夏目

 

 人を殺した。雲一つない、青空の下で。

 

 はあ、これが死人の目か。殺してから思ったのはそれであった。見開かれたままの目は青空を映している。もっと、闇いものだと思ったのに。

 それから、空を見上げた。青々としていて、まるで私が殺人という罪を犯したことなど知らぬように。そんな空の様子に私は、言い得ぬ寂しさを感じた。

 

 足l元の死人だけが私の罪を知っていた。

 

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妙字 @kouyakiden

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