第65話 白沢茜は、皆と打ち上げしながら、イベントに遭遇した。


「いよーし! じゃ、今日も大物海賊! ハゲワシのブッチーを狩れた記念で! かんぱーい!」


「「「「「『『『『『イエーーー!!!』』』』』」」」」」


 そう言って、ラム酒(子供用・つまりジュース)の入った、樽ジョッキを手に!


 私と、桃、唯! そして、初級~中級プレイヤーの海軍たちは!


 船の上で、お祝いだァァあ~~~!!! ヒューーー!!!


 ゴクゴクゴク!!! ぷっはあああ~~~♡♡♡!!! 旨い!!!


 うん! 子供用ラム酒の炭酸は、いつ飲んでも美味しいけど!


 やっぱり、海賊狩りに飲むのが一番!!!


 次いで、殺人事件の解決! 汚職海兵の逮捕! 


 ダンジョンに救ってる巨大犯罪組織の撲滅(物理)に、貴族の逮捕と処刑だね! 


 イエーーー!!! へへへ!!!


「しかし、イベントも増えたわよねぇ~! 毎日が楽しいわ♡! うん!」


 分かる! 分かるよ! 桃!


 あの打倒・キャプテン・ジョリー・ロジャー宣言からこっち、マジでイベントが多くなった!


 シーズン1の時もそうだけど、イベントは豊富で、種類も多いし! 


 ソフトからガッツリ系まであるから! 結構飽きないのよねぇ!!


「そうね~。軍艦を操る海戦で、海賊を仕留めるのもいいし! 殺人の謎を追って、聞き込みや、現場検証! 魔法での鑑識とか推理で、犯人を当て! 武力で逮捕!」


「ダンジョンにいるモンスターを倒して、その奥にいる巨大犯罪組織をつぶしたり! 

海や森でとれる食材で料理バトルや、店を大きくしての商売バトル! 

これまでの冒険を歌にして、吟遊詩人としてデビューとか! 

サーフィンや剣技の先生になるのも、面白かったな~」


 分かるわ~! 唯!!


 結構別ジャンルのゲームが入ってて、面白いのよねぇ~~~!!!


 特に私は、海賊との海戦や、犯罪組織撲滅!


 ダンジョン潜って、モンスター狩りや! 殺人事件の調査が好きだわ!!


 バトルが好き! ってのもあるけど。単純に、このミステリー・イベントが、濃厚で面白いのよ!


 自分や部下のNPCを使って、いろいろ調べたり!


 NPCたちの証言を聞いたり、魔法で鑑識したり! 


 結構そろえる証拠や、考えるトリックも凝ってて! 一度も同じ事件がないからね! 


 やってて楽しいのよぉ! 普通に探偵ゲーム。いや、警察ゲームとして優秀だわ! このイベント!!!


 解決すればするほど、街や島の人々から尊敬されて! NPCが海軍に入るし!


 ああ、自尊心が満たされて、気持ち良いんじゃァァあ~~~♡♡♡!!! ああああ~~~♡♡♡!!!


 もう隙あればやってるくらいにははまってるわね。うん。海戦や、他の二人のイベントに付き合えなかったら(人数指定があるイベントなど)、事件見つけて介入するくらいしてるわ! うへへ///。


 ちなみに、桃は、殴り合える喧嘩イベントや、貴族との決闘イベント。海賊・モンスター・犯罪者の、殲滅イベンとが好きで。


 唯は、子供たちにものを教える先生系や、店を大きくして稼ぐ! 商売系のイベントが、好きだったりする。


 どれも凝ってて、面白いわ! 


 だからここ数日は、毎日イベントしまくり!!!


 うん! 三人そろったり、一人一人やってても、終わったら集まって話をして! 盛り上がって! めっちゃ楽しいのよ!!!


 ほんと、誇張なしで、一生遊べるわ! 


 これ、2週間後の決戦の後もしてくれないかなァ? マジで面白いんだけど!!!


 うん! NPC海賊もPK海賊も、めっちゃ多く出歩いて戦えるし!


