第5話 キャプテン・ビリーの中の人。坂本翔平! PKたちの様子を確認する。


 ――カタカタカタカタ。


 さて、1時間たったが、皆の様子はどうかな?


 そう思いつつ、俺はキャプテン・ビリーの中に入る準備をする。


 ああ、こうやって、チャリン・スキーやキャプテン・ビリーの中に入り、ユーザーの反応を知るのも、マジで重要なことだ。


 管理者権限で、ユーザーが動いてるのは分かるけれども。それは、データ上での把握だ。


 本当に楽しんでくれているかは、やはりゲームをプレイしてないと分からない。


 だから、ゲーム開発者として、把握しておく必要があるのさ。


 特に、仕込みをしている俺の場合はね! 


 という訳で!


「頼む! 盛り上がっててくれぇぇえ!!!」


 イベントの準備段階で、躓きませんように!!


 そう願いながら、俺はゲームへとダイブしたのである!!!


・キャプテン・ビリー

さて、1時間たったが、進歩はどうだ?


 そう、PK達全員に、PKメールで通達をしたが。


 さて、反応はどうかな?


・名無しのアジトチーム

アジト作りチームだ! 我々は、岩山をより堅牢なアジトに作り替えたぞ!


・名無しのアジト開発員

もっと言えば、外見は全く変わってないが、その中身を要塞化したんだ!


・名無しのアジト開発員

ああ、所々に大砲をしかけ! 地面にも、侵入者用の即死罠を仕掛けている! 


・名無しのアジト開発員

他にも、被害広げる毒・麻痺・呪殺罠! デバフ罠を、地面や岩山要塞の中に仕掛け! 侵入者退治に余念がない!!!


・キャプテン・ビリー

1時間の時間内で、結構ガチに固めたな!


 おお! 結構いい作りだ!


 襲われても、これなら戦えるだろう。


 かと思えば!


・名無しのアジト開発員

ちなみに、地下アジトも作ってまーす! はい!! URL


・名無しのアジト開発員

見てくれ! これが俺たちの本気だ!!


・キャプテン・ビリー

ふむふむ。遊園地、プール、バー、ホテル


・名無しのPK

レストラン、ショッピングモール


・名無しのPK

ゴルフ場、牧場、農場


・名無しのPK

釣り場、水族館、動物園、完備!


・キャプテン・ビリー

……


・名無しの開発員たち

……


・名無しのPKたち

……


・キャプテン・ビリー&PKたち

いや、街か!! めっちゃ遊ぶ気じゃん!!!


・名無しのアジト開発員たち

だって、楽しかったんだもん!!!


 ははは!!! マジかァァあ!!! 


 でも、面白いから全然あり!! 


 というか、これは成功だな。


 うん! 俺がゲームを盛り上げるために仕込んでいた策の一つ!


 それが、『ユーザーにものを作らせる』ということだ。


 自分で作った物には、愛着がわきやすい。


 それを利用して、建物や装備を自分で自由に作ることにより! ゲームを好きになってもらう!


 そういう策だったんだが。うん!


 この盛り上がりなら、成功っぽいな!


 いい手ごたえだぜ! へへ!!!


・キャプテン・ビリー

ははは!!! まァ、いいじゃねぇか! いい仕事したと思うぞ!!! 

地下まで侵入されたら、地獄だけどWWW


・名無しのPK

それなァ


・名無しのPK

ほんそれ


・名無しのアジト開発員たち

大丈夫! 上で対処できるから!!!


 ほんとかなァ?


 まあ、いいや! 次!!


・キャプテン・ビリー

次は、潜入チームか。戦果は?


・名無しの潜入チーム

もちろんあるぜ!!!


・名無しの潜入者

まず、銀行の地図! 完全版だ! これで、侵入に適したルート! 退路のルート! 金庫の場所を抑えた!! これを見ながらやれば、スムーズに、襲撃! 金庫まで行けるぞ!!!


・名無しのPK

おお! 有能!


・名無しのPK

これは潜入チーム!


・名無しのPK

どっかの遊び職人と大違いだ


・名無しのアジト開発員

? 誰のことだ?


・名無しのアジト開発員

さァ?


・名無しのPK

お前らじゃい!!!


・名無しのPK

WWW


 いいな。いい仕事だぜ! ええ!!


・名無しの潜入者

っが、それだけじゃない! 更に、情報をGETしている!!


・キャプテン・ビリー

何?


・名無しの潜入者

冒険者や衛兵への事も調べたんだ!!!


 ほう?


・名無しのPk

それにより、彼らの弱点を発見!


・名無しのPK

ダメージ増加情報を、ゲットしたのだよぉぉお!!! HHHHHUUUUU!!!


