第166話 ウイニング作戦開始! まずは農業から!!


「では、今日より! ウイニング作戦! 頑張っていきましょう!!」


「「「「「おおおおお!!!」」」」」」


 さて、MITでの話し合いから、数日後。


 ワシントン州ジョンドウ村の、農場にて。


 ウイニング・ショーの配信システムと、歌に音楽を使った社会実験。


 通称・『ウイニング作戦』が、開始しされた!


 うむ! 実験の、栄えある第一目標に選ばれたのは、農業である。


 そのために、村で用意してくれた畑にみんなで集まると、機材を設置し!


「~~~♪♪♪ ~~~♡♡♡ ~~~☆☆☆」


 あらかじめ種をまいた畑に、ウイニング・ショーの音楽を流した。


 すると!


 ――ゾゾゾ!!!


「「「「「!!! おおお!!!」」」」」


 圧倒的速度で、農作物成長!!


 うおおお!!!


 っこ、これは早い!! 


 芽が出て、膨らんで、根を張って、伸びて! 約、1時間で! 


 麦! 野菜! 果物が! 畑一面に、出来上がったのだ!! 


 しかも!


「!! う、うまい!! このトマト! うっめぇぇえ!!!」


「こっちのトウモロコシもうまいぞぉぉお!!! フーーー!!!」


「最高だァァあ!! これは売れるぜ! イエーーー!!!」


 食べれば、旨い!!


 これはすごい!!!


 農業への、革命であるな!! うん!!


 しかし、これで終わりではない!


「では、これよりもっと効率よく生産できるよう! 実験を始めよう!」


「はい! 農家の皆さん! お願いいたします!!」


『『『『『「「「「「はーい!!」」」」」』』』』』


 そう! これに人間の手を入れれば、もっと良くなるかもしれない!


 それを突き詰め、改良するため! 村の農家の方にも手伝ってもらって、試行錯誤をしていったのサ。


 ちなみに、俺は彼らの作業を見て、送られてくるデータを見るだけだった。


 うん。一番働いてたのは、農家さんだった思う。


 次いで、いろいろと機会を動かしてデータとってた、グラハム研究室長に、ルデオ君と傀君だな。


 お疲れ~。


 っで、そうした結果!!


「だめだ!! 全部失敗だ!! あああ!!!」


 グラハム研究室長の言う通り!


 全部、失敗に終わったのであった!!!


 ああ、そうだ。


 ウイニング・ショーの音楽を聞かせながら、農薬や、機械など! 人間が手を入れると、なぜか失敗!


 農作物が腐ったり、できるのが数時間以上! 遅くなってしまうのだ。


 これに困ったのは、研究チーム(俺以外)だ。


 俺が手伝ってくれた農家さんに、手伝い料を渡して帰ってもらった後。


 彼らは、村にあるコテージに、データを広げ。深夜まで議論を交わしていた。


 ああ、俺が寝てる時も、ずっとしてたね。


 凄い熱量だ。学者って、すごい。(尊敬)


 え、なんで俺が寝てるのかって?


 いや、だって俺、『技術者として呼ばれたわけではなく、スポンサーとして参加してる』からねぇ。


 うん。金を出す、スポンサーなんだよ。


 幸太郎にも電話したが、三国ファンタジアは、金を動かすのに時間がかかるから、まず俺個人の方で出してくれと頼まれてね。


 なので、機材の手配や、飯代、足代、協力者への報酬。


 そこら全部、俺が払っているのである。


 金を出すのが、俺の仕事って訳だ。うん。


 後、単純に内容が高度過ぎて、分からんのですよ。正直。


 いやさ、ゲーム開発やそれに連なる技術とかわかるけど、『ゲームをリアルに持って来る方法』ってのは、分からんわけよ。


 分野が違うからね。ええ。


 故に、皆に夜食や飲み物の差し入れをして、邪魔しないように即寝しました。


 門外漢は、現場を荒らさず! 金は出して、口は出さない!


 それが、現場に望まれるスポンサーってやつですよ。ええ!


 でも。


「坂本さん。何かアイデアはないですか?」


 そう、コテージでの朝飯で。


 困った様子のルデオ君に聞かれたら、俺も困るよ。


 うーむ。


「アイデアと言われてもなァ。VR技術は分かるが、化学・農業は専門外で、よくわからんよ」


「いえ、なんでもええんですよ。坂本はん。皆、煮詰まってしもうてて。こういう時は、他の視点からの意見がほしいんどす」


 え、そうなんですか?


