第75話 ヒダールの暗殺ミッション! コロシアム・アイランド! 潜入編!!


 ――おはよう。ヒダール。次のターゲットのいる、コロシアム・アイランドへようこそ。


 ――ここは、昔から続く闘技場とカジノの街よ。


 ――船の賭けレースや、ポーカー、ルーレット、スロットなど、様々なギャンブルがにぎわっているけれど、やはり一番盛り上がってるのは闘技場での殺し合いね。


 ――そんな欲望と金の渦巻く街だからこそ、ここを牛耳っているのは『コンカッセ』っていうマフィアよ。


 ――全員NPCだから、あなたなら楽勝でしょうけどね。


 ――というわで、ターゲットは、闘技場に出場する、『NPCファイター・ギドー』と、NPCマフィア『コンカッセ』の全員殺害よ。


 ――ターゲットを始末すれば、このコロシアム・アイランドは、あなたの者。運営するなり、貸すなり、売るなり、自由にできるわ。夢が広がるわね!


 ――あと、あなたの懸賞金が20億を突破したわ。その影響で、賞金稼ぎが出てくるかもしれないから、気を付けて。


 ああ、ありがとう。システムちゃん。


 それじゃ!


「作戦会議の時間だ!!!」


 船の上で、始めるぜ!! ええ!!


「狙撃する?」


 ファイターであるギドーの方はできるだろうな。


 しかし、コロシアムでするのは目立つ。


「そうですね。下手したら、マフィアの方が雲隠れするかも」


「あー」


 そうだな。その可能性はある。


「じゃあ、どうするの?」


 とりあえず、街へ行って情報を探ろう。


 使える話があるかもしれん。


「「OK!」」


 っという訳で!


「おお! 凄いデカいコロシアムだな!」


「立派なぇ~。周りの建物も綺麗だし。これは観光ですわ♪!」


「美味しい匂いもしまくりです! 楽しみ~~~♡♡♡」


「「「イエーーー!!!」」」


 船を降りて! 街へ!!


 デカいコロシアムだな! それに屋台も多い! 旨い匂いがしまくり!!!!


 テンション上がるぜぇぇえ!!! へへへ!!!


「うむ! オーガ肉の串焼き! うめぇ! カリカリでジューシーな肉をかみしめながら! ラム酒を飲む! くううう~~~♡♡♡!!!」


「キラー兎のカレーも美味しい! 辛いカレーをビールでゴクリ! たまらないわァァあ~~~♡♡♡!!! あああ~~~♡♡♡!!! って、待って! アラコ、それ美味しそう。頂戴!」


「はい、マグロのカルパッチョです! 美味しいですか?」


「おいしい!!!」


「良かったですねぇ。ちなみに、狂暴バッファローのステーキ! 催眠鹿のソテー! 山盛りポテトに、甘いエールも合いますよ~!」


「なにそれ! ほしい!」


「俺の串とラム酒上げるから、トレードしようぜ!」


「「賛成! ヒャッハー!!!」」


 と、屋台料理を食べながら! 


 歩いていると!!


「ギドーの試合か! どうなるかなァ?」


「厳しいんじゃないかねぇ?」


「「「!!!」」」


 コロシアム前の酒場で、ファイター・ギドーの情報っぽい話が聞こえてきたぞ!!! 


「コロシアムでの、メイン試合! 相当な金が動くからな! 当てたいぜ!」


「相手は、蜘蛛人族の、ウオンデッド・チュラリーか!! なかなかのテクニシャンだ!」


「どっちに賭ける?」


「チュラリーは年だ! ギトーだろう!」


「いいや、チュラリーも技術がすごいぞ!!!」


「俺の見立てでは~」


「わしの勘は~」


 ふむふむ。つまり賭け試合で、対戦相手は、蜘蛛人族のファイター! ウオンデッド・チュラリーか。


 アラコと融合すれば、六本腕になれるから、ごまかせるかもな。


「じゃあ、試合相手のウオンデッド・チュラリーを気絶させて、入れ替わるのもありね!」


 いいね! それでいこう!!!


