第44話 キャプテン・ジョリー・ロジャーの中の人。坂本翔平! PKたちにクジラ狩りを教える!


「よーし、ではやっていくぞ」


「はーい!」


「できるかな!」


「小舟もすっげぇリアルだなァ! ワクワクする!」


「わ! 海が透けて見える! 魚が見えるぞぉ!」


「鯨は見えないね!」


「綺麗~~~!!!」


 俺のセリフに、『一人のPKがたくさんの反応をする』。


 よし、システムは正常に動いてるな。


 実は、ここでクジラの狩りをするぞと指名されるのは、全ユーザーだ。


 うん。ユーザー各々の画面で、指名された。選ばれた風にシーンが展開し、船に残るPK仲間から見送られる形となるが。


 実際は、『全員が小舟に乗って鯨狩りをする』のである。


 キャプテン・ジョリー・ロジャーである俺は、いろいろとアドバイスをして、彼ら彼女らに海での狩りを教えるのだ。


 さァ、やっていこう。


「まずは、魚を釣るぞ」


「え?」


「鯨狩りじゃ?」


「ホワイ?」


 鯨は最後だ。


 大物は最後で、まずは軽い物から練習する。


 なんでもそうだろ?


「ああ」


「そういえばそうか」


「なーる」


「なるほろね」


 じゃあ、釣りを教えよう。


 これ、海に行って教えてもらったのをデータ化してるから、結構リアルだぞ。


 世界観を出すために、マジでこだわってるからな! へへへ!!!


「まず、釣り竿だ。今回は、まァこれでいいだろ」


「木の棒に、糸?」


「めっちゃシンプルWWW」


「見たことある!」


「俺が子供の時、こんなの使ってたわ」


「質素すぎィィい!!!」


「WWWWW」


 渡すのは、初心者用の釣り竿。


 木の棒に糸と針を付けた、シンプルなものだ。


 シンプル故に、機能や効果はない。


 だからその分直しやすく、作りやすい。


「もっといいのが欲しいなら、金で買うか、奪うか、素材を集めて作れ。

植物や、モンスター、動物の素材で作れるぞ! 特殊効果も生える!」


「!? マジで!?」


「買えってのは分かるけど、奪えWWW」


「おう! 奪うぜ! 海賊なら、当然だ!!」


「へ―自分で作れるんだ! いいな!」


「特殊効果!? つけれるの!? マジで!?」


「それでしか釣れない魚とかいんのかな?」


「めっちゃやる事多そう!」


「普通に面白そう!」


「モンスター釣り竿! 作りてえええ!!!」


 で、ユーザーに釣り竿と餌を私、実際に釣らせる。


 餌は自動でつけれるし。釣りは、タイミング・ゲーだ。


 ここの海は澄んでるから、魚もよく見える。


 っで、浮きが沈んで、釣り竿が! 思いっ切り引っ張っらえるタイミングで!


「釣れた! うおおお!!!」


「でかいでかい!」


「わあああ!!!」


「私が釣ったの!? マジで!?」


「結構釣りやすいぞ! これ!」


 釣り上げるって訳だ!


 うん!


「うわー! でっかい魚だァ!!」


「食いつきの振動も、凄い! 魚の重みがダイレクトに着て! おおお!!!」


「マジで面白いな! これ!」


「あ、釣り上げた魚で写真撮れる! イエーーー!!!」


「釣りゲーとしても優秀じゃんWWW」


「これはハマるわ! はあああ!!!」


 よーし、つかみはいい感じ!!


 次の漁法を教えよう!


「センスがいいな! では、次は銛漁だ! 

これは、デカい魚用の漁法だな。銛で貫き、仕留めろ!!」


 デカい銛をPKに渡す。


 そのデカさと重さに、『おおおお!!!』『すげぇ!』『いかちィ!』っと歓声が上がり。


 さっそく構えて、獲物を探す。


 これはさっきの釣りより、直感的に遊べるだろう。


 狩りに近いからな。


 モンスターやプレイヤーを狩っているPKなら、なおさら親しみがあるはずだ。


 そう考えていた通り。


「よっしゃあああ!!! マグロゲットぉぉお!!! HHHHHHUUUUU!!!」


「おい、ワニが取れたぞ!? ええ!?」


「デカいの来たァァあ!!! これなんだ!? サメ!? あ、鮫だ!!」


「すげえええ!!!」


「でけぇぇえ!!!」


「ワイルドすぎんよおおお!!! HHHHHUUUUU!!!」


「これ、もはや狩りだろWWW 漁じゃねーわWWW」


「これはこれで面白い!」


「がっつりハントってかんじするなァ」


「こっちの方が面白いわ!」


「自分で銛つくってみてぇ!」


「巨大ダコとったりィィィ!!!」


「イカゲットぉぉお!!!」


「イエーーー!!!」


 全員が、大物を仕留めた!!


 獲物の泳ぎコースを予測し、全力で投げる!


 その面白さに、かなり満足しているようだな。


 さっきの釣りよりも反応がいいし、やはりPKには銛漁の方が親しみがあるかもしれん。


 っま、そんな訳で!


「筋がいいぞ! これくらいできれば、飯には困らんだろう。腹が減れば、釣りや銛で、仕留めるんだ! いいな?」


「「「「「はーい!!」」」」」


 これで基本は教えたな!


 じゃ、あとは本番ということで! 


