第66話 白沢茜達は、アミラちゃんを乗せて海を行く!


「あー、いい天気! 航海日和ね~!」


「ほんとだね! いい気持ち! あああ~~~♡♡♡」


「やっぱり、圧倒的船団で、海を行くのは! 気持ち良いわね! ヒューーー!!!」


 はい、我らが船団! 『スイーツ・パラダイス』! 大海原を行ってます!!!

 

 うん! 輝く太陽の光を受けながら! 私、桃、唯の巨大戦艦が進み! 


 その後ろを、初級~中級の海軍プレイヤーの軍船たちが、行く!!!


 そうやって、海を横断する船団の姿は! まさに圧巻!!!


 気分が、乗るよ! ヨーソロー! へへへ~~~!!!


 ……うん? こんな船団で向かえば、良い的じゃないかって?


 それは全然大丈夫!!!


 この船団を見れば、たいていのモンスターや海賊は逃げるし、その背を撃ちとれる!


 また、向かってくる敵は!


「大砲! 撃てぇぇえ!!!」


「迫撃砲! 用意!」


「魔法キャノン! ファイアーーー!!!」


『『『『『「「「「「うおおお!!!」」」」」』』』』』


 ――ドドドドドドドドド!!! ドッガァァあ!!!


「「「「「『『『『『!?!? ぎゃあああ!!!』』』』』」」」」」


 っと、こうやって集中砲火で倒せるから! 


 爽快感、やっべえええ~~~♡♡♡!!! 


 フーハハァァあ!!! ウイーーー!!!


 ……あ、ちなみに、今倒してるのは、イベントの海賊船です。


 そう、アミラちゃんの国を襲った海賊ね。


 うん。見たことない旗ってか。旗を見たアミラちゃんが、『あれこそ! 我が祖国! ワドルド王国を襲った海賊です!!』というので。


 迫撃砲と、魔法砲! ぶっぱ! 


 ついでに、魔法・サイバー・ビーム流で、爆破魔法! 雷撃魔法! 水魔法! 氷結魔法! 風魔法! ぶっぱ! 


 私も!


「新星☆爆破魔法! 明けの明星フラルゴ・ルシファー! っはあああ!!!」


 っと、魔法陣を何重にも展開し!


 海賊船どころか、海を吹っ飛ばし!! 巨大な津波を巻き起こして、海底が見えるほど!


 フルパワーを撃ちこんどきました!!!


 ヒューーー!!!


 見よ! 船がバラバラで、血まみれだ!


 あいつら死んだぞぉぉお!!!


 ウイーーー!!!


「!?!? ええええ!?!?」


 *まさかの海賊瞬殺劇に、ビックリのアミラちゃん!


 おや、びっくりしちゃったかな? アミラちゃん。


「は、はい! 驚愕です! まさか、一方的に! 遠距離で倒すなんて!!」


「皆さん、すごく強いんですね。びっくりしました! 茜さんたちは、最強です!」


 にゃはは!! そう言ってくれると嬉しいね!


 でも、上には上がいる。というか、敵が弱すぎるから、警戒しといたほうがいい。


 多分、なんかくるよ。


「え?」


 アミラちゃん。いいことを教えてあげよう。


 私たちが普段戦っている海賊は、PK海賊という大物なんだ。


「あ、はい。新聞で見てます。

島を破壊したとか、乗っ取ったとか。億越えの犯罪者ですよね(ゴクリ)」


 そうだね。彼らはたとえ初級や中級でも脅威。


 数をそろえれば、私たちを楽しませてくれる、『敵』なんだ。


「っは、はァ?」


 今潰した海賊たちはね、そんなPK海賊の初級にも及ばない。


 雑魚中の雑魚なんだよ。


「!? ええ!? う、嘘ですよね!?」


 事実なのよ。これが。

 

 なんでかと言えば、初級海賊でも、私たちの船に乗り込んではこれるから。


 カルマ武術に、魔法、悪魔娘の力を用い!


 船が壊れても即直して、HP1となっても『まだだ!』して、粘り!


 時に、大砲で人を飛ばし、直接乗り込んでくる!


 時に、嵐そのものとなって襲ってくる!


 他にも、樽にしがみついて泳いできたり! 海軍に変装どころか、海賊船を海軍船に化けさせて、襲ってくる! 


 モンスターを召喚して、それにライドして突撃してくるなどなど!


 奇想天外! 千差万別!


 ありとあらゆる手段・発想・アイデアで! 私たちを殺そうと、全力でやってくるんだ!


 だから、それすらできないNPC海賊は、雑魚の中の雑魚。


 大砲の的にしかならない、経験値200程度の雑魚なんだよ。


 ……初級海賊・撃破なら、最低でも5000は入るからね。


 ここでも違いすぎる。うん。


「そ、そんな……海には、そんな恐ろしい奴らがいるんですか?(驚愕)」


 そうだね。でも、大丈夫!


 そんな奴らより数が多くて! 強いのが! 私たち! 海軍だから!!