 よし、ギトーの方は作戦立ったな!


 じゃ、その場を離れ!


 次は、カジノの方に歩いていこう!!!


 すると!


「いそげ! いそげ!」


「誰にも見られるなよ!!」


 なんか、いかにもな黒ずくめの奴が、こそこそしてるの発見伝!!!


「メナス! アラコ!」


「「お任せ!!」」


 これは、盗聴確定でしょう!!!


 そういう訳で、メナスの振動把握と、アラコの糸で、糸電話風にして! 


 話を盗み聞き!


 その結果!!!


「見られてないか?」


「ああ、大丈夫だ! これ持ってきたぞ! しかし、何に使うんだ? 毒なんて?」


「そりゃあ、ギトーを勝たせるためだよ!!」


「ウオンデッド・チュラリーは年齢で勝てない。が、万が一があるからな」


「だから、この毒でチュラリーの体調を崩して、勝つのサ! 俺達コンカッセは、ギトーに開発資金を掛けてるからな!! これで負けたら、大損失!!! 事業が吹っ飛び、組が滅びかねない!!!」


「まったくだ! なんとしても、ギトーには勝ってもらう!! そして、何倍にも増やした大金で! コロシアム・アイランドをさらに開発だ!」


「ああ、海では、海軍と海賊がやり合うというから、両方に売るための武器・ポーション工場を作るぜ! 」


「これで大儲け間違いなし!! 鳴海会とかいう新参には負けんぞ!!」


「そういえば、いろんな島で負けてるんだっけ?」


「そうだ! 奴らに負けて商売を奪われたり、支部を潰されたり、資金を奪われたから! こんな賭けをしなくちゃいけないんだ!!」


「絶対員勝って、返り咲くぞ!!!」


「勝つのは我々! コンカッセだ!」


「ぽっとでの弱小ヤクザに負けるな!!」


「「「「「『『『『『うおおおお!!!』』』』』」」」」」


 あー、うん。なるほどね。


 鳴海会に負けたから、八百長ってかイカサマで勝とうと。ふーん。


 これは、俺が手を下さんでもそのうち死ぬな。


 まァ、ミッションの関係だから、俺が殺すけど。


「でも、これでどうすればいいのか分かったわね」


「ええ! 私たちが試合に勝って、開発資金を没収しましょう!!!」


 そうだな! 俺らが自分に大金掛けて、奴らの資金を回収するくらいに勝とうぜ!!


「いいわね! それを取り戻しに来るわよ!」


「でも、そのためには、迎い撃てる場所がいりますね」


 それはそうだな。


 よし、じゃそのための物件を探そう!


 ということで!


「でしたら、こちらの物件はいかかでしょうか? 改造できる家屋で、広く! 何に使っても構いません!」


「買った!!」


 うん! このコロシアム・アイランドの北西にある、崖の上の巨大豪邸が良い感じ!!!

 

 そこを現金で即購入!! 


 改造するための物資も買って、送らせる手続きをしたのであった!!!


 これで、下準備はOK!

 

 作戦開始だぜ! ええ!!


* * *


「ウオンデッドに2万!」


「ギドーに1万だ!」


「あいよー」


「ウオンデッドのKO勝利に、1万ゴールド!」


「おいおい、KO狙いかよ。大丈夫か?」


「大丈夫だ! 勝てばウオンデッド勝利で、2倍! KO勝利で、10倍! つまり、20倍だ! これに人生を賭ける!! 20万ゴールドを得る!」


「じゃあ、俺は完全試合! ギトーに! 2万!」


「ええ、完全試合!? 嘘だろ!!」


「いいや、俺は狙うぞ!! 一発もダメージ貰わずに勝てば、ギドー勝利で、4倍! 完全試合で、30倍! 120倍だ! 240万ゴールド! 狙うぜ!! ええ!!!」


「あいよー」


「狙いすぎだろ。俺は堅実に勝敗に賭けるぜ! ウオンデッドに10万!」


「10万!? どこが堅実だ!! 全財産だろ! それ!!」


「うるせー! お前よりは堅実に勝つんだよ!!」


 ――わいわい! がやがや!