「そうですね。私も、かなり参っている。違う意見もききたいですね」


 そうかー。傀や、グラハム研究室長にも言われたら、しゃーない。


 素人で恐縮ですが、と前置きし。


「なら、ゲーム開発者として言おう。農作物が、ウイニング・ショーのシステム。音、歌に反応しているならば、それと同じ属性の刺激。あるいは、攻撃と言い換えてもいい。そういうものが、プラスに働くと思う」


「属性。攻撃……」


「ふむ。ゲームか」


「つまり、振動ってことどすか?」


 いや、そうとも言えないな。傀。


 ゲームとして考えれば、音の攻撃は物理寄りの魔法攻撃だ。


 ほら、超音波で混乱させたり、振動で鉄を切ったりするヴォイス・ビームもあれば。


 職業・アイドルでは、歌による爆破、電撃、ビーム。メロメロになる魔法効果もある。


 それを考えたら……。


「! 歌による属性攻撃! いや、歌で効果を発揮する魔法とかが、効くかも!?」


「その可能性はありますな!」


「そうだな。そっち方面で、考えてみるの良さそうだ」


 え、否定しないの? 皆さん?


 自分で言っててあれだけど、ゲームの話だぞ。


「何を言ってますんや。坂本はん。僕らは、そのゲームを現実に持って来てるんですえ?」


「そうですよ! なら、ゲームの魔法の方が効果がある! その可能性は高いです!!」


「うんうん」


 なるほど。確かにそうか。


 なら。


「ちょっと、ゲーム魔法、リアルに再現するか」


「「え!?」」


「で、できるんですか?!」


 できると思うよ。バリア・システムを使えば。


「「「バリア・システム!!」」」


 うん。あれを用いて、ファンタジア・エルドーンの魔法を再現しよう。


 成功するかはわからんし、効果があるかもわからんが。


 まァ、やってみればわかるさ!


「「「いいですね! 是非、お願いいたします!!」」」


 よし、じゃあやろう!!


 そういうことになった。


 んで!


「よし出来た! これが、バリア・システム・魔法だ! 意外と簡単だったな」


「「「うおおお!!!」」」


 俺はバリア・システムを用いて、現実世界でも、魔法を使えるようにしたのである!!


 まァ、そもそもバリア・システム自体。ファンタジア・エルドーンの『守護霊の魔法』を元に、作ったからな。


 うん。今はもう、ほとんどエクター使いへの過程としてしか使われてない魔法だが、その設計システムや、データを、リアルでするにはどうすればいいか。


 俺の育てたAIに考えさせて、バリア・システムの理論へと、昇華させたからね!


 なので、エネルギーの問題さえクリアすれば、バリア・システムからゲームの魔法を放つのは、わけないぜ! 


 同じ魔法だからな! ヒューーー!!!


「では、やってみよう! 音楽頼むぞ!」


「はい! どうぞ!!」


 さァ、あとはここからだ! バリアから放つ魔法!


 これで、農作物がもっと短い時間で育ち! 多く実れば、言うことなし!


 それ、いけ!!


「火炎魔法・灼熱フレイム! 爆破魔法・エクスプロージョン! 氷魔法・アイスエイジ! 雷魔法・トール・ハンマー!! どらァァあ!!!」


 ――ドガガガガガガガガガ!!! ドッゴォォォ!!!


 魔法は放った!


 宙を走る、爆破! 炎上! 氷結! 電撃!


 それらが、畑を埋め尽くし! 盛大な爆発が起きる!!


 その結果!!


「爆炎が晴れた! 農作物は、見え、見え……!! あ!」


「あります! 農作物!! めっちゃ多くあります!! 大収穫です!! わあああ!!!」


「「「「「!! うおおお!!!」」」」


 !!! 成功!!


 フォーーー!!!


 ああ! そうである! 


 爆発の後には、より緑生い茂る、みずみずしい野菜や! ぎっしりと実の成った麦! トウモロコシ! 果物が! 畑を埋め尽くす様に生え!


 畑の外にまで! 農作物が! 転がっていたのであった!!!


 ヒューーー!!!


 かくして!


「ありがとうございます! 坂本さん! ありがとう! おおお~~~!!!」


「これは本当にすごい! 実験成功ですよ! あああ!!!」


「さすがは、坂本はん! これぞ、坂本式魔法農業ですわァァあ!!!」


「お! それいいな!」


「実にいい!! それを正式農業としよう! 論文で発表するぞ!!」


「え、いいんですか!」


「いいんですよ! 坂本さん! 学会へ送りましょう!!」


「「「「坂本式魔法農業の発表だ!! 歴史に残るぞ!! フーーー!!!」」」」」


「!?え、ええええ!?!?」


 グラハム研究室長や、皆から褒められたように!


 より短い時間での『瞬間栽培』と! 収穫量アップ!


 そして、より栄養豊かで、美味しい作物のVR技術的・栽培方法!


 ウイニング・ショーの歌&演奏を流しつつ、バリア・システム・魔法を使う!


 『坂本式魔法農業』が、完成したのである!!!


 やったぜ! イエーーー!!!


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