彼女は彼の頬にキスをし、強く彼の手を握ります。


 結衣: 「正志、私も同じ気持ちだよ。一緒に未来を歩いていけることを、本当に幸せに思ってる。」


 正志は微笑みながら頷きます。二人は散歩を続けながら、希望と絆を胸に抱き、明るい未来への一歩を踏み出していくのでした。


 正志がリハビリを専念し、結衣は彼の努力と成長を支えるため、毎日彼のリハビリや介護を献身的に行っています。二年後、結衣の献身と正志の努力が実を結び、正志は松葉杖を手にして一人で歩けるようになりました。結衣は彼の成長に目を見張り、感極まり涙が止まりません。


 結衣: 「正志、本当にすごいよ!こんなに頑張って成長したんだね。私、感動して泣いちゃうよ。」


 正志は微笑みながら頷きます。彼も結衣の支えと励ましに感謝の気持ちでいっぱいです。


 正志: 「結衣、君の応援があったからこそ、ここまで頑張れたんだよ。いつもありがとう。」


 結衣は彼の言葉に心が満たされ、彼を抱きしめます。二人の絆は時間とともに深まり、互いに支え合う力となっていました。


 結衣は毎日のリハビリや介護に専念しながらも、正志の健康と幸福を願っています。彼女は正志の食事や体操のサポートをして、彼の成長を見守ります。


 結衣: 「正志、もう少しで完全に一人で歩けるようになるね。私もいつまでも支えていくから、一緒に頑張ろうね。」


 正志は結衣の言葉に力を得て、目標に向かって前進します。彼らは共に困難に立ち向かいながら、希望と愛を胸に歩んでいくのでした。そして二人は同じ短大に入学し大学生活から同棲生活を始めました。


 そして二人は同じ短大に入学し、大学生活から同棲生活を始めました。新たなステージに進んだ結衣と正志は、互いの学業や将来の夢を支え合いながら、幸せな日々を過ごしていきます。


 彼らは共同生活を始めるにあたり、家事や買い物、勉強の合間に一緒に過ごす時間を大切にしました。結衣は料理が得意なため、美味しい食事を作りながら正志を支えました。


 正志は学業に打ち込みながらも、結衣のサポートも惜しみませんでした。彼は結衣が困ったときにはいつも優しく寄り添い、一緒に解決策を見つけていきました。


 同棲生活を通じて、二人はお互いの強みや助け合いの大切さを深く理解し、より一層絆を深めていきます。結衣と正志はお互いの夢を応援し、共に成長し続けることを誓いました。


 時には困難や衝突もありましたが、結衣と正志はそれを乗り越えるために努力しました。お互いの意見を尊重し、コミュニケーションを大切にすることで、二人の絆はますます深まっていきました。


 そして正志は希望していた企業から内定をもらい、結衣と共に就職祝いをすることになりました。彼は長い間の努力と頑張りが実を結んだことに喜びを感じ、新たな一歩を踏み出す準備を始めました。

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私は報わない私 @Nekomata1018

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