14話

 サルベージギルド名が決まった後、セーナは立ち上がる。


「どこいくんだ? 今日は祭りだから仕事は振られてないだろ?」


「資金を取りに行くのよ。目標金額は私のポケットマネーで足りるからね」


「いいのか?」


「お詫びもかねてるし、私たちは仲間なんでしょ?」


「おう! ありがとう」


「ありがとう」


「ええ。じゃあ、準備してくるわね」


 セーナは甲板から出て、自室へと向かう。


「本当にこれからが楽しみね」


 どんな遺跡を攻略しようか? どんな船を買おうか?

 ヒバナとアレスの武器は何にしようか?


 などと、未来に期待を膨らませながら、自室のドアを開く。


「よぉ?」


 開けた先には、セーナの主人がいた。


「何の用?」


 さっきまで嬉しかった感情はどこに行ったのか、セーナは主人に向かって嫌悪感をむき出しにする。


「丁度いいわ。貴方に奴隷を辞めることを伝えに来たの」


「お前が奴隷にしてほしいって言ったくせに、つれねぇな」


「もう貴方は用済みなの」


「だが、俺の用事は終わってねぇ、主人殺しのお仲間さんよ」


 その言葉で、セーナの目が見開いた。


「それをどこで」


「さぁ? どこでしょう」


 セーナが武器を構えようとすると、一つの音が鳴り響いた。

 銃の音だ。

銃の弾がセーナの腹を貫通させたのだ。


「ずっと待ってたぜ」


 倒れるセーナの傷口を主人が踏みにじる。


「ぐっ」


「お前が一番、幸せになる瞬間を、兄貴の仇が打てる瞬間をよ。全部ぶち壊してやる」

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