第21話 伝次郎VS人食いの傀!


「しゃおら! 『踏みつけ』ぇぇえ!!!」


「うお!?」


 人食いの傀の踏みつけ!!


 大地を揺らし、爆発したような音を出す! 踏み付け!


 必殺のそれを避けて、俺は剣を振る! 


 サイバー・ビーム流の刀を振れば、ビームの刃が飛ぶ! 


 それは、瞬く間に傀に当たり! 


 肉の切れる音が、響いた!!


 っが!


「おお! 光の味ってこういう感じなんか! けっこうビリビリ! さわやか! 喉ごしがええで! ヒューーー!!!」


「!? げ!!」


 こいつ、光の刃を食いながら! 距離を詰めてきてる!!!


 くう!


 傀の繰り出すパンチを、光速で避ける! 

 

 けっこう、ぎりぎりだった!!


 こいつ、早くなってない!?


「伝次郎! この」


「おっと、そいつはさせませんっと」


「!? っく!!」


 シルフィも弓矢で援護しよとしたら、ドス・ヤクザが来て阻止!!!


「シルフィ!」


「よそ見したな? オラッッッ!!!」


「!? ぐわァァあ!!!」


 そっちに気を取られたら、めっちゃ早い人食いの傀が来た!! 


 うん! 影も置き去りにするような速度で、思い切り殴ってくる!!!


 かろうじてガードが間に合い、受けるが! うおおお!!!


 強い! 重い! やべえええ!!!


 その場にとどまれなくて、思いっきりぶっとばだれた! 


 コロセウムの壁にぶち当たる!!


 ダメージがデカい!! 


 それを知らせる、血を吐いた!! 


 かは!!


(くそ、なんて強さだ……いや、まて)


(そもそも、なんで、あんなに早いんだ? 俺の、スピードについてこれた? サイバー・ビーム流は、めっちゃ早いのに!!!)


 ……分からん!


 絶対からくりがあるだろうが、今は思いつかない!!

 

 考えながら、攻めるのみ!!!


「うおおお!!! ラッシュ・コンボ!!!」


 瞬く間に移動できる神速で! 


 剣で斬り、盾で殴る!!!


 本来であれば、クマ・モンスターでも、絶対に殺せる技!


 他のPKに当てても、悶絶して殺せた! 必殺の技!


 それが確かに、傀に当たり! HPバーを、大きく減らさせた!!


 が! 


「えいねぇ!! 俺も、やり合うでぇ! ドラァァあ!!!」


「!? ぐわァ!!!」


 全然ピンピンしてる、傀! 


 その体術を食らい! 全身に、ものすごい衝撃が叩き込まれる!!!


 ああ、拳が! 蹴りが! 肘が! 膝が! 突き刺さり! HPを大きく削られ! 


 またぶっ飛ばされた!!!


 くっそおおお!!!


(~~~!!! ヤバイ! こっちはかなりボロボロだ)


 回復ポーションもしてるが、それでも、俺のダメージはデカい!!!


 一方、同じように俺の攻撃を受けているはずの、傀は!


(奴の頭上のHPは、8割ほどまだある! くそ! 攻撃してるのに、回復されてるのか!?)


 これは、ジリ貧!!


 追い込まれてるぞ!!!


 やっべえええ!!!

 

 っと焦っていたら!


「ほな、そろそろ決めるでぇ! そいやァ!!」


「!?」


 目の前に、傀が! 急に飛び込んできて! 


「『バースト・ラッシュ』!!! どらあああ!!!」


「!!! ぐわあああ!!!」


 早く、重い!


 目にもとまらぬ、早業・ラッシュ!!!


 全身を破壊するような、猛攻ラッシュを! 俺へと、繰り出しィィい!!!


 ぐわあああ!!!


 は、早い! 重い! 早すぎる!!


 いや、早すぎるだろ!? この攻撃! どうなってるんだ!!!


 どうして、サイバー・ビーム流の速さで、勝てないんだ!?


 あああ!!!


 っと、混乱していると!!!


「っく! このぉ! フーフー! っで、伝次郎! あきらかに、スピードが落ちてる!! そして、人食いの傀は、スピードがさっきの倍以上に早くなっている!!! わ! きゃ! せや!」


「ううん! お、おそらく、スピード! 能力を、食われてるぞ!!! 遠距離で戦え!!! はァ!!!」


 そう、ドス・ヤクザとナイフで切り合う! シルフィが教えてくれた!!