 だから困ったときは、私たちを頼ってね! 絶対に助けるから!


「は、はい! ありがとうございます!! でも、今回の事は、その……」


 ああ、分かってる! 分かってる! 


 私が言いたいのは、今回のワドルド国王・奪還戦のことじゃなくても、困ったら呼んでねってことだから!


「はい! ありがとうございます! すいません。本当は、私も頼りたいんです。あの海賊たちを、一瞬でやっつけた、茜さんたちを頼りたい。でも」


「そうだね。私たちも、助けたいけど。政治がねー」


 うん。そうなのだ。


 今回の、ワドルド奪還戦。


 敵海賊を、一瞬で皆殺しにした私たちが、なぜ参加できないのか。それは、この世界の政治。


 もっと言えば、ネビー・ランドと、島々の国々における、政治的関係である。


 私はよくわからなかったが、唯が説明してくれるところによると。


・唯

えっとね、ネビー・ランドって海軍本部のある国で、島々には海軍支部のある国もあるじゃない。

そこら辺をパトロールしたりして、イベントを見つけるのが私たちの遊び方だからわかると思うけど。


・茜

そやね。


・唯

っで、そうやって海軍支部を置いてる国は、ネビー・ランドと仲がいい国なのよ。

逆に、海軍支部を置いてない国は、うちはうちでやる! って、独立独歩の国みたい。

なので、今回の事に海軍が協力すると、政治などにも影響を受けて、独立独歩が出来なくなるから、嫌がっているのよ。


 なるほどなー。


 つまり、私たちの介入を嫌がっているわけだ。


 でも、それを嫌がってるのは。


・唯

ええ、アミラちゃんではなく。彼女の叔父。ギーレン王国の、叔父さんでしょうね。


 厄介だねぇ。


・唯

そうねー


 うん。本当に厄介だ。


 まァ、イベントを上手いことやっていけば、何とかできるでしょ。


 うん。これ、NPCが海軍に入ってくれるイベントのはずだからね。


 最終的には、仲間になってくれるのである。


 つまり。


・茜

黒幕ってやっぱ叔父さんじゃないの?

 

・唯

その可能性は高いと思うけど、証拠がねー。


・茜

じゃあさ、調べてみようよ。


・桃

??? なんで?


・茜

ファンタジア・エルドーンってさ、『情報をゲットしたら』いろいろとルート解放されたりするよね


・桃

ああ、マルチエンディングね


・唯

ああ、あるわね。ストーリー一本系の話もあるけど、持ってる情報によってルートが選べる展開。

……あ、そういうこと?


・茜

そう! 情報を調べれば、ルート解放あるカモ!

ってことで、叔父を調べたいんだよねー。


・唯

なるほど。理由は分かったわ。でも、どうやって?


・茜

海軍支部を置かない以上。海賊と交流してるのは確定だと思うのよ


・桃

まあねー。海軍がいない国の兵士より、PK海賊の方が強いしね。


・唯

なんなら、島々の経済にも食いこんでるわよ。とくに、『鳴海会』が


・茜

うん。だからさ、海賊なら知ってると思うんだ。ギーレン王国の内情。


・唯

それを教えてもらおうと? 海賊から?


・茜

うん!


・桃

いや、無理じゃね?


・唯

私もそう思う。情報くれないでしょ


・茜

普通はねでも、『立場を明確にしない掲示板』。使えたよね?


・桃&唯

あ!!


・唯

なるほど。ちょっと聞いてみるわ


・茜&桃

任せた!


 っと、情報待ち!!


 掲示板を使っての、情報収集をしているのだ!!


 故に!


「!!! これ、美味しい! なんて料理ですか!? こんなの初めて!」


「ハンバークだよ」


「ハンバーグ! おいしい!!! あむ! あああ~~~♡♡♡!!!」


 アミラちゃんに、美味しい現代料理! 


「わあああ~~~♡♡♡!!! 楽しい! これ、急旋回! 急上昇! 急降下! ――ブォォォオオオ!!! 楽しい!! わあああ~~~♡♡♡!!!」


「ジェットコースターだね! うおおおお!!!」


「「ヤッフーーー!!!」」


 桃の船に作ってる遊園地! 


「わー♡! わー♡! わ~~~♡♡♡!!! くぁいい♡! 綺麗♡! 美しい♡! あああ~~~♡♡♡!!!」


「うんうん! やっぱドレスは人気だね!」


 唯の船にあるショッピングモールなどで、ショッピングし!


 遊びまくったのさァァあ!!!


 ヒューーー!!!


 すると!!


・唯

情報ってか、メールが来たわ。話をしたいって


・茜


 報告というか! メールが来たのである!!!


 それを開くと!!


・匿名商会

はじめまして。破壊神さん。鉄の乙女さんから紹介された、匿名商会です。

良い取引をしましょう。


 匿名と言いながら、どう考えても『なの字』の商会から!


 取引を持ち掛けられたのであった!!!


 ファーーーWWW!!!


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