「GGGGGAAAAA!!!」


 モンスター鯨! 到来!!


 海から跳ねて、小舟が揺れる!!! ヒューーー!!!


「!?!? はあああ!?!?」


「え、でっか!!! え、っでっか!!!」


「すっげぇ迫力!! 嘘だろ!?」


「あんなデカいのとるの!? 船よりでかいじゃん!!!」


「やっべえええ!!!」


「小舟壊されるぞ!!」


「波ヤバイ!!」


「こええええ!!!」


 そのデカさ! 迫力! ダイナミックさに、びっくりのユーザーたち!!


 だろうな! これ、海外の海にいって、マジで鯨が近くに飛び出した時の映像と! その衝撃を使ってるからな!!


 迫力満点だぜ!! ええ!!!


「これはヤバいな! ふん!『電撃銛』! お前! これを使え!

俺の魔法を付与した、魔法銛漁だ! これを、あいつにぶっ刺せ!!!」 


「うお! バチバチしてる! かっけえええ!!!」


「分かった! よく狙って! そい!!」


「銛にエンチャント!? そんなのもできるのか!」


「よっしゃァ! HIT!!」


「深々刺さったぜぇ!! って、うおおおお!?!?」


 うむ! モンスター・クジラに、俺の電撃銛が突きささり! 鯨が、大暴れ!!!


 めっちゃ早いスピードで逃げるから、銛に結ばれた鎖が『ピーンと引っ張られ』!


「よっしゃあああ!!! いくぞぉぉお!!!」


「鯨が俺らを引っ張ってくれるぞぉ! 振り落とされるなァ!! へへ!!!」


 部下の海賊たちが言うように! 小舟も、爆速移動!!!


 引っ張られて追っかけてるのさ!! ヒューーー!!!


「うおおお!!! 早い早い!!」


「ジェット・スキーみたい!!」


「ヒューーー!!!」


「感心してる場合じゃないぞ!! 銛の用意だ!

刺せると思ったら、投げろ!! 出血で、殺す!!!」


「「「「「『『『『『アイアイ・キャプテン!』』』』』」」」」」


 その間に、ユーザーたちは銛を投げまくり!!!


 ドスドスと、クジラに突きさし! 体力を奪う!!!


「!!! GGGGGAAAAA!!!」


「!! 向かってくるぞ! 突撃だァ!!」


「チャンスだ! 口の中に銃撃! 魔法! 銛! なんでもいいからぶちかませぇ! 

野郎ども! 攻撃用意ィィい!!! ってえええ!!!」


「おっしゃあああ!!! ガトリング・キャノンンン!!!」


「身体強化! 攻撃強化! っはあああ!!! 銛投げぇぇえ!!!」


「くたばれやァァあ!!! 電撃・ビーム!!!」


「ライジング・ストーム!!!」


「バーサーク・テッッッ!!!」


「真空斬り! っはァ!!」


「エクスプロージョン!!」


「ロケラン祭りィィい!!! ヒューーー!!!」


「伸びろ蛇腹剣! それ!!」


「電撃音波ァァあ!!! イエーーー!!!」


「分身・鮫! 同士討ちですわ!」


「無限ナイフ投げ! そこぉ!!!」


「行動不能魔法。滅多切り!!! 斬ッッッ!!!」


 時々、襲ってくるモンスター鯨の口内に!


 ドッカン! ドッカン! 総攻撃!!!


 ああ、銛を投げ、魔法を放ち! ロケランや、バズーカをぶっぱなし! 


 カルマ武術も、発動で! 凄いダメージを与えたぜ! イエーーー!!!


 っで。


 あとはまた、海を泳ぐモンスター鯨に、銛を投げてを繰り返し!!


「!!! GGGGGAAAAAA!!!」


「よっしゃあああ!!! 倒したァ! 仕留めたぞぉぉお!!!」


『『『『『「「「「「!!! うおおおお!!!」」」」」』』』』』


 やっと! モンスター鯨! 撃沈!!


 ドでかいクジラを、釣り上げたのさァァあ!!!


 フーーー!!!


「うおおお!!! 勝った! 勝ったァァあ!!!」


「モンスター鯨! 討ちとったりィィい!!! ヒューーー!!!」


「いや、すげぇわ!! 大迫力のバトル、マジ興奮!」


「釣り上げた成果がやべぇ!! 船に吊るされてる、あれ獲ったんだよなァ! っほおおお!!!」


「感動ですわァ!」


「すッげぇぇえ!!!」


「でっけえええ!!! ヒューーー!!!」


「これ、マジで面白い!! リアルなVRだから、めっちゃ臨場感に、興奮! 達成感があるんだよなァ!!」


「さっそく鯨とりてぇわ!! これは病みつきになる!!」


「快感がヤバいね! ええ!!」


「獲ったぞぉぉお!!! うおおおお!!!」


 ああ、船に釣り上げている、デカいモンスター鯨の死体!!!


 それを見て、大盛り上がりのPK達!!!


 この様子を見ると、海外の海まで出張って、クジラのデータや、漁のデータを収集しまくったのは、無意味じゃなかったと思うね! うん!!


 確かな手ごたえを感じた! 漁は大成功だな! 


 っと、感無量に思っていると!!


「船長! 大変です!! 3時の方向! 敵船ンンン!!!」


 海上に、敵船発見!!!


 戦争の時間だァァあ!!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る