 殺人・怪盗・ミステリー事件を解くの、めっちゃ好きなんよぉ!!!


 頼むから、続けて! もしくは、独立して探偵ゲーム! いや、警察ゲーム作って!!


 絶対買うからあああ~~~♡♡♡!!! あああ~~~!!!(懇願)


 っと、思っていると!


「あの、茜さんたち! すいません!」


 慌てた様子の初級プレイヤーの子が、私たちに話をかけて来た。


 どした~?


「その! たった今! 船に当たったボートを見つけまして! 船の上から中を見たら、女の子が倒れているようで!」


「「「!!!」」」


 でかした! イベントだァァあ!!!


「拾い上げて、回復魔法!! ただちに、救助しなさい!!!」


『『『『『「「「「「っは!!」」」」」』』』』』


「桃たちは、周囲警戒! 港の近くだけど、一応! モンスターや海族が来ないか! 見張るよ!!」


「「「「「『『『『『御意!』』』』』」」」」」


「健康状態は分からなかったのね? とりあえず、何に日も食べてない可能性があるわ! 症状・飢餓とか、お腹状態が空腹の可能性があるあら! 料理作るわよ!!」


『『『『『「「「「「イエッサー!!!」」」」」』』』』』


 よし! 全員動こう!!!


 女の子を救うぞ!! うおおお!!!


 っという風に!


 私のチームは、回復魔法! 


 桃チームは、周囲警戒!


 唯チームは、料理!


 そうして、美しい黒髪の女の子を助け出し! 空腹……ずっとダメージを受け続ける状態異常。数時間飯を食べないとなって、飯を食べないと解除されない……も、回復させたのである!!


 っで!


「う、う~ん」


「あ、気が付いた!」


 私の船にあるベットで! 目を覚ますと! 


「!!! 誰!? あなたたち! った、助けて! 襲われたの! ああ! 火が! 火が! ああああ!!!」


「ま、待って落ち着いて! 私たちは海軍! ここは、海軍本部のある、ネビー・ランドです!!!」


「ね、ネビー・ランド?! じゃあ、あなたたち、海軍?」


 っと、慌てまくるので、落ち着かせたのだ!


 うん。少なくとも、事件はあったっぽいね。


 ……お話、聞けるかなァ?


「ええ。そうです。私が、茜。この船の提督です。周りにいるのが」


「桃でーす」


「唯です。二人とも、提督です。あなたが発見された時一緒にいたから、ベットの側にいたの」


「ええ、そういうことです」


 まァ、まずは自己紹介だろう。


 そういうことで、バットの側にいた私たちの事を話した。


 ちなみに、部下であるNPC海兵や、初級~中級プレイヤー海軍たちは、自分の船にいる。


 それで、この港の周囲を警戒したり、沖合まで出て、陣形組んでパトロールしたりと『このイベントは俺らのもんや! 海賊は出てくるなやァ!!』っと警戒しているのだ。


 ありがたいことですよ! 


 イベントの途中で殴られることほど、ストレスはないからね!


 彼らのためにも、イベント確認! 頑張るぞい!!!


 っと、思っていると!


「!? え、茜、桃、唯って! 『破壊神・茜』、『人狼提督・桃』、『鉄の乙女・唯』ですか!? うそ、本物!? 新聞や、吟遊詩人の歌で聞いた、海軍の大英雄たち!? えええ~~~♡♡♡!!!」


「「ちょい待てや」」


「て、鉄の乙女か~♡! 照れるわね~。うへへ///」


 納得がいかん!! なんで、唯が鉄の乙女なのに!


 私や桃が、破壊神! 人狼提督なの!?


 いや、桃の場合は事実だけども! それでも、もっと可愛くできたでしょうが!! もおおお!!!


・茜

これが、行動や評判がゲームに反映されるってことか!


・桃

もっと可愛くしてよ~~~!!!


・唯

まァ、事実ではあるから。多少はね?


・茜&桃!

ブーブー!!!


 く、まァいいわ!


