第3話 とあるPK・黒宮隼人の復活と、謎の招待状


「そろそろ始まるのかな?」


『なにかは起きるだろ! 今日から売るって言うんだからよ!』


「会員になったけど、まだ買えなかったわ」


『いつ買えるんだ?』


「続編なんだろ!」


『新しステージ来るよな!』


「それは来るだろぉ!!」


『海とかあるのかなァ?』


「王都はあるんだろうか?」


『あるだろう! それは!』


「チャリン・スキーが言ってるからな」


『森からも見えるし!』


「あるで! ええ!!」


 ――わいわい! がやがや!!


 おお。すごい。


 久しぶりにINしたが、ユーザー数が多い!


 始まりの街の、商店街。その銀行辺りに、めっちゃ人が多いなァ。


 それに、何か熱気がすごい! めっちゃ盛り上がってる!!


 ファンタジア・エルドーンの、ゲーム開始日を思い出すよ。

 

「まァ、人数的には全然だけど」


 活動ユーザー人数320。


 普段よりは多いかなァって所か。


 まァ、まだ続行確定じゃないからなァ。


 様子見がおおいかね。ええ。


 そう思いながら、俺は始まりの街を抜け出す。


 俺の装備である、黒いマント、黒い鎧、黒いブーツの効果で、俺に気付く人間や、モンスターはいない。


 それで森も、すんなり抜けて。


「良かった。まだ使えるな」


 目当ての、岩山にある!


 PK専用・アジトに来たのだ!! 


(見つかったら、壊されるからなァ。場所変えるか?)


 でも、それ以外となると森か街しかないからなァ。


 見つかる可能性高くなるし。


 はよ、エリア増やしてくれ~。マジで。


「っま、いいや。とりあえず、スレッド見よ」


 ――カタカタ! PK専用スレ!


『みんな集まれ!』集まるプレイヤー狩ろうぜ!!『PK集合!』


『教えてくれ』新しいエリア来るってマジ?『ほんとに?』


 ……うーん。


 これくらいしかないかァ。


 どうしようかなー。


 プレイヤー狩りは、半年前にして、それからは普通に散歩プレイとか、モンスターハントしかしてないけど。


 久々に狩ろうかなァ。


 っと、思っていると!!


 ――ピロリン!!


「ん? メッセージ……いや、PK専用メッセージか?」


 PK職だけが見えるメッセージが、一通。


 送られてきたのだ。


「誰だ? あー、プレイヤー狩りの招集かな?」


 でも、活動PKユーザー数50人くらいじゃん。


 しかも、このゲームのPKって、『純粋な犯罪落ち』だけじゃないからな。


 うん。実はファンタジア・エルドーンって、『最初からPKかプレイヤーを選べる』んだわ。


 それも珍しくて、話題になった一つだった。


 だから、PK=全員犯罪落ち。プレイヤー狩り大好きって訳じゃない。


 ……俺は、プレイヤー狩りしたくてPKになった口だけど。


 全員が全員、そうではないのだ。


 なので、そんな『なんちゃってPK』や、PKの珍しさで選んだ『エンジョイPK勢』も多い、この環境で。


 のこり250人強を狩るのは、かなり難しいんじゃねって。


 は?


・キャプテン・ビリー

キャプテン・ビリーだ。今日、大仕事をしようと思ってよ!

暇な奴は、来い! 儲けようぜぇ! へへへ!!!


「え?」


 なんか、謎のメッセージが来て!


 ――ユニーク・イベント! 盗賊の頭からの招待状を、受けますか?


 YES


 NO



 ユニーク・イベント始まったんだが!?


 えええ!?!?

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