 おお、コロシアムに入ったが、賭けてるねぇ!!


 じゃ、俺も賭けて! コンカッセの掛け金以上を稼ぐようにしよう。


 つまり!


「ウオンデッド・チュラリーの、完全KO試合に、500万ゴールド!!」


「え?! 5、500万ゴールド!?」


「え!?」


「「「「「『『『『『ええ!?』』』』』」」」」」


「あ、あの間違いじゃ?」


「いや、間違いじゃない。500万だ」


 ほんとは、もっと持ってるけど、賭けすぎると倍率が下がるからな。


 ここらへんでいいだろう。ええ。


「わ、分かりました! では、500万賭けで」


 どうも!


 これで、だいたい300倍の金がえられるな。


 つまり、15億ゴールドが得られる。


 まァ、俺の後にもっと賭けが動くだろうから、実際は10億~5億ほどになるかな。


 でも、それでいい。


 勝てば、コロシアムの金だけでは足りず! コンカッセの開発資金もブン捕れる!


 大金だぜ! ええ!!


「おいおい! マジかよ!!」


「ウオンデッドが勝つのか!? マジで!?」


「何か裏情報が!?」


「分からん! しかし、ううむ!」


「賭けるべきか。どうするか!」


「俺は賭けるぞ! ウオンデッドに!」


「私も!」


「俺は自分の道を行く! ギドーに1万!」


「「「「「『『『『『うおおお!!!』』』』』」」」」」


 っで、そんな俺の賭けを見て、めっちゃ驚愕し!


 心揺れているNPCたちの声を背にしながら。


「よっと。意外と簡単には入れたな」


 俺達は、控室に忍び込み! 


「メナス」


「任せて! ……見つけた! 次の次の右の扉! そこにいるわよ!!」


 メナスの振動把握で、ウオンデッド・チュラリーを見つけたのだ!


 そして!


「おう! 邪魔するでぇ!!」


「!? 何だお前r――『金的・スイング!』!? が!? ――『頭フルスイング!』ぐえ!!」


 いきなり中に入り! ギターで、金的! 頭殴り!


 気絶!!! 閉廷!!!


「……あれ? なんか、弱くない?」


「そうね。マジで弱かったわ」


 うん。だよね。


 これは、ギトーにも、マジで負けただろうな。


 試合でなくてよかったね!


 じゃ!


「アラコ!」


「はい! 融合です!! それ!!」


 失神したウオンデッドを隠し! アラコと融合!!!


 6本腕の、蜘蛛人族ファイターとなり!


「奏でるぜぇ! イエーーー!!!」


 ギター演奏で、パワー・アップ!!!


 能力上げてくぜぇぇえ!!! ウイーーー!!!


 ちなみに、楽曲はクラブで演奏した、ロックをベースに! 


 痺れと爆発を多く入れた、ガツンと来るロックである!!!


 ああ、リオン&キャミーに依頼されてた曲だな!


 ノリノリな上に、流れるようなビート! 破壊力抜群なサウンドをかき鳴らして、音楽が爆発!!


 聞くだけで、魂がシャウトするような曲調で! 能力UPのおまけつき!!


 特に、攻撃をアップさせ、音楽による振動ガードも発生させ! 聞いている者を守る仕様にしたぞ!


 二人に聞いたら、『すごく良かった! さすがヒダールさん!』『音楽も能力もいいわね! さすがマスター・バード!! 大好き!!』っと、凄い反響良かったし! 


 今から殴り合いの俺も、安心だぜ! イエーーー!!!


 で、準備を整えたら!!


「じゃ、私はコンカッセの様子を見てくるわね。何かあったら連絡するわ」


「ああ、頼んだ!!」


 メナスは、マフィア・コンカッセの状況を実況するために、潜入し!


「そろそろ試合です! ウオンデッド! こっちに来てくれ!」


「あいよ」


 入れ違いでやって来た、スタッフに呼ばれ!


 俺たちは、試合へ向かったのサ!!!

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