第11話 BBQ

 夏休みも終わりが近づき、外の気温も落ち着き始めた頃


 ピンポーン


 今日は部活も無く家でゴロゴロしていたのだが、家のインターホンが突如なった


「はーい」

「あ、大輝君久しぶりー!今冬ちゃんおる?」

「あ、里子さん久しぶり!今お母さんなら仕事でおらんで」


 家に来たのは、近所の秀介君のお母さんである里子さんだった


「あれ、そうなん?今晩BBQしよって冬ちゃんから誘われたんやけど」

「まじ?何も聞いてないわぁ」

「ま、いいや!とりあえず今晩のBBQの準備夕方からやるから手伝ってもらってもいい?」

「全然良いよー!うちのガレージでやるの?」

「そうやね、前回はうちでやったから、今回は赤松家でやろかな」

「りょうかーい。じゃあ3時くらいから準備始めるわー」

「よろしくー」


 秀介君たちの野本家と赤松家は昔から仲が良く、頻繁にBBQをすることがある。一時期は1週間に1回というペースでやったことがあるほど両家ともBBQが好きであり、真夏日が終わり夜が涼しくなってくるとBBQの季節が来たような感覚になる


「BBQの道具どこにあったかなぁ」


 里子さんから連絡を受けたので、俺はBBQセットがどこにあるのかを探し始める


「えーっと、BBQコンロ、炭、机と椅子。あとは・・・ガスバーナーってどこにあったっけ?」


 大抵のBBQに必要な道具は準備が出来るのだが、ガスバーナーのような危険性のある道具は少し場所が違っていたりするので、準備をする時に悩むことが稀にある


「あったあった。押し入れの奥は流石に分かりずらいわ」


 準備に必要な道具も全て見つかったので、ガレージに出て炭に火をつけていく


「前まで着火剤あった気がするんやけど、もう無いんかな?」


 本来であれば、着火剤を使って短時間で炭に火をつけることが出来るのだが、行方が分からない物を探しても仕方がないので着火剤なしで炭に火をつける


「よし、火も安定してきたし、他の準備をしていくか」


 BBQをするとなると、冬香は仕事で家にいないので基本的に準備は俺が一人で行う事になっている。慣れているとは言え、流石に重労働にもなってくるのだが、その分報酬もある


「この準備した後の、椅子で寛ぐのサイコー」


 そう、一人で準備をした後は、火を見るという名目上でアウトドアの椅子で一人くつろぐことが出来る。さらにそこにbluetoothスピーカーを用意すると「なんちゃってキャンプ」状態にすることが出来る。ここで、小説を読むことがBBQ前一番の至福な時間である


「大輝君準備出来たー?」

「里子さん出来ましたよー!もう火も着けましたー!」

「わかった!ありがとー。秀介も帰ってるから冬ちゃんが返ってくるまでに先に始めちゃおっか!」

「やった!」



 それから、秀介君たち野本家と俺で先にBBQを始めた

 里子さんが準備してくれた肉もおいしく、そこから色んなものを焼いていく。焼くものは本当に色々あり、肉から野菜、ウィンナーに厚揚げまで色んなものを焼いていくが、どれも本当においしかった

 ただ食べるだけというのも暇なので、休憩がてらに秀介君とバスケの1on1をしたり、スケボーをしたりと時間を潰しながらBBQの時間を楽しんだ

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