 私たちの今までの行動・評判で。


「あ、あの! サインもらってもいいですか! ファンです!」


「「「もちろん!」」」


 っと、アミラちゃんも味方だと思ってくれたようだし!


 カッコいいサイン! 書いてあげますよー!!


 へへへ!!!


「わー! ありがとうございます! 大切にします! わあああ~~~♡♡♡!!!」


「ありがとう! 喜んでくれて嬉しいわ。で」


 一体、何があったの?


「! そうですね。ご説明いたします」


「まずは、助けてくれた事に、感謝を。私の名前は、アミラ。アミラ・ワドルー。


ここから南西に何日も進んだ先の島国・ワドルドの国の姫です」


 ふむふむ。


「平和に過ごしていたのですが、数日前に海賊に襲われ。国王と女王である両親と、国民たちを皆殺しにされました」


 え。


「それで、船に乗って逃げたのですが、モンスターに襲われて大破。

ボートに乗って逃げ、なんとか海軍本部の国・ネビー・ランドに、たどり着いたとのです」


 ……。


・茜

やばい。思った以上に悲惨だった


・桃

そう? まァ、想像の範囲内じゃない?


・唯

まァ、着てるものは普通の服だけど、言葉使いとか所作見てると、貴族って感じしたけど、まさか王女とは


 あれ? 思った以上に、二人は普通だね。


 私が感受性豊か過ぎるだけか? これ???


・茜

ううん。っで、よ。やっぱ確認必要よね。話に出た、海賊の


・桃

それはそうだね


・唯


聞いてみましょうか


 そういうことになった。


 故に!


「事情は、分かったわ。アミラちゃん。で、ちょっと聞きたいんだけど。その海賊って、PK海賊?」


「? ぴ、PK?」


 おっと、失礼。PKで通じるわけないわな。


 これは私のミスだ。


「あ、えっとね。『不死身の海賊団』とか『悪魔の海賊団』とか、『鳴海会』や『ファッキン・マシンガンズ』とかってことを聞きたくてね」


「!? 不死身に、悪魔!? それって、凄い大物海賊団じゃないですか! 

船長に、幹部も億越えの! 腕利き提督との戦争では、島3つが滅びかけたっていう!」


 あ、それこの前のイベントだ。


 あれは呪われた死霊が出る島々を、プレイヤーとPKが『どっちが多く破壊できるか!』を競ったイベントだったけど。


 NPCにはこういう風に伝わってるんだねー。なんか新鮮!


「そうね。その大物海賊たちが、襲ってきた海賊か聞きたいの。奴らなの?」


「ちそれは違います! 彼らの海賊旗は新聞でよく見るので知ってますが、どれとも違いました。

それに、彼らをまとめる大海賊! キャプテン・ジョリー・ロジャーもいませんでしたので」


 ふーむ。なるほど。


・茜

そうなると、初級や中級PK海賊?


・桃

いや、NPC海賊の可能性もあるよ。イベントっぽいし。


 なーる。


「じゃ、アミラはどうしたい? 島に戻って海賊を倒し、島を取り戻す?」


 そう、桃が尋ねると、アミラちゃんは首を横に振り。


「いえ、それも考えましたが、先に叔父のいる国へいきたいです。

ここから東へ数日行ったところにある、ギーレン国の王。ツワラ・ギーレン国王が、私の叔父ですので」


 っと、叔父の国へ行きたいといったのだ。


 っで。


「なので、私を! 叔父の国まで送り届けてくれませんか!? 叔父に援軍を願い、ワドルド王国を取り戻すために! どうかお願いします! お礼はしますので!!!」


 ――イベント! 亡国の姫を受けますか?


 →YES


 NO


 イベント発生!!!


 フーーー!!!


「いいよ!」


「OK!」


「行きましょう! あんたたち! いくよ!」


『『『『『「「「「「あいあいさー!!! イエーーー!!!」」」」」』』』』』


 当然、YESを選択!!!


 大海原へ、乗り出したのでしたァァあ!!!


 ウイーーー!!!


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