 !? おお!? 


 マジで!?


・名無しのPK

え、マジで!?


・名無しのPK

マジか! すごく有能じゃん!!!


・名無しのPK

おいおいマジか! ガチで有能だぞ! こいつら!


・名無しのPK

たまげたなァ


・名無しのPK

ガチすぎるWWW


・名無しのPK

これは勝ち申した!


・名無しのPK

勝ったな! 風呂入ってくる!


・名無しのPK

入るな!


・名無しのPK

フラグ立てるな!


・名無しのPK

ぶっ殺すぞ!!!


・名無しのPK

物騒で草


・名無しのPK

ファーーーWWW


 マジで有能な仕事ありがとう! 


 これで、勝ちの確率はかなり上がったな!


 そして、策も成功だろう!!!


 うん! 実は、この潜入というのも、ゲームを盛り上げる策だった。


 要は、『スパイゲームのような別ゲー要素』を入れることで、ゲームをより楽しめるようにしたのである。


 PKも好きだが、潜入、スパイ・ゲーも好き! 


 もしくは、潜入・スパイ系のゲームの方が好き!


 そういう層を、ファンタジア・エルドーンのファンにするために、取り入れた感じだな。


 ……言うまでもないが、この『別ゲー要素の挿入』は、当たればめっちゃハマるが、外すと死亡な博打だ。


 それは、歴史が物語っている。


 ぽっと出のゲームも、これが上手くはまればめちゃくちゃ売れたし。


 シリーズが何本も出ている超有名ゲームも、これが外れて爆死したことも多い。


 *坂本翔平、個人の意見です。


 そんな諸刃の剣である『別ゲー要素の挿入』だが、今回は、大成功!!!


 かなり盛り上がったようだ!!


 じゃけん、今後も別ゲー要素を入れていこうね~。


 うん。一度死んでるゲームだからな。


 こんな劇薬でも使って、当たるか死ぬかの博打をせんと、人気復活はできん。


 故に、これからもファンタジア・エルドーンでは、別ゲー要素を入れて、多くの人を夢中にさせていかねばならんのだ。


 そういう意味でも、最初に躓かなくてよかった~!!!


 ほっとしたね。うむ!!


・名無しのPK

では、最後! 武器作りはどうだ?


名無しの武器作り・チーム!

めっちゃいいものを作ったぞ! まず、ピエロの仮面だ! 


名無しの武器作り員

そうでーす☆ カルマを稼ぎやすくする! ピエロ仮面だよー!


名無しの武器づくり員

というか、被ってるだけでカルマ値が上がって、通報される的な?


 !?!? っはあああ!?!?


 なんかすごいもの作ってんな! おい!!!


・名無しのPK


・名無しのPK


・名無しのPK

草ァ


・名無しのPK

ヤバいしろもの北ァァあ!!!


・名無しのPK

ああ、確かに、強盗するし、カルマ値があった方が、カルマ・スキル使えるからいいのか


・名無しのPK

ネタ装備に見て、結構有能で草


・名無しのPK

こういうのでいいんだよ! こういうので!!


 なるほどなァ。


 他には?


・名無しの武器開発員

次に、銃の開発に成功! 火縄銃! ラッパ銃! ショットガン! ライフル! 爆弾! 

そして、金庫破り用の、デカドリルをつくったよぉ!!


・名無しの武器開発員

ぶっ飛ばせ!!! にゃー!!!


・名無しのPK

にゃー!


・名無しのPK

にゃー!


・名無しのPK

にゃー!


・名無しのPK

にゃー!


・名無しのPK

にゃー!


・名無しのPK

にゃー!(なんだこれ)


・名無しのPK

にゃー!(説明がおおざっぱWWW)


・名無しのPK

にゃー!(草ァWWW)


・名無しのPK

にゃー!(どう考えても、途中から技術が進化してる件WWW)


・名無しのPK

にゃー!(銃追加で、ショットガンとライフル追加WWW 強すぎィ!!!)


・名無しのPK

にゃー!(ファーーーWWW)


 ノリがいいな、お前らWWW!!!


 まァ、これくらいでいいか。よし!

 

・キャプテン・ビリー

準備はいいみたいだな! じゃあお前ら! データや、地図、装備を配布して、準備しろ!

今から、銀行前にワープする! 楽しもうぜぇぇえ!!!


『『『『『「「「「「ウイーーー!!!」」」」」』』』』』


 っということで!!!


「カルマ・スキル! ダーク・ワープ! 場所は、始まりの銀行前!!」


『『『『『「「「「「!!! うおおおお!!!」」」」」』』』』』


 真っ昼間の、銀行強盗が、スタートしたのであった!!!


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