 !! そ、そうか!!!


 こいつは、人食い鬼! もとになった、カルマ・スキルの人食い鬼召喚は、プレイヤーの能力を削る能力もあった! 


 それで、『スピードや、パワーも、食われている』のか!!!


 いや、それだけじゃないな! 


 食うことで、『俺のスピードを下げながら、自分のスピードを上げている』!!!


 これが、食うってことか!!!(完全理解)


 やっべ! なら、これ以上攻撃を受け続けたら、負ける!!!


 あっちの方が、既にスピードが上!


 ハメ殺されるぞ!! うん!!!


 だから!


「おらァァあ!!!」


 ――盾投げ! ブオン! ガン!!


「!? ぶ!!」


 俺は、盾を投げる『盾投げ』を発動し! 傀の顔にHIT!!!


 それで、視界をふさいだら! 


「光速・分身!!!」


 傀から距離を取って、分身!!!


 うん! 奴の、四方八方! 上下左右!!


 ありとあらゆる角度に、分身を置き! 


 一斉に、剣を振り下ろし!!!


 そうして!!


「うおおお!!! 『覇王・超神斬』!! っはあああ!!!」


 360°から! 剣ビームを放って、滅殺する!!!


 『覇王・超神斬』を、放ったのサァァあ!!!


 うお! すげぇ!!!


 『覇王・超神斬』を放ったことで、闘技場を抉り、揺れるほどの大爆発!!! 起きまくり!!!


 ああ、地面はぶっ飛び、会場も揺れ! 幾人かのPKが、座席から落ちていて!!!


 目の前には、巨大な土煙が、もうもうと立ち込めている!!!


 そんな衝撃と、破壊を見ながら!


 サイバー・ビーム流の状態が解けるほど! 全力で撃った攻撃に、俺は!


 確かな手ごたえを感じていた!


 が!


 ――ドキュゥゥゥンンン!!!


「!? が!!」


 土煙の中から撃たれた、赤黒い閃光が! 


 俺の首を貫いた!!!


 っがあああ!!!


 ――死亡! あなたの負け!!!


 ぐわあああ!!! やられたァァあ!!!


 HP砕け散って負け!!


 観戦モードの、幽霊モードになったよ!!


 くそおおお!!!


 いったいどうやって、勝ち……。


 はァ!?


「あっぶなァ。ダメージデカすぎて、死ぬか思うたわ。よう、『光食い・回復』上回ったなァ」


 あ、あの野郎!! 傀の野郎!!


 全身に、光り! 俺がはなった、ビームの刃を全部食っ多様で、赤黒い光を纏いながら!


 HPバー1割で、生き残ってやがる!!!


 あああ!!!


 っも、もうちょっとで殺せたのに!!!


 もう少しコンボか、魔法で、ダメージ与えてから!


 覇王ぶち込めばよかったのか!?


 いや、それだと食われるから、どうせ負け。


 ああああああ!!!


 どっちにしろ、俺じゃ勝てなかったんかーい!!!


 ああああああ!!!


 っと、発狂していると!!!


 ――パァァァンンン!!!


「!? ぐえ!!」


「え」


 うん! 傀が、爆発!!!


 光り輝く弓矢が傀に当たり! 爆発四散!!!


 そう!


「よし! これで、イーブンね」


「っち! やられたかァ」


 ドス・ヤクザの猛攻をしのいで、一瞬の隙を撃った! シルフィの矢で!


 傀も、死んだのである!!!


 うおおお!!!


「おお! 1VS1!! これは分からなくなった!!」


『いけいけ! エルフ勝てぇ!!』


「ヤクザァ! 根性見せろぉ!!」


『実質、傀の勝ちだったな』


「ああ、サイバー・ビーム流も、いろいろ殺し方があるぜ! ええ!」


 ああ、盛り上がる観客PKたちの言うように! これで、1VS1!!


 無傷だけど、息が上がっているシルフィと!


 黒のスーツがズタボロだけど、余裕そうなドス・ヤクザの!!


 タイマン決戦が、始まったぜぇぇえ!!!


 フーーー!!!

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