第3話 インド人の教え

「金剛経」曰、「若以色見我 以音聲求我 是人行邪道 不能見如来」


姿形によって我を求め、音や声によって我を知らんと欲すれば、汝、誤まてり。

如来を見ることあたわざりき。


今、あなたが目の前で見たこと聞いたこととは、すべて夢幻(ゆめまぼろし)であり、真理ではない。


「清水書院 人と思想⑮ カント 小牧治著」

P.140 先天的(ア・プリオリ)

「自然の対象の姿と我々表象との一致、それが真理だと考えられている。」


しかし、大哲学者カントはこう考えた。「我々の外に、我々から独立して自然の対象があるのではない。我々がそういう対象を作り上げていくのだ。」と。


つまり、私たちが目にするもの・聞くものとは全て私たち自身のア・プリオリ(経験にもとづかない、それに論理的に先立つ認識や概念の性格。カントおよび新カント学派の用法。)によって作られた私たち自身の幻想・妄想にすぎないのだ、と。


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  という意味からすれば、これからご紹介する話はどれも「真理」ではなく「フィクション」と言えるでしょう。



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